見出し画像

昼メシを抜いた時の代償

久々にお昼ご飯を抜いてしまった。

ようやく正午を周り、午前の仕事をひと段落つけたところで、これからコンビニに行って惣菜パンでも買いに行かなければ…。

そう思ってロッカー室から事務所に戻ると、所長ないし他の先輩たちはこぞってお昼へと出かけてしまっていた。

今この場所には私一人だけしかおらず、そこを施錠するための鍵は所長やベテランの先輩しか持っていない。

これではコンビニに行くどころか、外出すること自体できないではないか。

だがこういった急遽事務所の留守番を任せられた時、あるいは昼休み返上で仕事を進めなければならない等といった緊急事態のために、自分のデスクの引き出しに唯一の非常食カロリーメイトを忍ばせている。

しかしどうしたことか。今日に限ってハーフサイズでさえ1箱も残っていない。いつか補充しておかないと…そう思い続けていた矢先にこの体たらくだ。

こうなってしまうなら朝出勤する前までに買っておけば良かった。そう後悔しても時すでに遅しだった。

この瞬間、ひとり事務所でお留守番かつ昼飯抜きが不覚にも確定してしまったのである。

「今日一日ぐらいお昼なくてもいいか…」

これまでも似たような場面に何度か遭遇してきたことはあるし、別に昼食をとらなくても突然倒れ込んでしまうようなことはない。

一時間の間に栄養補給を摂れなかった分だけ、ほんの少し影響が出てくるだけだと、そう開き直っては自分に言い聞かせた。

とはいったものの、午後イチ仕事を再開してもやはり頭の回転が鈍くなっているのを、溜まりに溜まった事務処理をしながらひしひしと感じていた。

幸い睡魔にほとんど襲われることはなかったが、昨日までの自分と比べて仕事の進め方におけるキレの悪さに辛抱しつつも、今日一日の仕事が終わるまで多少の腹立たしさをおぼえていた。

そして帰宅した後はいつも通りに夕飯を済ませ、いつも通りにPCと睨めっこしていた。だがしかし、いつものように頭上から何かが一向に降りてこない。

そろそろ日付が変わる1、2時間前と迫ってきたところで、なんとか知恵なり何なり振り絞っておかないと、明日の日はもしかしたら拝めないかも。

なんて阿呆なことを考えつつ、水を飲んで筋トレをして姿勢を正してヘッドホンを装着して…という具合でいろいろと試行錯誤してみても、一向に何かが降りてくる気配すらない。

それに、昨日と同じ時間帯で然程さほど気にすることのなかった眠気が、今この瞬間ドッと出てきている。

やがて自分の意識が朦朧もうろうとしている中、なぜこうもなってしまっているのかと考えた時、たった一つの冴えない答えに行き着くのであった。


そうか…今日は昼食を摂っていなかったからだ。

最後までお読みいただきありがとうございました。 またお会いできる日を楽しみにしています!