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【ジャズスタンダード】Blue Bossa 12key Challenge

久しぶりの投稿となります。
自分が所属していた大学ジャズ研のOBのつながりで、Blue Bossa  (Kenny Dorham作曲)を12keyでソロ演奏して録音する、といういかにも「ジャズ研」らしい課題が与えられました。
そんなことやる人間が地球上に何億人いるかは私は知りませんが、少なくとも私のほかに5人以上存在するということがわかりましたので、経験を共有したいと思います。

この曲は何?

課題曲"Blue Bossa"はジョーヘンダーソンのアルバム"Page One"での演奏が初リリースぽいです。

曲そのものは短調(C minor)でいなたく始まりますが、短2度の長調(Db major)に途中で転調するのがオシャレな曲で、短めで覚えやすく、コードチェンジもだいたい1小節単位なので落ち着いて取り組める、つまりコスパがよく、ジャズ奏者はしばしば取り上げる気がします。

以下はコード進行です。1コーラスは16小節です。

何をするのか?

上記1コーラスを繰り返す度に半音上へ転調していって、12回繰り返して元に戻ってきたらゴール、というものです。つまり、

(スタート) C minor → C# minor → ・・・ → B minor → C minor (ゴール)

で、コード進行は、以下のような感じになります。

なぜそんなことするのかね?

さてこの目的は・・・何でしょう。特に明かされることはなかったですが、そういうのがなくても、みんな呼びかけに応じて各々すごいソロを録ってくるのが凄いなとは思いました(笑)

自分としては、「どんなことができるだろう」という興味と、そんなに普段からばりばりジャズのアドリブをやってないので、12コーラスも持つどころか1コーラスもできないんじゃないのか、という課題意識から取り組みました。ってことにしたいですが、それは建前であり、先輩に言われたから泣きながらやったのがリアルかもしれません。

結果どうなったか?

で、私のトライ結果が以下です。

締め切りを設定した上で時間を与えられたので、多少はコード進行になじんだりする練習する機会はありました。ので、完全にぶっつけの演奏ではないということ(にも関わらずタイムがよろよろしてるが)をご承知おきください。

どう取り組んだか?

2つの課題があったと思います。
1つは、12keyという話の前に、12コーラスというのが尺的に長すぎるということ。
もう一つは、コード進行がシンプルとはいえ、やっているうちにコード進行を間違うので、どう記憶し、処理するか、ということでしょうか。

尺の長さに対して

普通のセッションですと、インタープレイ等々により他の奏者から元気をもらえるので、12コーラスとかはありうる長さかもですが、約8分とは自家発電するにはなかなかの長さと言えます。

私自身、IIm7-V7フレーズなどばりばり埋め尽くせるほどのジャズ的技巧もボキャブラリーもないですので、何らかの大きめのモチーフ・フレーズをしつこく展開して間を持たせる、というのを基本戦略として採用しました(今回に限らず、いつもこうなのですが)。また、このコーラスはこんな雰囲気にしよう、というイメージを持って取り組みました。

上記で尺は何とかなったものの、聴いていただいたらわかりますように、同じ感じが続いてしつこい、展開がゆっくり、という課題があるように思います。これは好みによるかもしれませんが。
また、12keyという課題から逃げている感じもし、もっと一つ一つのキー・コードをミクロに処理した方が練習にはなると思いました。

コード進行間違いに対して

半音で上がると頭でわかっていても、いくら素直なIIm - V7のみで構成される曲とはいえ、実際アドリブしてると間違って半音下とか4度違うところに行ったりとか平気でしてしまいます。慣れてるキーがやってきてうかれて調子にのって弾いてると、次へのキーへの移行に遅れて大惨事になったりもします。

この進行特有ではありますが、私なりの対処法は以下です。

(1) マクロなキーのとらえ方
曲はそもそも半音上Major keyへの転調を含んでいる。
つまり、
・C Minorキーの場合、Db Majorへの転調があらわれる
・次のコーラスはDb(C#) Minor
だと考えることができます(下図の赤部分)。
これにより少し、心の準備ができます。

(2) ミクロなコード進行のとらえ方
転調部分の相対的なベースの動きを覚えます。転調するところはトニックマイナーから、短3度上のm7コードから転調先へのIIm7 - V7シーケンスが始まります。下図の水色の部分です。

Major、Minorで行先が異なるものの、少なくともルートは把握できます。

曲練習にも言えますが、ただひたすら弾いてマッスルメモリー(ていうのか?)になじませるのとは別に、頭できちんと整理する、つまり、いろんな側面や階層から捉えるというのは、曲を記憶したり、間違いをなくす上では有効な気がしています。

まとめ

なんとか12key乗り切ったということでよしとしたいですが、いわゆるジャズのアドリブ・フレーズでの真っ向勝負からは逃げた感じになったところは反省です。

ネタになりそうな内容もあるので、モチーフの種類や展開の方法など、もしかすると関心のある方もいるかもなので、気が向いたら投稿していきたいと思います。

と思っていたら、さっそく次のお題(コルトレーンチェンジの代表曲)が提示されました(続く。。のか?)

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