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支払利息は保険みたいなもの

無借金経営が良いと言われる。

弊社は創業から15年間無借金経営を続けている。が、恥ずかしい話、経営的に厳しい時期もあり、取引先に支払いを猶予してもらったり給与遅配などを起こした苦い経験もある。
当然、社内外での会社の信用は低下し、それが引き金となって会社を去った社員もいる。

経営者として、お金の問題は絶対に起こしてはならないのだ。

「弊社は無借金」と言っても、現在、いくつかの金融機関から数千万円を借り入れている。「無借金じゃないじゃん!」というなかれ。いつでも返せるだけの現預金残高を持っているので「実質無借金経営」というわけだ。

利息だけ払っている

いつでも返せるのになぜ返さないのか。利息がもったいないじゃないか。

はい、もったいない感じがする。けど、毎月数万円の利息を銀行に払い続けています。

社員が聞いたら「いやいや、社員に還元してよ」とか、お客さんが聞いたら、「おいおい、その分安くサービス提供してよ」とか言われるかもしれない。
しかし、この利息は僕にとっての「保険」なのだ。

会社は赤字で潰れるのではなく、資金が底をついたときに潰れる。

「借金も財産のうち」とはよく言ったもので、手元に自由に動かせるお金があるうちは会社は潰れない。上で言う、「信用の維持」が可能なのだ。

毎月数万円の利息を払い続けているからこそ、万が一資金不足に陥っても支払いが滞って取引先にご迷惑をかけたり、社員の生活を守ることができる。

会社として、事業リスクに備え、事業賠償保険や家財保険、社用車の車両保険などに加入しています。この掛け金も馬鹿にならないが、万が一のリスクから会社を守り、会社を守るのは社員をはじめとするステークホルダーのためであり、この保険金も「必要経費」だと思う。

また、借り入れによって余裕資金があることは、経営を行う上で経営者の
「お金に関する不安」を軽減してくれる。

お金に関する不安(全く考えないわけではないが)に取り憑かれず、経営者として本来行うべき仕事に集中することができるし、大事な決断をしなければいけない局面で冷静な判断をすることができると僕は考えている。

返済可能な経営状態を継続させるとともに、金融機関に対して、「安心をありがとう」というつもりで利息を払い、金融機関も(ちょびっとだけど)儲けさせる。

「銀行は晴れた日に傘を貸して、雨の日に傘を返せと言う。」・・・当然のことだよね。銀行だって商売だ。だからこそ、晴れているうちにどう付き合うかが大切だと思います。

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