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山屋、初めての海辺暮らし

山小屋バイトを終えて、
みかん収穫の仕事をするために愛媛にやってきました。

みかんは主に海辺で栽培されています。   
みかん栽培には年間を通して日射量が必要なため、太陽からの光が重要です。

海辺ですと海がその太陽光を反射するため、
より多くの光を集めることができるんだそうです。

そのため私が生活することになる地区はまさに海が目の前にありまして、農家さんの家から海までは徒歩3分。
元々漁港であるため遊泳はできませんが、いつでも大海原を見ることができる環境です。




私自身、海なし県の埼玉出身、埼玉育ち、
社会人になってからも海なし長野県で生活を送っているので海とはほぼ縁がありません。

ましてその10日くらい前まで海から最も遠いといっても過言ではない北アルプスの山中にいたので
そのギャップたるや…


そんな山屋による初めての海辺での生活で感じたことを少しだけ。


まずはじめに感じたのは
吹く風が全く違うということ。


山で吹く風と、海の潮風って全く違うのです。

山で吹く風は乾いていて、
晴れた日は心地よく
布団干しなんかすれば最高です。
標高2600m、森林限界を超えたあたりですと、
恐らくハイマツの香りが風に乗って香ってきます。

ただ逆に寒い日の風はとにかく身に染みる「痛さ」
強さも相まって人間を拒絶している感じが半端ではないのです。


一方で海の潮風はというと、水を感じます。
風が潤っていると言いますか…。

「からっ風」とは真逆の色々含まれていてちょっと重い感じ。
そのため寒い日でも風は不思議と寒く感じないのです。
冬における「湿度」って大事なんだ、と改めて思いました。
もちろん匂いは潮の香り。

今まで風の「重さ」や「潤い」なんて
感じたことがありませんでしたが、
山と海のギャップを得たことで初めて実感できました。


続いて夕日が絶景、ということ。
愛媛県の南予地域の海岸は西側にあります。
そのため日の出は見られませんが、
夕日は抜群に美しいのです。


選果の仕事が無い日は16時くらいに帰路につくのですが、晴れた日はほぼ必ず絶景です。

地元の方も自慢するくらいですから、本物です。

山と比べると、
冒頭でも触れましたが、海が太陽光を反射するのでさらに輝いて見えますよね。


風も夕日も、山と海で甲乙はつけ難いですが、
街には無い自然本来の美しさを
身に染みて感じる毎日です。


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