見出し画像

情報通信機器を用いた診療


あんなにも「オンライン診療なんて絶対しないよ。」と豪語していた当院の院長が突然、「5月からオンライン診療始めます!それに対応できるように調べておいて。」
決め手は「コロナ」。コロナ禍になり患者数は激減し、私たちスタッフとしては業務が少し楽になり残業も減ったものの、収入減は少し心配の材料だったので、院長の一大決心は理解できるものでした。その決め手となった大きな要因はこの3点
1.初診から対面でなくとも診察できる
2.コロナ等の感染からクリニックを守ることができる
3.オンライン診療の点数の大幅アップ

時代が確実に前に進みつつあります。

情報通信機器を用いた診療

ややこしいですが、今回の診療報酬改定でオンライン診療料という点数は実質上は消えました。その代わりにオンライン診療をパワーアップして点数を大幅にアップし、名称を変えたものが出現。それが情報通信機器を用いた診療です。
大きく変わったところは
1.3か月に1回の対面診療が必要⇒特に定めはなし
2.月1回のみ算定⇒診療の都度算定可
3.当該医療機関でのみ実施⇒原則当該医療機関内ではあるが、当該医療機関外で実施した場合、事後的に確認可能な場所で実施)
4.継続的に対面診療を行っている患者⇒医師が通信機器を用いた診療の実施が可能と判断した患者(オンライン診療の適切な実施に関する指針に基づき)
5.医学管理の拡大(特定疾患療養管理料、小児科療養指導料、てんかん指導料、難病外来指導管理料、糖尿病透析予防指導管理料+ウイルス疾患指導料、皮膚科特定疾患指導管理料、小児悪性腫瘍患者指導管理料、がん性疼痛緩和指導管理料、薬剤総合評価調整管理料等・・・)
6.対面診療の約87%の点数を算定
なんといってもこれが一番大きいでしょうね。今までは医学管理料は一律100点だったところを、対面診療の時の87%!(例えば特定疾患療養指導管理料:対面だと225点のところを情報通信機器の場合は199点。今まで100点だったところが倍になっています。)

外部オンラインシステム会社との連携

オンラインシステムを導入している会社は増えてきています。例えば以下のシステム
CLINICS
curon
CARADA
YaDoc
自院にあったシステムを提供してくれるところを探してみるといいかもしれません。当院で採用した会社の方と数回説明会を持ちましたが、新会社の勢いそのままとても熱心な担当者でした。電子カルテを導入しはじめた頃のように、今度はオンライン診療専用の会社が勢いに乗ってくる時代なんだと肌で感じました。

オンライン診療の流れ

1.患者様がネットで予約を入れる(患者様は氏名住所電話番号メルアドはもちろんクレジットカードの入力が必要)
2.予約時間になったら診療をオンラインで始める
3.診療後処方箋を郵送または指定の薬局にファックス。会計をクレジットカードで行う

事務スタッフの役割は・・・

  1. 予約の入っている患者様のカルテを作る

  2. カルテ記載された診療の内容から会計処理

  3. 処方箋を指定の方法で処理

今後の課題

対面診療の合間にオンライン診療をどこに入れていくか?
患者様にどうアピール、定着させるか?
どういう患者様向けに活用できるか?
院内運用方法は?

等々やってみないと分からないことばかりですね。でも思い切って新しい海原に漕ぎ出してくれた当院の院長の勇気には感謝。時代の変化を感じつつ事務スタッフとして出来ることを考えていきたいなと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?