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大学受験とホテルと

今日は松本市にある大学の入試の日です。
その前日である昨日は私の働くホテルでも受験生の宿泊が多数ありました。


受験は昨年末から始まっている


この受験日前日のホテルの予約は、
ビジネスホテルには珍しく早く昨年から既に始まっていて、かなり早い段階で満室に近い状態が続いていました。

また受験生の受験状況、例えば第一志望に先に合格したことによるキャンセルや変更、新規予約と日々予約状況が変わるので、
以前から頻繁に問い合わせを受けていた日でした。
ついに当日だな、と日常の勤務と少し違った緊張感を抱きます。

当日までの問い合わせで実感するのは、
なんと言っても親御さんの熱量。

スタンドライトを用意してくれないか、
禁煙はやっぱり空いていないのか、

というご要望の問い合わせがあったり、

バス停は近いのか、コンビニはあるのか、
と電話で事細かく聞かれたり。

後者に関しては調べれば簡単にわかるところではありますが、やはり現地の生の情報が欲しいということでしょうか。

2ヶ月ほど前には夫婦で下見に訪れている方もいました。
ビジネスホテルですから、泊まって部屋でも見る以外は確認するポイントなんてほとんど無いのですが、
パブリックスペースだけ見て「ここで勉強できるのか」と確認されて帰っていかれました。
これにはちょっと圧倒されました。

親御さんの子どもに対する熱意を感じると同時に、お子さんもずいぶんとプレッシャーを感じるのではないかな、とも思います。

宿泊日当日

そんなこんなで普段とは違った緊張感のある当日は、チェックイン前から荷物預けと手続きをされに来る方が多数。
普段は休日でも混まない12時くらいに一時的に行列が。この時点で早くも今日が普段とは異なる日であるとわかります。
中には荷物を預けたあと、一度会場に下見に行くという方もいました。

そしてチェックイン時間の15時になるとフロントに並ぶ列が途切れません。

事前決済している方が多いので基本はスムーズなのですが、
全国旅行支援があるため、説明すること、渡すものが多く時間がかかります。
結局私の退勤時間までフロント前のお客様が途絶えることはありませんでした。


親子で挑む受験

受験生がいる一方で普段通りにご利用される方もいるのですが、
受験利用は親子でチェックインに来る方が多いので、
あ、この方受験だな、とすぐわかります。
1人で泊まりに来ている受験生は少数派です。

私は埼玉育ちのため、受験のために遠征・宿泊することは身近になかったのですが、
大学受験は親も帯同するというのが新鮮で。

確かに高校生にしたらまだ1人旅の経験のある人は少ないでしょうから、

1人旅+受験 

という大きな経験を同時にするのは親御さんからしたら不安になるかもしれません。

ただ長い目で将来的に社会で活躍するのは、
ハプニングはありつつも、1人で遠方まできて受験に臨む子のような気がするのは
ただの偏見でしょうか。

親御さんの熱意が強すぎて、
絶対に受からなければ!そんな思いが
want to~よりも、have to~になっていないだろうか、と心配になります。

自身が主体的に挑んで失敗する分には、
自分だけがガッカリすれば良いのですが、
誰かの期待を背負って失敗するのは、
自分だけでなくて期待をした方の分のガッカリを背負うことになりかねません。 

受験前からの問い合わせから始まり当日まで様子を見てきて、
サポートが行き過ぎなければいいのだけど、
と余計なお世話ながら思いました。


受験が全てではない

たとえ受験に失敗しても、それで何もかも終わるわけではありません。

比較的名前の知られた大学を卒業しつつも、
今や職を転々とするフリーターの私からしたら

どんな大学に入ろうとも人生何があるかわからないし、
たとえ志望校に受からなくても、それで幸せになれないわけじゃないよ、
と応援したい。

受験生たちの努力が実を結ぶのを応援しつつ、どんな結果であろうと彼らに良い将来が待っているといいな、
と思う昨日のホテルフロントでした。

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