ツマモヨコ

主に短歌を詠みます。 文学と音楽とシーズー犬が好きです。 スキしてくださった方だけ読め…

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主に短歌を詠みます。 文学と音楽とシーズー犬が好きです。 スキしてくださった方だけ読める短歌があります。

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活動まとめ

ツマモヨコの活動まとめです。随時更新します。2022年の記憶がすでにあやふやでちょっとやばいなって思います。 2022年 2月 作歌開始 11月 葉ね文庫にて、フリーペーパーらくがき評vol.1を配布 ※らくがき評:他の人の短歌にイラストと評の「らくがき」をする企画。自粛期間にTwitterで流行ったタグのようです。私はたろりずむさんの連作にらくがきさせていただき、フリペとして配布しています。楽しいので皆さんもぜひ。 たぶん11月 X(旧Twitter)スペース「人の

    • 詩「願うとき」

      スカートのまま展開図にされて どうしよう、と言えないままに あなたの焦燥を分かりたい 無垢材の家具に執拗に並べた わたしのだめさ加減を あなたの表皮で拒否してほしい バンドエイドのうち側のようなずるずるが あらゆる数式の間隙に詰まり わたしたち という言葉は ひどく遠くに置かれていた 水っぽい待合室に待ち合って遠さはぜんぶ言い訳だった

      • 川柳連作「むにゅ恐慌」

        役割語だろうね雨に絆されて きび団子何回食べて死ぬんやろ 長靴が擦れて痛いような街 常夜灯 人生に取り箸はなく 結局は恋ですか睫毛の霜も 鏡面が癪に障るというものの 恐慌はむにゅっと来てる(腋窩から) 「クセナキス、わたし漬物になりたい」 ふるわれてふるえてふえて毛の濡れる 駅にきみはかたまる愛なんかのために

        • 2023年自選短歌まとめ

          2023年の自選短歌まとめです。下半期は自選をまとめられない月が多かったのですが、他方で「うたそら」への投稿を始めたり中之島歌会に参加したりと充実させることができました。今年はほんとうに良い年です。たのしく短歌を続けられました。 賞関係だと、今年はカクヨム短歌・俳句コンテストとナナロク社あたらしい歌集選考会に応募しました。来年はもっと出せたらと思います。また、すでに来年のうれしいお誘いをいくつかいただいています。お知らせできるのが楽しみです!1月14日の文学フリマ京都にも出

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        活動まとめ

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        • 自作短歌
          9本
        • 自作川柳
          5本

        記事

          川柳連作「すごいやつ」

          緊縛はへやをあかるくしてみよう 参戦!避妊せず募金する男! スマブラのけれど健気な転落死 あの頃のたけしのようなセーターで SASUKEよりすごいやつ、すぐ持ってこい 帯文できみは驚嘆してみせる 標本に思いちがいをしてたパパ 火曜日はうつろに咽ぶだけのママ 差し押さえ星からやってきたぽよね サーカスのどれも60%の水

          川柳連作「すごいやつ」

          川柳連作「いもむし」

          どこまでが先日なのか分からない 再放送っぽい街 ふたりっぽいひとり いもむしは時間の性器だと思う お笑いは不燃物でもいいんだよ よりによってもんじゃをつつく形態素 ゴダールのはなしを晴れた日にしない レゴ踏んだときみたいだよ 謝って かき氷 操觚者となるまでのすべて 六弦は古い写真のにおいして プラごみは水曜、和毛は土曜です

          川柳連作「いもむし」

          連作短歌つめあわせ5

          最近、Twitterに短歌を投稿する頻度が減りました。そしてTwitterはTwitterじゃなくなりました。じゃあ短歌はどこに行ったのかと言うと、寄稿したりフリーペーパーにしたりと活躍してくれています。 でもTwitterが好きだし、ネットで色んな方に読んでいただけるのが嬉しいです。歌会も好きだし、原稿依頼はとっても、とってもありがたいし、公募もやっていきたいし、賞にも応募したい。楽しいことは全部片っ端からやる、でいきます。楽しく短歌ができていて、その楽しさがただただ楽し

          連作短歌つめあわせ5

          短歌連作「日輪」

          辞書の背を右手で受けて身体にもまばたきという外函がある 暴力はあかるい きみが日輪と言えばきこえてしまう風鈴 他人の金で購う他人の誕生日ケーキこうしてまで生きるのだ さっき挨拶した先生とすれ違うときの会釈のように降る雨 お持ち歩きの時間を訊かれ腐るのはケーキであってわたしではない かなしみを唇で探し当てながら机間巡視の顔をしたんだ 居心地の悪い愛には勝てないと蛇腹ファイルをぐわっと開く たまにきみの机になった 空論がわたしを少しだけ猫背にした ⚪️あとがき

