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「ラピュタと目玉焼きとフライパン」の話

(ウチって……お金ないんだな……)

気づけばいつ頃からか……

思うようになっていた。

父方のおじいちゃん、おばあちゃんはお金持ちであった。

母方のおじいちゃんおばあちゃんはあまりお金持ちでなかった。

ウチはと言えば……

父はある程度、お金は持っていたハズだが……

恐らく貯蓄に回し、母に渡していたのは微々たる物であったのだろう。


小5のある日。

友達の家で
「天空の城ラピュタ」

を観ていた。

すると……

パズーとシータが美味しそうな目玉焼きが乗っかったトーストを食べている。

通称

【ラピュタパン】


「これは……めちゃくちゃ美味しそうな……ゴクリ」

「うんうん……ゴクリ」


「お母さーん!エッグトースト作っていい?」

友達がお母さまに言う。

「ベーコンのっけたら美味しそうよな!」

「それは……絶対美味しい!」

私もうなずく。

そうして出来上がったベーコンエッグトーストは

それはそれは大変美味しくて……

ゼヒ家でも作ろうと思うのであった。


次の日の朝。

ベーコンエッグトーストの目玉焼きを作ろうとするが……

我が家の年季の入った緑の持ち手の鉄のフライパンでは、綺麗な目玉焼きが作れず……

悲しみに溢れたベーコンエッグトーストになった。

今では色んな加工の焦げ付きにくいフライパンがあるが……

当時、テフロン加工と呼ばれるフライパンが市場に出始めた頃だった気がする。

私はその存在を知った時

(これだっ!)

と思った。


しかし……

家の家計の厳しさを身にしみて知っていた私は

母に買ってほしい、と言うのが苦痛で仕方ない。

おねだりなど

最後にしたのはいつだったか……

しかし、どうしても美味しいベーコンエッグトーストが食べたい私は……

意を決して母に伝える事にした。

「お母さん……無理だったらいーんじゃけど……綺麗な目玉焼きが作りたいから……テフロン加工のフライパン買ってくれん?」

「……」

しばらく無言の母。

駄目っぽいな、と先回りをして

「あぁ、やっぱいいわ!」

と言うと

「それ位……買うわ……あんたは小さい頃からお金ないって言ってるの間近で見て育っとるから……辛い思いさせたなぁ……悪い事したわ……」

と母は泣いた。

(買ってくれるのは嬉しいけど……泣くなよ、もう。うっわぁ……辛気くさっ!やっだわー、もう勘弁してくれよ……)

素直な心でそう思ってしまった私は薄情なのかもしれない。

「買ってくれるんじゃ、ありがとー!楽しみ〜!」

とだけ伝え、自分の部屋へ戻った。


次の日。

学校から帰ると

「フライパン、買ってきたでー!」

と元気な母の声がした。

「わー、本当に!?」

おやつにベーコンエッグトーストを作る。

テフロン加工の施されたフライパンで作った目玉焼きは……

それはそれはツヤツヤと輝き、見た目も大変美味しそうであった。

一口かじるとサクっとトーストが

ニ口かじるとカリッとジューシーなベーコンが

三口かじるとトロッと目玉焼きが口に広がる。


「うっまぁ〜!!」

「美味しい?」

「うん、めちゃくちゃ美味しい!ありがとう!」


そんな事があったな……

と思い出した。


あれから30年以上経って……

私は優しいダンナさんとカワイイ息子と幸せに暮らしている。

健康で悩みもなく毎日楽しく過ごしている。

欲しい物も自分で買えるようになった。

好きな所に行けるようになった。


年が明けてふと

(あ……そうか。私、もうあの時の私じゃない。お金は私や家族を悲しませる物じゃない……お金について勉強しよう!)

と素直に思えた。


今年のつくねのやりたい事はみっつ。

①noteを一年毎日更新する(3/31まで)

頑張れつくね!


②お金について学ぶ事

ミイコさん!めちゃ頼りにしてます!


③アヘキンを読む

めろさん!すっげぇ楽しむから!!


どれもこれも、楽しみで仕方ない。



#お金について考えていること

気が向けばサポートして下さると、大層嬉しいです!頂いたサポートは私自身を笑顔にする為に、大事に大事に使わせてもらいますゆえ、以後よしなに(๑•̀ㅂ•́)و✧