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大河ドラマ「光る君へ」第十七話「うつろい」所感

どっちよ

 どっちよその一。乙丸、まひろと道長をくっつけたいのかもうやめて欲しいのか、どっちよ。
 どっちよその二。さわさん、手紙を突き返す前に写して持っておくなんて、ツンなのかデレなのか、どっちよ。

さわさん!

 何はともあれ、さわさん!よかった〜。疫病にも「かからない丈夫な体」らしいですし、おスネスネモードから回復して訪ねてきてくれたし。この気さくなお友達がいなかったら、結構陰湿ジメジメモード(ある意味昔からの紫式部のイメージ)が加速しそうで。どストレートな愛情表現ができるのも、良いわぁ。
 それにしても、疫病で死んだ兄弟って、みんな亡くなっちゃったんでしょうか。もしそうなら、継母や父親との関係性も変わってくるけれど……。まひろとの友情も含めて、さわさんには幸せになってもらいたいと思います。

関白殿錯乱

 飲水の病、つまり糖尿病で亡くなったと言われる道隆。ご乱心ぶりが凄まじかった。唯一頼れるはずの道長に「私を追い落とそうとしているのか」なんて言ってみたり(本気で疑ったよね)、かたや道兼を呼び出して家族を託してみたり(酷なことしないでって頼むの、道兼かいっ)、病の「長らえ」を連想させる「長徳」と改元したり。あと貴子さんと出会ったお話何度かしてました。おんなじ話何度かするって、常に酔ってる感じなんでしょうか。糖尿病の末期ってあんなになるの?
 それでも、あの兼家の長男として関白を引き継いだ道隆が亡くなってしまい、また歴史が動き始める感じでした。とにかく、この中の関白家のダメだったポイントは、少なくとも道長と詮子女院さまの二人を大事にしなかったこと。

これまでで一番やる気のない晴明

 笑いました。「病気平癒祈っとけ」って、部下にふる?まぁこの人未来がぼやっと見えている設定ですから、兼家を「もう長くない」見限ったあたりから、道隆も一緒に見限った感がありましたものね。ある意味、一番最初に道隆を見捨てた感のある人です。その祈祷の力で、都の疫病をどうにかしようとは思わなかったのかしらん。

定子中宮さまは気づいていないのかも

 一条天皇が道隆の言いなりにはならないシーンがありました。伯父ですし愛する定子の父親ですから、一般的には言いなりになっている様子が描かれてもおかしくはありませんね。けれど、一条帝は前回あたりから自分の政を考えるようになっています。他者の意見は聞いても、すぐ鵜呑みにはしないところが、一歩大人になった感を見せてくださいます。実資の「言いなりになるのは心配」が効いたのでしょうかね。ああやって、皇帝や王が臣下たちのおしゃべり(本音)を聞く場所があったり、聞く機会があったりするのは、宮廷ドラマあるあるですね。
 一方、ある意味「やっぱり……」なムーブを見せたのは定子中宮さまでした。中の関白家の血なんでしょうか。伊周を無理にでも内覧(関白代理みたいなものでしょうか)にしようとしていましたね。「やって仕舞えば良いのです」「私からも強くお願いして」のくだりは、なんか残念でした。清少納言が惚れ込んだ賢い定子中宮さまにはそんなことしてほしくなかった。父親の病気を心配しながら「お上と一緒にいたいのです」といって実家に帰らないのも、その間に他の女が女御として入内しでもしたらという心配にしか見えませんでした。
 定子中宮さまは、一条帝が政に対して自分の考えを持ち始めたことに気づいていないのではないかと思いました。そうでなければ、自分が言えば伊周が内覧になれるなんて言わない。まぁ、この定子さまでは、後々の彼女の運命も仕方がないと思わせてくれます。上手い脚本なんでしょう。

アク抜きが上手いのか、道長。やはり真の兼家後継者、詮子女院さま。

 すっかりアクの抜けてしまった道兼と「道兼兄上が嫌いだけど、伊周が関白になるのはもっと嫌だから」とはっきり言ってしまう詮子女院さま。この二人の確執まで、一時的かもしれませんがなくなっているように見えます。道長と仲良くなると、アクの抜けた感じになるんですよね。ただ、道兼が昔おかした罪については、どこかでやっぱりちゃんと報いがあってほしいと思います。アクが抜けた道兼が可哀想だけれども仕方ないよね、という納得感が欲しい。私は執念深すぎなのでしょうか。
 詮子女院さまも、道長と一緒にいる感じがなかったら、本当にお厳しい顔の姑にか見えないのです。その詮子女院さま、前回ぐらいまでは「定子中宮さまは割と良い子なのにね、姑としてはやはり思うところがあるのかな」と思っていましたが、今回の定子中宮さまのあの感じ見ちゃうと、それを見透かしていた詮子女院さま、そして内裏の政治家たちがどう思っているか把握していて、自分がそれらの人脈をおさえているという政治力。ご本人は嫌がるかもしれませんが、あれほど嫌った兼家パパの有能ぶりを一番受け継いでいるのは、間違いなく詮子女院さまです。
 ついでに、明子女王さままですっかり幸せそうで。アク抜けてる。

その他諸々

 一、ドラマの後に取り上げられていた祇園祭。実は学生時代に一般教養教科の単位で習ったことがあります。平安時代には、疫病退散の願いも込められていたと。ですからね、コロナで祇園祭中止というニュースを聞いた時「いや、ダメでしょそれは。疫病退散今こそしなくちゃ」と思ったものです。現実的なツッコミではありませんがね。
 二、後宮のシーンが多くなってきて嬉しいのです。特に、唐衣+裳の女房たちの仕事着がよく見られて。まひろも、相変わらずくるぶし丈の衣装でしたが、早めにあのフル装備着てほしいな。

長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。

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