見出し画像

政治(防衛)講座ⅴ683「スタンドオフ電子戦機」

今から77年前、竹やりでB29に立ち向かおうとしていた。もうその時点では戦艦大和も戦艦武蔵も時代遅れの象徴であった。零戦も研究されて弱点を見抜かれていた。敗戦濃厚にも拘らず、物資もなく、竹やりを持たせて精神論で戦わせようとしていた軍部の無謀さには涙なしには語れない。翻って現代に戦闘は「竹やり」ではなく、「電磁波」を兵器とする時代へと突入している。今回はスタンドオフ電子戦機の報道記事を紹介する。

       皇紀2682年12月13日
       さいたま市桜区
       政治研究者 田村 司

防衛省「スタンドオフ電子戦機」整備へ最終調整 電磁波で“妨害”電子戦能力向上へ

テレ朝news - 1 時間前

 防衛省は敵の通信などを妨害する電子戦能力を向上させるため、相手の脅威外から電子戦を行う航空機などを整備していく方針で最終調整しています。


防衛省「スタンドオフ電子戦機」整備へ最終調整 
電磁波で“妨害”電子戦能力向上へ© テレビ朝日


 電子戦は電磁波を使い、通信やレーダーを妨害し、敵の部隊の指揮統制を阻む戦闘です。

 防衛省はこうした電子戦の能力を向上させるため、相手の脅威の外から妨害を行うことができる航空機、いわゆるスタンドオフ電子戦機を整備していく方針です。

 また潜水艦を発見するための海上自衛隊のP1哨戒機などに、電子戦器材を載せることで飛行しながら妨害したり、信号を探知・識別したりする能力を加えます。

 さらに高出力マイクロ波の照射装置の装備化も早期に進めていく方針です。

 この装置は照射することで小型無人機を破壊でき、弾数を気にせず低コストでシステムを構築できるということです。

画像:「防衛省」

川崎重工業、スタンドオフ電子戦機、25年度納入向け加速

WING

次期電子情報収集機関連システムの設計・試作を推進
 
 宇宙、サイバー、そして電子戦---。いわゆる新領域と呼ばれる、今後最も重視していかなければならない新たな安全保障分野領域だ。こうした新領域においても、川崎重工業は重責を担っていることは言うまでもない。
 とくに電子戦領域ではスタンドオフ電子戦機の開発での試作契約(その1)および(その2)を履行中だ。これらの契約においては、「母機システム設計および部品製造」と「妨害収集装置の設計・製造」の作業を進めているところ。
 川崎重工業航空宇宙システムカンパニーの下川広佳プレジデント(専務執行役員)は本紙の取材のなかで、「スタンドオフ電子戦機は、電磁波領域における能力強化を図るための装備品。相手のデータリンクを妨害する能力やマルチ電子戦のプラットフォームとしての技術を確立すべく、防衛省がC-2輸送機をベースに開発に着手した」としており、2022年度についても予算が組まれ、その開発が推進することが決まっていることに触れた。
 下川プレジデントによれば、「2025年度に試作初号機の納入を予定している」とのことで、「既に運用中の電波情報収集機(RC-2)と合わせて日本の安全保障に貢献していきたい」とした。

電子戦機とは、


電子戦を重視して設計・装備された航空機のこと。

その開発には高度な電子情報技術の集積が必要なため、先進国の一部しか保有しておらず、その中でもアメリカ合衆国が充実している。その理由は、軍事用電子機器の大半がアメリカ製であるからであり、自国の軍事的政治的優位を維持するためである。

航空機の発展は電子技術の発展がその背景にある。これは航空機に限らず、航空機を防御する側でもそうで、電子技術への依存度は大きい。軍用機による作戦遂行能力は、電子機器の能力によるところが大きく、一方で敵の航空機搭載用、あるいは地上配備用等の電子機器は、ミッションの遂行に大きな脅威となる。それらの電子機器に対する作戦が電子戦(EW)である。

現在、電子戦は、電子攻撃(EA / ECM)、電子防護(EP / ECCM)、電子戦支援(ES / ESM)の3領域に大別される。これら3領域のうち、電子防護についてはソフトウェア的な施策が主となる[1]ことから、ハードウェアとしての電子戦機は、電子攻撃ないし電子戦支援を重視して装備されることが多い。電子攻撃を重視する機体については、電子対抗手段(ECM)を主とする電子妨害機と、対電波放射源兵器(ARW)を主とするSEAD機がある。一方、電子戦支援を重視する機体については電子偵察機と通称されるが、作戦指揮官のための電子戦支援だけでなく、諜報活動の分野に属するSIGINT(COMINT、ELINTなど)にも用いられる。味方のレーダーへ意図的に妨害をかけて訓練時の電子戦環境を演出する電子戦訓練機も存在する。

電子戦機の大半は輸送機などの大型機を改造したものであり、戦闘機の行動に随伴できる電子戦機(エスコート・ジャマー)を開発しているのはアメリカとロシアだけである。

なお、このように電子戦が重視されている状況から、専任の電子戦機以外の航空機にも、ある程度の電子戦用の機材が搭載されていることが多い。特に早期警戒管制機(AWACS)は概して強力な電子戦能力を備え、また対潜戦の必要上から対潜哨戒機は電子戦支援に注力している。それ以外の作戦機も、自衛用のES装備であるレーダー警報受信機(RWR)は搭載していることが多く、自衛用のECM装備である電波妨害装置についても、内蔵型ないし外装型の様々な機種が開発されている。


参考文献・参考資料

防衛省「スタンドオフ電子戦機」整備へ最終調整 電磁波で“妨害”電子戦能力向上へ (msn.com)

川崎重工業、スタンドオフ電子戦機、25年度納入向け加速 – 旅行業界・航空業界 最新情報 − 航空新聞社 (jwing.net)

電子戦機 - Wikipedia

“電磁パルス攻撃”ってなに? | 特集記事 | NHK政治マガジン

ここから先は

0字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?