見出し画像

潮の流れのこと

私の住む島は離島です。

お隣の本島へ行くには橋を渡って行きます。

この橋ができるまでは船を利用していました。

多くの人の願いが形になって架橋された橋。

とても生活が便利になりました。病院の問題、学校の問題、物価のことも、色々あるのですが、今日は橋と潮の流れについて。

2〜3日前に、この橋のそばに大きな重機がやってきました。

画像1

何が始まるのかと、見たことない機械に石油でも掘るのか?なんてことを考えていました。と、同時にきっと、滅多に見られないものだから写真撮りたい、という思いで橋詰に車を置いて重機のところまで行ってみました。(橋の上は駐停車禁止なんです。停車して写真撮ったりしている観光やタクシーをよく見かけるんだけど、ダメなんですよ。気持ちはわかるけど)

近づいたら、ちょうど作業が始まったんです。

写真を撮りながら近づいていくと作業員(誘導員?)のお兄さんがいたのでなんの作業をしているのか聞いてみました。

橋を作った時に沈めていた石が流されてしまって、潮流がかなり激しく、その辺りを削ってしまっているので流されてしまった分の岩を小分けにして沈めているのだとか。

画像2

こんなのが船の上に何十袋と用意されてあり、クレーンで吊って沈めてを延々と繰り返す作業だったようです。

画像3

(用意されている石の袋)

画像4

(黄色の車体がクルクル回転)


話を聞いた後、車に戻ってから気づいたのですが、作業をしていたのは橋ののたもとではなく、海中道路の途中でした。

もともと流れていた潮の道を海中道路で堰き止めてしまったから少し開けていた通り道の潮流が激しくなってしまったのだろうな、と納得。

きっと、何度石を積んでも何年かしたら流れていってしまってるんだろうな、と思いました。

実は、橋の建設を始めてから島の周りの砂浜に影響が出ています。

橋の入り口のすぐそばにあった砂浜はウミガメが産卵に来るほどいい砂浜だったのに、橋の杭を打ち始めてすぐに砂が流出、砂浜がなくなりかけました。

養浜という対策工を施して、今現在は砂浜が回復しているけれど、ウミガメが戻り始めた、と聞いたけど、今はどうなんだろう。だって、どこかのホテルがレジャーを始めちゃったの。

画像5

(右上の構造物を、施行することで砂が溜まるようになったみたい。)


そして、ここだけじゃなくて、私が今気になっているのは橋の反対側の島のそばに大きな砂浜が出現していること。

橋ができて四年余り。

いつのまにか橋の近くにできた砂浜はカヤックで行くステキな場所になってしまっています。

流れていってしまってなくなる砂浜と流れてきて形成される砂浜。

橋ができてその流れの影響でなんだかどんどん海の姿も変わって来ています。

橋のすぐそばだけじゃないんです。

潮流の中に変化が起こると思わぬ場所の流れが変わるんです。

今、溜まってきている砂はもしかしたら東洋一と言われたあのビーチの砂じゃないのかしら?と憶測したりしています。

後5年、10年と経つ頃にはどんな海の姿になっているのだろう。

架橋によって、ありがたい恩恵をたくさん受けています。

架橋前に偉い学者さんがなるべく生態系に影響のないようにと研究して造られたのです。でも、自然の力はまだまだ私たちではわからないことばかりなんだろな。

画像6


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?