楽曲について

Fire and Rain / written by James Taylor
ジェームス・テイラーの2作目アルバム「Sweet Baby James」から取り上げるのは3曲目になりますね。この曲は彼の幼馴染スザンヌの自殺、そして彼自身の深刻な薬物中毒とうつ病体験をモチーフに作られ、発表以後は彼の代表作として定着していきます。
深い悩みを題材にすることで、自らの魂の浄化を試みている気さえする、内に秘めたパワーを感じる曲です。

曲を聴く前にイメージしたいこと

これはJT本人がインタビューで言及しているそうなのですが、1番は自ら命を断った幼馴染スザンヌのこと、2番は薬物中毒とうつ病の渦中にある自分自身のこと、3番は富と名声との向き合い方について歌っている……。とのこと。
曲のバックグラウンドについて作者自身が解説するというのも songwriting という文化ならではですね。それではどうぞ!

歌詞と対訳

Just yesterday morning, they let me know you were GONE
昨日の朝初めて聞かされたんだ 君が死んだという事実を 
Suzanne, the plans they made put an end to YOU
スザンヌ 皆が僕に気を利かせてくれたんだね
I walked out this morning and I wrote down this SONG
この歌を書き下ろす気力を取り戻すのに 一晩かかった
I just can't remember who to send it TO
もはや 届けるあてもない歌だけどね

[Chorus]
I've seen fire and I've seen RAIN
炎の日々 雨の日々
I've seen sunny days that I thought would never END
晴れやかな日が来れば それがずっと続けば良いのにと思い
I've seen lonely times when I could not find a FRIEND
友だちを見つけられないことで 寂しい思いもしてきて
But I always thought that I'd see you AGAIN
でもね いつかまた君に会えると 思わない日は無かった

Won't you look down upon me, Jesus, You've got to help me make a STAND
神よ 僕を蔑むがいい 僕の抵抗に付き合ってくれたけど
You've just got to see me through another DAY
そんな僕の姿を見るのは あと1日だけだ
My body's aching and my time is at HAND
身体が悲鳴を上げている もうすぐ僕の番が来る
And I won't make it any other WAY
別の決断をするのも 最早おっくうなんだ

[Chorus]

Been walking my mind to an easy time, my back turned towards the SUN
イージーな道ばかり選び 太陽に背を向け続けた日々
Lord knows when the cold wind blows it'll turn your head AROUND
冷たい風を浴びるまで 人は気付かないものだ
There's hours of time on the telephone line to talk about things to COME
来るべき未来について 電話越しに君と語ったこともあったけど
Sweet dreams and flying machines in pieces on the GROUND
その夢を乗せた飛行機は 墜落して結局バラバラになってしまった

[Chorus]
Oh, I've seen fire and I've seen RAIN
炎の日々 雨の日々
I've seen sunny days that I thought would never END
晴れやかな日が来れば それがずっと続けば良いのにと思い
I've seen lonely times when I could not find a FRIEND
友だちを見つけられないことで 寂しい思いもしてきて
But I always thought that I'd see you baby, one more time AGAIN, now
でもね もう一度君に会えると 思わない日は無かったのに

Thought I'd see you one more time AGAIN
もう一度 また君に会いたい
There's just a few things coming my way this time around, now
僕の道筋に 今まさに困難が訪れているけれど 
Thought I'd see you, thought I'd see you, fire and RAIN, now
君に会いたい この炎と雨を掻い潜って 今すぐ君に会いたい

  • 当時JTはファーストアルバム制作の真っ最中で忙しく、スザンヌの死を旧友たちはしばらくJTに伏せていて、JTがその事実を知ったのは半年後。2行目の the plan はその旧友たちの配慮のこと、と解釈しました。

  • JTはソロデビュー前、盟友ダニー・コーチマー等とフライング・マシーンというバンドを組んで成功を目論んでいたが瓦解。歌詞中の flying machine はそれにかかっている、というのは有名なエピソード。


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