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【エッセイ】髪を切るということ

髪が伸びてきた。
そろそろ切りに行かなければ…。
しかし、中々に面倒くさい。自分の髪型に一切興味がないからである。

「こんな髪型にしたい!」とか「こんな髪色にしたい!」という気持ちは一切ない。ただ伸びたら切るだけ。爪のようだ。

だから髪を切るのは半年に一度くらい。自分が許容できるギリギリまで伸ばして、バッサリ切る。この繰り返し。
バッサリ切った後のあの爽快感ほど気持ち良いものはない。

もちろん行くのは1000円カット。
1000円カットもいつの間にか値上げを繰り返し、気づけば1350円カットになっていた。

髪型に興味がない僕にとって1000円カットは極上のサービスだ。
会話も最低限。髪型の提案もなく、こちらから指定したものをわずか10分ほどで仕上げてくれる。

僕にとって「髪を切ること」は人生のほんの些細なことに過ぎない。

しかし、世の中には「髪を切ること」を楽しみにしている人が沢山いる。
なりたい自分をイメージして、心躍らせて美容室に向かう人が沢山いる。

僕は、一生1000円カットかもしれない。自分は美容室に向かう・髪型を考えるワクワクを感じる日は来ないかもしれない。でも、そんな人々も愛せる存在でいたいなと思う。

数年前、突然一組のアイドルグループを好きになった。
そこまで、アイドルなどとは無縁の人生だった。
でも、自分が好きになったことでアイドルを愛する人々の気持ちが少し分かるようになった。

最近は一人一人の何かを愛する気持ちが邪魔されすぎだと思う。
同じものを愛する人同士でやり合うことも。

それぞれの人が何かを愛する気持ちを大切に出来る人でありたいなと思う。

とりあえず早く髪を切りに行かなければ…


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