          短歌連作「日輪」

          川柳連作「吐き気のする夏のために」

          ふりおろす夢グループのチェーンソー 警官の服も喋っている真昼 白くまくんエアコンで白熊が死ぬ 金縛りの自慢どういうつもりなの 風に乗るスプレータイプの日焼け止め 絶対に焼かないなんて云わないで どの点も松田龍平に負けている 私からわたしへ変わる場所が此処 チェーンソーマンだと思ってるおじさん 慇懃プレイ いっとう好きな誤字 ふふふ

          川柳連作「吐き気のする夏のために」

          川柳連作「赤子」

          捻られた赤子の手ならここにある 来年も清原桑田と同い年 宦官のはなしに顔を歪ませる 居酒屋のタッチパネルの性感帯 根性論のひとと美術館に居る 本よりもブックエンドでひとごろし 3Pを鼎談と呼ぶのも知性 子らはなぜドリンクバーのにおいなの Cookieを受け入れたのに片想い スケスケのイカ 旅行っていつもこう

          川柳連作「赤子」

          川柳連作「エピゴーネン」

          厚い手のくせにあなたの批評めく おじさんはずっとおじさんでいいのに エチケットブラシのあいだ猫になる 花柄が好きとお思いなんですか それからは潺湲とした性行為 ああきみの、前戯におけるエピゴーネン 金箔を食べる必然性がある 管を巻く人を倍速で見る人 イクラちゃんみたいな色の髪にする ありがとうどうあがいても剥落を

          川柳連作「エピゴーネン」

          連作短歌つめあわせ4

          短歌を悲しみのポーズにしない、短歌を戦いの道具にしない、でも、短歌で悲しみも戦いも見つめる、ときの矛盾を思う。まあ、浅学でうまくやれないからこそ続けられている気もしている。同極の磁石が反発するとき、磁石と磁石の間にほわ〜、ほわ〜、となにかが溜まる感覚がある。あの、ほわほわしたやつを、短歌で、私は、やっているんだろうな。やりたいんだろうな。 SとNがバチンとひっついて、矛盾なくすっきりとしたら、それは言葉でやらなくても分かることだ。不完全で信用ならない言葉で、定型という狭さで、

          連作短歌つめあわせ4

          蓄光のねこ/そこびかり

          はじめに 3月5日、大阪城ホールで開催されたカネコアヤノのライブに行きました。蓄光ねこキーホルダーというグッズを買いました。その名の通り暗いところでぼんやり光ります。 カネコアヤノの曲には、自らの加害性を理解し、そのうえで曇りなく生きる人間の強さがあります。それは、眩しさが誰かを傷つけても世界を照らさずにいられない光のようで。とてもとても素敵でした。 キーホルダーの淡い光、春の陽光、そして閃光のような演奏。それらの光を言葉に閉じ込めるために、ネットプリントとして ・短

          蓄光のねこ/そこびかり

          ネプリ感想#1 歌眠「宵越しの歌」

          はじめに ツマモヨコです。大学生をしながら、短歌を詠んだり読んだりしています。 短歌ネプリの感想をいつも書きそびれるので、noteに公開する習慣をつくることで改善を図る予定です。運動が三日坊主になるからジムにお金を払って後に引けなくする、的なアレです。 ご存じない方のために。ネプリとはネットプリントの略で、番号を入れるだけで誰でもコンビニでプリントできる印刷物のことです。イラストや文芸など様々なジャンルの創作者が、作品を手に取ってもらうためにネプリ(ネップリとも言うが歌人は

          ネプリ感想#1 歌眠「宵越しの歌」

          連作短歌つめあわせ3

          最後まで読んでくださってありがとうございました!まとめがたくさん作れるように、もりもり詠んでいきたいです🌛 2023/2/5 ツマモヨコ

          連作短歌つめあわせ3

          岡本真帆「光のそばで」感想

          まほぴさんの短歌は平易なことばで構成されている。高級レストランの食材の組み合わせに抱く衝撃より、冷蔵庫にあるアレとアレでこんなに美味しいものが…?という衝撃に近い。初読時は、アレンジされたつけだれに飛び込むそうめんになった気持ちで読む。 文藝春秋2022年9月号に掲載された、岡本真帆さんによる短歌連作「光のそばで」。その感想を書いていたのを思い出し、先日のニシキヤキッチンさんのCM短歌への感想とともにnoteに置いておこうと思ったのだった。よければ読んでください。 「光の

          岡本真帆「光のそばで」感想