「否定しない」とは「相手の気持ちを考えること」
「あなたは本当に否定しないよね」と友人に言われることがあります。おそらく褒め言葉だと、受け取っていますが。だからのなか「話を聞いてもらうのは、あなただと決めている」と言ってもらえるときもあって、ありがたいなぁと思うばかり。
でも、それをどうやってやっているのかは言語化できずにいました。「否定しないなんて私には無理だよ」とか「ストレスたまりそう」とも言われます。まぁ、そうだよね、うん、やりたいと思ったときにやったらいいよ~って感じで、私も「こうするといい」という考えも持ち合わせていませんでした。
でも「否定しない」が難しいことであって、それが私にはできているのなら、それは私にとっての強みでもあるなと。じゃあ、否定しない技術をさらに磨いてみてはどうだろうと思い、文献検索にあたりました。で、ヒットしたのが、エグゼクティブコーチ林健太郎氏の『否定しない習慣』です。
「あ、そうそう、こんなメリットがあると感じてた!」「ほうほう、この考え方、みんなにも伝えたい!」と思うことがたくさんありました。概論はほどほどに、じゃあ実際どうやるのよ?ってところに焦点を絞ってシェアしていこうと思います。
まず、本書で指摘している「否定」とは
これらが挙げられています。そして、否定しないコミュニケーションをすれば「人間関係が劇的に良くなる」ということです。
私の意見ですが、今の段階で、大切な人となんら問題なくコミュニケーションが図れている人には、もしかしたらそれほど気にしなくてもいい話なのかもしれません。
たとえば「あれはよくなかったよ」「それは辞めておいた方がいい」と言った言葉は、定義でいうと否定に入ってしまうのかもしれません。でも、双方に強い信頼関係があるのであれば、それを止める必要はないとも感じています。
つまり、私が「否定しない技術」を身に着けて欲しい人というのは「人間関係を良くしようと思って頑張っているけれども、なんだか空回りしてしまっている人」ということになります。
一生懸命話題を振ったのにウザがられてしまった、気の利いたことを話さなきゃと感じている人にはうってつけの技術だと思っています。
話を戻します。自分が相手を否定しないことで、心理的安全性が提供できると述べられています。率直に自分の思ったことを言えますし、できないことをバカにされないので、いつもありのままの自分でいられ、一緒にいて居心地がいいと感じるのです。
私にとっての否定しない最大のメリットはこれです。「相手が安心する環境を提供できる」ということ。大切な人が、自分の前で、誰の目を気にすることなく、楽しそうに話している姿をみるのが、私にとっては何物にも代えがたい幸せとなっています。
本書では「事実だから否定してもいい」という思考は控えようと書かれています。「否定じゃなくて、事実を伝えているだけ」「間違っているから指摘しただけ」…正論はときに武器になり、相手を攻撃する理由に使われる危険な道具になるとも。
もちろん、議論が必要なときもあるので、全てが悪いわけではありません。しかしながら、そういったときに大切なのは「事実だから何を言ってもいい」と考えるのではなく「事実であっても言われた相手がどう思うか」を考えるとうこと、なんだそう。
確かにそうだな、と思いました。受け取り方は人によって違います。「ここ、間違ってたよ」と伝えても「ごめんごめん、ありがとう~」って言ってくれる人もいますが、その逆もあって「そんなにストレートに言わなくても…やる気なくなった」と感じる人もいます(娘がこちらのタイプです)
「そこまで気にしていたらこちらが滅入ってしまう」と思う方もいらっしゃるかもしれません。はい、先ほども書きましたが、この記事は「人間関係を良くしようと思って頑張っているけれども、なんだか空回りしてしまっている人」向けになっているかと思います。ご承知おき下さい。
人間関係が上手くいかない人の考え方として「これを言ったら自分がどう思われるか」に比重が置かれているような気がしています。偉そうに言っておりますが、かつての私を振り返り、そう思っております。それを「これを言ったら相手がどう思うか」にシフトするのです。
少しややこしいでしょうか。さきほどの例で考えましょう。
「ここ、間違ってたよ」って言っちゃった…「わかってるよ!」「いちいちうるさい!」って思われちゃうかな…というのが「自分」にフォーカスした考え方です。
対して「ここ、間違ってたよ」とストレートに伝えたら、この人は傷ついてしまうだろうか。「私の勘違いだったらごめんね。ここ、こういうことで合ってるかな?」と言い換えた方がいいだろうか…と考えるのは「相手」にフォーカスした考え方です。
否定しないということは、相手の気持ちを考えるということなのです。自分の気持ちを抑えることでも、いいなりになるとも違います。本書を読むと「否定しない技術」というのは、非常に奥が深いことがわかります。私も本書の内容を飲み込むのにいつもの3倍の時間がかかりました。まずは、できるところからやっていきましょう。この記事がどなたかの参考になれば幸いです。
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