「うた」に無くて「Song」にあるもの…洋楽和訳で知るsongwritingの魅力

このnoteについて(洋楽対訳の読み方)

このnoteでは、筆者お気に入りの洋楽曲について、自分なりの解釈で日本語訳したものを掲載しています。
英文/和文で1行ずつ示していますが、英文については一部、太字&大文字にしている箇所があります。

Jamaica was the lovely one I played her WELL
ジャマイカは可愛い娘 よく一緒に遊んだものだ
As we lay in the tall grass where the shadows FELL
影が落ちるほど伸びた 芝生の中で横たわって
Hiding from the children so they would not TELL
告げ口されないように 子どもたちから身を隠して
We would stay there 'til her sister rang the evening BELL
彼女の姉が帰りの鐘をならすまで 僕らはずっとそこにいた

Jamaica Say You Will / written by Jackson Browne

これは「ライミング」つまり韻を踏んでいる箇所を意味します。
後述しますが、英語詞はその内容に巧みにライミングを盛り込むのが、大きな特徴です。
このnoteを通じて、ライミングの技巧も含めた英語詞の楽しさ・素晴らしさが伝われば嬉しいです。

songwritingという文化について

実は英語の歌詞というものは、100%何らかの形でライミングが盛り込まれています。
多くの日本人はそれを知らずに洋楽を聴いているか、知っていてもそれはヒップホップなどのジャンルに限定されているものと思い込んでいるようです。
実際はジャンル問わず、ABCの歌のような童謡に至るまで必ずライミングがあります。それはさながら日本の俳句における五・七・五のようなもの。ライミングは絶対的ルールであり、英語詞に欠かすことのできない要素なのです。

英語圏における「songwriting」とは、単に詞を書くだけではなく、ライミングを巧みに駆使することで選んだ言葉に彩りを添える、聴くほうもその技巧を含めた楽曲全体を楽しむ、という文化を意味します。日本人が俳句や短歌を楽しむ感覚と近いのではと思っています。
そんな文化としての「songwriting」を、このnoteを通じて知り、一緒に楽しんで頂ければ幸いです。

日本語訳の引用元について

日本語訳を行うにあたり、拙い英語力と日本語力を用いて、なるべく自分自身の言葉を紡ごうと思ってはいますが、時には既出の和訳ブログなどを参考にすることがどうしてもあります。
そのことで、筆者が発表する表現が意図せず既出の記事とかぶることが生じるかもしれません。
筆者の記事より先に同じ表現をしている場合は、お手数ですがご指摘ください。引用元としてクレジットさせて頂きます。
それと、記事は公開後に見直して、より良い表現が見つかったり間違いに気づいた時などに随時更新することがあります。ご了承ください。

筆者について

土屋 茂(つちや・しげる)

大学時代よりカントリーを中心としたアメリカン・ルーツ・ミュージックに傾倒し、現在も会社員をしながらギタリスト/ボーカリストとして音楽活動を続けています。
1976年広島市生まれ、広島市で育ち、2007年より香川県高松市在住です。
2010年にテネシー州ナッシュビルにて半年間の音楽修業をしたことをきっかけに、文化としてのsongwritingを知り、以来、洋楽和訳を通じてその研究活動をしています。
三児の父です。

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