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20240122 イラストエッセイ「ぼくの住んでいる漁村」その2

 ぼくが住んでいる小さな漁村、集落の北の端を過ぎると、畑へ向かう道の途中に「ゴミステーション」があります。
 どうです?この景色。
 集落の周りは畑と海。あとはみんなこんな感じなんです。
 今年は新潟にしては珍しく雪が少なく晴れの日が多い冬になりました。
 この日はすっかり晴れて、日本一小さい「櫛形山脈」、二王子岳(新発田市)、そして、地元関川村の人々に「おらが村のマッターホルン」と呼ばれている光兎山、それから、ゴミステーションの向こう側に朝日連峰の鷲が巣山も見えます。
 ぼくは運動不足解消に、ゴミステーションの行き帰りは小走りにするようにしています。笑


 ゴミステーションから折り返して家に戻る途中、今度は通りの西側の家並みの中にこの家があります。
 これも漁師さんの家。間口が狭く、海の方向に向かって長いのは、風を避けるため。おそらく昔はこのタイプの家が、びっしりと軒を連ねていたのだと思います。
 この家に住んでいた漁師さんはとても良い人で、ゴミ出しの帰りに魚を分けてくれたりしたものです。ある日、にっこり笑って、「先生、俺はね、新発田管内で一番水揚げの多い漁師なんだよ」と恥ずかしそうに教えてくれました。
 この漁師さん、のちに廃業して、新発田でスナックの経営に乗り出したとか。
 今はもう亡くなってしまわれましたけど…


 廃業した漁師さんのお隣は、現役の漁師さんの家。
 外壁の色が異なるので、きっと増築を何回かされたんだと思います。
 一番奥に見えるガラス戸の中が仕事場。
 浮きや網、魚を入れる発泡スチロールの箱なんかが並んでます。
 この漁師さんがいい人でね。時々魚を分けて下さいます。
 車で5分ほどのところに落堀川という川があり、その河口に松塚漁港があります。そこには十数隻の小さな漁船があるのですけど、そこがこの漁師さんの本拠地。
 ある日ぼくが孫と釣りに行った時にお会いして、「どのへんが連れますかねー」と尋ねると、笑いながら、「漁師にそれを聞くかねー。漁港内は釣り禁止なんだよー。でもあの辺が釣れるみたいだよー」って教えてくれました。大変失礼いたしました。笑

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