TSUJIMOTO Tsutomu

富山県の公立高校で教員をやっています。

TSUJIMOTO Tsutomu

富山県の公立高校で教員をやっています。

最近の記事

"Get on chu!"が「ゲロチュー」に!? 英語の flap-t とは

アメリカ英語では、確かに[t]が前後を母音に挟まれている場合に[d]や[l]に近い音に変わります。これをflap-tと言いますが、実は条件があります。それは「[t]を含む音節に第1アクセントが置かれていないこと」です。 例えば、better[bétər]は、音節で区切るとbet-terとなりますが、最初の"e"に第1アクセントが置かれており、2番目の"e"に第2アクセントが置かれているので、flap-t、つまり「ベター」→「ベラー」となります。 それに対し、hotel[

    • 教職調整額の見直しで教員不足は解消できるのか

      ようやく動き出した感がありますが、まだまだ不十分と言えます。「2.5倍」というとインパクトがあるように見えますが、乙武氏の言うとおり、月給30万円の教師なら「1.2万円→ 3万円」、つまり月1.8万円しか増えません。物価上昇で相殺されそうですね。 「残業代の代わりに月給の4%を教職調整額として支給すると定めている。月8時間分の残業時間をもとに定められたもの」ということであれば、8×2.5=20時間分の残業代ということですね。それで「教員の残業時間を、上限の半分以下となる月2

      • 高校の普通科通学区域(学区)を撤廃すべきか

        令和4年11月8日、富山県総合教育会議が行われ、高校のいわゆる「学区」を撤廃すべきという意見が出たようです。 現状 富山県立高校の普通科通学区域(学区)は、新川、富山、高岡、砺波の4つあり、現在は、 ①普通科の場合:隣接する学区からも通学可能 ②普通科以外の学科の場合:県内どこからでも通学可能 となっています。 全県一区にするメリット 例えば、現状では、砺波地区在住で普通科を受検する場合、 砺波地区と、砺波地区に隣接する高岡地区の高校は受検できますが、 富山地区と

        • 全国学力・学習状況調査の功罪

          「全国学力・学習状況調査」で全国トップクラスの成績が続く石川県で、今年の調査の直前に、多くの学校が授業時間を削り過去の問題を解かせるなどの「事前対策」をしていたことが、県教職員組合が行った調査で分かりました。また、全体の74%の学校の教職員が校長や教頭などから「事前対策をするよう働きかけがあった」とのことです。 個人的には、事前に1回ぐらい過去問をやらせて、問題の傾向や問われる視点を確認させたり、時間配分を考えさせたりすればよいと思いますが、「教科によっては年間の授業時間の

        "Get on chu!"が「ゲロチュー」に!? 英語の flap-t とは

          新教員研修制度について

          https://www.sankei.com/article/20220627-WJFLSR5OO5K2HJ63L4ALFMOYSU/ 研修はもちろん大切ですが、すでにかなり多くの研修があります。働き方改革という観点もお忘れなく。 また、「指導力不足と判断された教員に対し、校長が職務命令で必要な研修を受講させる」とありますが、何をもって指導力不足とするのか、また判断とは校長の独断でよいのか(教育委員会の判断は必要ないのか)といった点に疑問が残ります。そもそも、「指導力不足

          新教員研修制度について

          教員の研修履歴管理システムについて

          https://toyokeizai.net/articles/-/598227 教員の研修履歴管理システムについては、「教員免許更新講習の廃止に伴う教員の資質低下を不安視する世間の声に応えるためのもの」とおっしゃっていますが、その通りだと思います。また、かしこまった研修だけではなく、学校や教育を離れた様々な機会を捉えて学ぶことが必要だというお考えに賛成します。 先日、学校の近くにある企業さんを3社ほど訪問し、いろいろなお話をお伺ってきました。今後の生徒の進路指導に役立つ

          教員の研修履歴管理システムについて

          公立教員の“定額働かせ放題”問題について

          https://news.yahoo.co.jp/articles/9acedeb8cb02cc7fc8d5056af9d2b65da295b0d8 妹尾さんは「時間外手当を出すことでむしろ残業を後押ししてしまう、是認してしまうような方向に働かないかという心配がある」とおっしゃっていますが、時間外手当ではなく、「定額」の部分を上げればよいのです。そうすることで、現場の先生方は給料に見合う仕事をしようと頑張るでしょうし、教員を目指そうとする大学生にとってもインセンティブとなり

          公立教員の“定額働かせ放題”問題について

          教師が特別支援教育について学ぶことは大切ですが...

          特別支援教育を担う教員をどう育成するかについて議論している文部科学省の「特別支援教育を担う教師の養成の在り方等に関する検討会議」の報告書案が出ました。これによると、すべての教員が採用後10年程度の間に、特別支援学級の担任などの経験を2年以上積むことが望ましい、とのこと。 確かに、特別支援教育についてすべての教員が学ぶことは大切です。だから、年次研修などの中にも組み込まれており、特別支援学校以外の教員も特別支援教育について学んでいます。研修だけでは足りない、と言われれば、確か

          教師が特別支援教育について学ぶことは大切ですが...

          方言

          先日、テレビで「秘密のケンミンSHOW極」を見ていたら、「難解すぎる津軽弁」ということで、次のような会話文が取り上げられていました。 「こご、おいのとこだばって、...」 標準語だと、 「ここ、私のところだけど、...」 とのこと。つまり、 おい=私 ばって=けれども なのですが、ここでふとあることに気づきました。 「おい」って、鹿児島の方でも使うのでは? 調べてみると、鹿児島では、自分のことは「おい」、相手のことは「わい」と呼ぶそうです。(どちらかというと「

          英語民間試験導入延期の影響

          来年度の大学入試共通テストにおける英語民間試験の導入が延期されたことに伴う、各実施団体の対応です。 英検は、既に予約金3,000円を支払った場合、返金される見通しですが、そのままS-CBTを受験することも可能、とのことです。 (検定料は、当初の想定より安くなるようですが、富山県での会場は、高岡が減り、富山だけとなりました。) ◆「S-CBTに関する英検協会の今後の対応に関する決定事項(一部)のお知らせ(日本英語検定協会、11/3) GTECについては、共通テスト

          英語民間試験導入延期の影響