障害受容って誰しもオリンピック選手並みのドラマを持っているよね
私、発達障害の三十路女😉
障害受容ってホントに壮大かつ至難なミッションだよね、と改めて実感した話を書く。
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そもそも障害受容とは
文字通りに捉えるなら、そのまんま「障害を受け入れること」。
詳しい定義としては、「障害が自己の人間的価値を損なうものではないと認識し、恥辱感や劣等感を克服し、積極的な生活態度に転ずることである」という上田敏医師の説がよく語られている。
障害受容には5つの段階がある。
綺麗に①から⑤と進むとは限らず、多くは各段階を行ったり来たりしながら受容へと向かっていく。
発達障害の私の場合だと
って感じで障害受容が進んでいった。
こうして簡潔にまとめて書くと、トントンとやれたような印象を受けるかもしれないが、実際は長く苦しい日々だった。
たくさんの回り道をしたし、周囲にもたくさん心配をかけた。
とても「障害受容」なんて漢字四文字でまとめられるような容易いものではなかった。
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私の知人女性に、双極性障害を患う人がいる。
(知人女性に許可を得ていないので、ここから先は本人を特定できないようにがっつりフェイク入れる)
彼女は看護学校を卒業後、看護師として病院勤務していたが、20代半ばのときに双極性障害を発症した。
双極性障害とは、気分が高揚する「躁状態」と、気分が落ち込む「鬱状態」が繰り返される精神疾患である。
躁状態のときには
・ すぐにイライラする
・ 人の意見に耳を貸さない
・ 根拠のない自信に満ち溢れる
・ 考え方が飛躍する
などの状態になりトラブルを起こしやすい。症状が激しい場合は入院が必要になる。
一方、鬱状態のときには
・ 無気力
・ 食欲がない
・ 物事に対して興味がなくなる
・ 不安に襲われる
などが見られ、起き上がれず仕事に行けなくなることもある。鬱状態も重度のときは入院が必要だ。
双極性障害の人は行動が不安定であるため、日常生活や仕事に支障を来たしている。
彼女は発症して7年が経つが、その間、双極性障害に振り回されて短期離職を繰り返している。
引く手数多の看護職なので、すぐにどこかに採用はされるのだが、早いと数日、持っても数ヶ月、平均して数週間程度で退職してしまう。
発症して7年のうち、働いていた期間はトータル1年にも満たず、安定した就労能力があるとは言いがたい。
彼女は障害者手帳、障害年金、福祉就労などの制度の対象だ。
しかし彼女は頑なに制度を使おうとしない。
彼女は幼い頃から看護師を目指していて、努力してその夢を叶えた。また彼女は自己肯定感が低いタイプで、他人をケアすることに自分の価値を見出しているところがある。
普通に働きたい、看護師のキャリアを捨てたくない、自分はケアを提供する側で在りたいと彼女はもがいている。
私としては内心、貰えるお金は貰ったらいいのに…手帳も取ったら税金安くなるからおトクなのに…と思ってしまう。それに、このまま短期離職のサイクルを繰り返していてはいずれ破綻するだろう。最悪の場合、衝動的に自殺してしまうリスクもある。
それでも彼女の中では、
制度の恩恵<<<<<<<<看護師のアイデンティティ
なのだから仕方がない。
彼女は障害受容の過程にいる。
先天的な障害の私ですら障害受容に10年以上かかったのだから、後天的な障害の彼女の障害受容がすんなり行かないのは当たり前だろう。
障害受容に周囲ができることは限られていて、結局は本人が傷つきながら受け入れていくしかない。彼女が障害受容できているのは数年後かもしれないし、数十年後かもしれない。
障害受容は本当にドラマだ。
成果が見えるものじゃないから目立たないけれど、掘り起こせば一人一人にオリンピック選手のストーリーのような、ゆずの『栄光の架け橋』とかスガシカオの『Progress』とか挿入したくなるような物語があると思う。