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【30代OLエッセイ】歳を取るのも悪くない

ここ1ヵ月、22~23時ぐらいまで仕事・土日出勤もあります、な生活を続けています。
おーい、子供の時の私、見てるー?大人になったら自分、めっちゃ働いてますよー。
と意味もない報告をしたくなるような、最近です。

それはどうでもいいとして。

皆さんは「図書館戦争」(著者:有川浩さん)という大傑作をご存知でしょうか。

『図書館戦争』KADOKAWA総合サイト

私が高校生の頃にかぶりつきで読んでいたシリーズものです。

その魅力を簡単に言いますと、「小説ならではの表現で、悶えるぐらいの胸キュンを詰め込んだお仕事ラブコメディ」です。
(設定自体が魅力的なので気になった方は是非ご一読ください)

(※以下少しネタバレします)

ラブコメディ、と言うぐらいなので勿論恋愛要素があるのですが、最終的に何組かのカップルが結婚にまで辿りつきます。

それを読んだティーンエイジャー(言い方)の時の私、正直なところ、
『結婚は・・・なんか・・・ちがう・・・!』と思っていました。大大大好きな作品にもかかわらず。
なんというか、その当時の自分にとって「結婚」よりも「彼氏彼女」の方が夢があったんですよね。結婚ってなると急に現実味出てくるから、彼氏彼女のままが良かったなー、という一読者のわがままです。

それが30歳の今、同じ結末に触れたとして。

結婚まで描かなきゃ納得できなかったと思います。寧ろ彼氏彼女のままだとモヤモヤしていたかもしれません。

結局、読み手のその時の感性で物語の受け取り方って変わるんだなあ、というのを実感すると共に、同じ人間だからって高校生の時と全く同じには感じられないよな、という当たり前のことを思ったり。

それから、こちらも重松清さんの傑作、こどものいじめ問題を題材にした作品集、「ナイフ」

重松清 『ナイフ』 | 新潮社 (shinchosha.co.jp)

これを読んだのは確か小学生の時。

「この作者さんはどうして女子中学生の気持ちが分かるんだろう…!」と感動したのを覚えています。男の人なのにすごい!!と興奮しました。

(そもそも重松清さんは本当に心理描写がきめ細やかでどの作品も抜群に面白い、というのはその後何作品も読むうちに分かった話です。)

その「ナイフ」も、大人になってから読み返したら、なんとなくしっくりこない。登場人物と年齢が近かった時には感動を覚えたのに、今読み返すと、「中高生ってこんな感じだっけ?」と思ってしまう。

それは私の感覚が、登場人物たちから離れてしまったからに他ならないのだと思います。

それが少し寂しいなあ、と思う時もあるけれど、図書館戦争のように新たに心を寄せられる作品もあることが救いのような。

年齢を経るにつれて、毎日を過ごす中で少しずつ自分の価値観は変わっていきます。

そのたびに、楽しめるコンテンツが増えたり減ったりしていくのを思うと、「今・この時」の自分の感性が求めているものを楽しみたいなあと思うこの頃。

おーい、子供の時の私、見てるー?30歳になっても毎週ジャンプ読んでる大人になってるよー!

【その他 お気に入りの有川浩・重松清さんの作品】

「クジラの彼」 有川 浩[角川文庫] - KADOKAWA

レインツリーの国 (新潮文庫) | 浩, 有川 |本 | 通販 | Amazon

空の中 (角川文庫) | 有川 浩 |本 | 通販 | Amazon

その日のまえに (文春文庫) | 重松 清 | 日本の小説・文芸 | Kindleストア | Amazon

流星ワゴン (講談社文庫) | 重松 清 |本 | 通販 | Amazon




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