「負けられない戦いがありますから」

とあるアニメの決めゼリフを言って、その日の朝、長女は学校へ向かって行った。

負けられない戦い……それこそが“２学期末テスト・数学”の日である。

『呟2』でも呟いたとおり、長女は数学が苦手。そして嫌い。１学期末はかろうじて平均点を超えたものの、その後の単元テストでは、50点すら大きく下回り、「イヤ〜平均点30点台だから〜」という言い訳が虚しく宙に響いた。

こりゃアカン！そう思ったのは、長女よりも間違いなくワタシである。

それから私は毎日長女に張りつき、1から100まで手取り足取り数学を教えた。いや教えていない。正確には一緒に問題を解いてただけなんですが。わからないところは、ひたすらネットで調べ、まず自分が理解し、そして長女に説明する。二男の寝かしつけもどこへやら。5歳児は完全放置で、夜10時を過ぎてもとにかく数学。

完全に自分の勉強。ここでまた数学をやるハメになるとは、果たして中1の頃の自分が想像していただろうか。

しかし長女ちゃんはなんだかんだ反抗期であっても、しっかりとついてきてくれた。その甲斐あって、返ってきた答案用紙は、まさかの80点越え！！学年4番を誇るRちゃんと、なんと同点だという！！

マジか！

やった！

「みんな……死んだ甲斐があったな」という進撃の巨人のセリフを吐きたくなるほど、勉強した甲斐がありました！（誰も死んでないし）

しかしであーる！

やはり、そうは問屋が卸さなかった・・・。

「ね～おかぁさ～ん。社会で“時事問題”って言うの出たんだけどさ、『新型コロナ非接触確認アプリ』ってやつの名前って、何？」

「あ～、あれ？確か、COCOAだよ。」

「え～！！そうなの～？1CACAO　2NANACO　3MONAKA　4COCOAの選択肢だったから、MONAKA(モナカ）にしちゃった～」

は！？

「あとさ～トランプって何党？」

共和党だよ、と嫌な予感がしながら答えた。

「そうなんだ～？わかんなかったから、自民党って書いちゃった☆テヘペロ☆」

はぁ～～～～！？？？？

トランプいつから日本国籍？？？？？？

何かが上がれば、何かが下がる……。

それが自然の法則。

「何かを捨てなければ、何も得ることができない！」確かそんなセリフも進撃の巨人にあったな……と、遠い目になる私だった……。