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人の爪を笑うな

20211003 書くということ

 言葉にして伝えることは難しい。実際に体験したことを説明するだけで難儀する。ましてや頭に浮かんだ世界の欠片みたいなものや、不明瞭な気持ちを文章にして不特定多数の人に伝えることなどどうしてできようかと思う。しばらく置いて読みかえすと「なんだこれ」と意味不明な文章に唖然とし、一からまた書き直す。そんなことばかり繰り返している。
 さりとて私は言葉を考え、書き続けている。それは長く唸ったのちに突如やってくる閃きや、思ってもみなかった世界への導き、また、行きつ戻りつ書いたちぐはぐな文章が推敲を重ねるうちに少しずつ磨かれ、輪郭や趣旨のようなものが現れてきた時の喜びや感動があるからだ。もちろん稀にではあるが……。

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