日本の片隅で。
ある朝、すげぇギリギリのバトルがあった……

かっちゃんはよく

「男の子は皆そうよ」

と言う。

何と言うか……
かっちゃんは本当、世界や日本のルールや流れとあまり関係ない所で生きており、浮世離れした部分を多く持っていて……

（男の子代表みたいに言ってるけど、その意見は男子の中でも少数派だと思われますなあ）

と大概の場面でそう思うので……

つくねの答えは決まってこうだ。

「多分違うんよ……」

例）
「男の子って皆、寝ないのがカッコイイと思ってるもんよ」

「多分違うんよ……」

ただ。
私も、のべつ幕なしに否定してる訳ではない。

こないだのスタエフで

「男の子は皆、刀買うんよ」

という意見には

「や……それは本当そうなんよ」
　
肯定すべき時は肯定もしますからな。

（刀剣乱舞とかあるから、結局、女子も好きなのだろうかな……アレはまた違うんかな……）

で、その時の会話の中で。

「じゃあ、私が『女の子は皆そうよ』って言ったらどうするん？」

と言うと。

「俺が『男の子は皆そうよ』って言った時につくねが『そっかー』って言ってたらそう言うし……」

「ほう……？」

「『そんな事ないよ』って言ってたらそう言うよ」

「へぇ……」

な……
な……
何を分けの分からん事をーーっ！

たまーにある
まれーにみる

「かっちゃんてまあまあ性格悪い時あるよな！？」

のヤツ！！！

撤退だ！
これ以上の会話は百害あって一利なしィーーーっ！

自室へ戻る。

コーヒーがいつもより苦く感じる。
（気のせい）

私は喧嘩を売るつもりであんな事を言った訳ではない。
ネタ的な……
会話を楽しむ為の手段に他ならないつもりであった。

なのに何故。

あんな絡み酒スタイルに？

そもそもな？
かっちゃんはつくねが

「かっちゃんて、こうだよなぁ」

って言うと

「そんな事ないよ」

って否定する傾向がある。
なので

「かっちゃんて、つくねがこうだよね、って言うと『そんな事ないよ』って取り敢えず言う事多いよなぁ」

って言うと

「そんな事ないよ〜」

それ見たことか！！

「ほらぁ！言ってるんよ！」

だからと言ってつくねはお返しとばかりに

「そんな事ないよ」

って言うような事はしないのにな。

うーむ……

とモヤモヤしていると
トントンとノックの音が。

かっちゃんがあらわれた！

「じゃあオレ、ゴミ捨ててそのまま出かけるから〜」

何事もなかった顔だ！

どうする？

　たたかう
　にげる
▶はなす
　じゅもん

「あのさあ……さっきのやり取り、凄いモヤモヤしとるんじゃけど」

「えっ……モヤモヤ？何に？」

つくねは思いの丈を伝えた。

どう出る？

「うーん……長い文章だから難しい……」

結構な長文になり容量を超えたようだ。

「くっ……かっちゃんが言った事に対してつくねが『そんな事ないよ』っていつも返してたらかっちゃんは悲しいと思うんよ」

「だから、私は何にでも『そんな事ないよ』って言うのはしないようにしてる」

「なのに、さっきかっちゃんは……いつも言われてるからお返しだい！と言わんばかりのさ……つくねは悲しいし、何より……『オイオイ、ちょっと性格悪いんじゃねぇかい？』って思うワケよ……」

すると。

「さっき、オレが言いたかったのは……」

「うん」

「つくねとかっちゃんって、本当仲良しだよねって事！」

「えっ……」

かっちゃんはニコニコしている。

「……」

かっちゃんはニコニコしている。

「あ"あ"あ"っ！？？」

つくねの切れ味抜群のキレっぷりに……

かっちゃんは……

かっちゃんは……

笑いを堪えきれない！

ふと時計を見る。

「……あ！息子を起こさんと！」

息子の部屋へ行き

「おはよう！」

ムニャムニャしてる息子に

「さっき、離婚する30歩手前の喧嘩したんよ」

「えっ！？」

飛び起きる息子。

「そんな事ないよ〜。朝から楽しくおしゃべりしただけ〜」

「ビックリした……」

かっちゃんは神様みたいっていっつも、思う。
つくねの思うに

神様=常に正しく公平で器がデカい

とは違うんではないかな、と、思っていて……

神様って子供みたいに純粋でヤンチャで善悪に囚われず楽しい事とかイタズラが大好きなんじゃないかなーって。

【結論】
かっちゃんは全く絡んでる気はなかった。
ウチの喧嘩は大体つくねの独り相撲。