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「進言」⑦ 父から子への真剣な話

第七章

息子と妻との日々に幸せを感じる。
息子よ、君も最高の人をパートナーに選びなさい。
愚かさに惹かれるな。
新しい環境に踏み出す息子に今日も語りかける。

「わが子よ、私の言葉を守り、私の戒めを心に蓄えなさい。
戒めを守ることは命を守ること、瞳を守るように教えを守りなさい。
君の指に結び、心の碑に記してください。
知恵に姉妹と言い、悟りを友と呼びなさい。」

「そうすれば、あなたは守られ、遊女に迷わせず、
言葉巧みな淫らな女に近づかせない。
私が家の窓、格子窓から見下ろしていると、
思慮のない若者の内に知恵のない者がいた。
彼は女の家に行く曲がり角に近づきその家に行く道を、
黄昏に、夕方に、また夜中に歩いていく。
すると遊女の姿の本心を隠した女が彼に会う。
女は騒がしく慎みがなくその足は自分の家に留まらない。
通りに、広場に、あちこちの角で待ち構える。
女は彼を捕らえて口づけし、恥ずかしがることなく彼に言う。
『私は今日、神との誓いを果たしました。
それで私はあなたに会いに出てきて探し出し、
ついに会うことができました。
私はベッドに美しい布を敷き、寝床を良い香りで満たしました。
さあ、夜が明けるまで愛に酔いしれ、愛の喜びを味わいましょう。
夫は家におらず、遠くに旅立ち、満月になるまで帰ってきません。』
女が多くの艶かしい言葉をもって彼を惑わし、巧みな唇で誘うと、彼は直ちに女に従った。
それは牛が処分される場所に引かれていくように、雄鹿がすみやかに捕らえられ矢が内臓を突き刺すように、鳥がすみやかに網にかかるように。
彼は自分の命を失うことを知らない。」

「子供達よ、今私の言うことを聞き、私の口の言葉に耳を傾けなさい。
あなたの心を彼女の道に傾けてはいけない。
その道に迷ってはいけない。
彼女は多くの人を傷つけて倒した、殺された者は多い。その家は地獄、死の部屋への道だ。」


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