つれみ

映画やドラマの感想を備忘録も兼ねて書きなぐっています。ネタバレについてはまったく考慮し…

つれみ

映画やドラマの感想を備忘録も兼ねて書きなぐっています。ネタバレについてはまったく考慮していません。寝るとすぐ忘れてしまうため観終えたら即書きますが、大体深夜なので眠く、乱文です。すべて私個人の感想であって、他の解釈、評価があることは重々理解しています。

最近の記事

『三体』(Netflix版シーズン1)

昨夜全8話を観終えたのだが、茫然自失しちゃってなかなか書けなかった。残念ながらこれは悪い意味で。これを楽しんだひとにはなんだかなんとなく申し訳ないのですが、いまは深く失望しています。 制作が発表された数年前から、本作を本当に楽しみにしていた。つまらないドラマをうっかり観ちゃっても「まあオレには三体があるから」って思って立ち直れてたレベルで。いま確認してみたら2020年である。実に4年近く、私は『ゲーム・オブ・スローンズ』のふたりがつくる『三体』にすべてを賭けていたのだ。思え

    • 特に好きな映画いくつか

      『2001年宇宙の旅』(1968) 初めて「映画で衝撃を受ける」という経験をした作品。まだシネコンなんて存在しなかった時代、13歳くらいの頃に、祖父母の家の近所にあったさほど大きくない映画館で、暇だから観てみるか、のノリで出合った。同時にアーサー・C・クラークの原作にもハマり、果たしてSF好きな私がこのとき爆誕したのである(ところで「爆誕」てすごい表現ですよね。たいへんに優れている。思いついた人はすごいと思う)。以来、映画館で上映されるたびに繰り返し観ている。前回の鑑賞時に

      • 『14歳の栞』

        学校に行かなくなって3年ほどが経とうとしている思春期の娘に「この映画観たい」と唐突に言われ、折しもそう遠くない映画館で再上映されることになって、そういうタイミングで観てきた本作。 学校から距離を置く娘はなぜこれを観たいと思ったのだろうか、観たら傷つかないのだろうか、悲しくならないのだろうか、そういう無粋な心配が頭をもたげたのはまあ事実なのだが、それは黙っていた。思春期の娘には余計なことを言ってはいけない。 映画館はほぼ満席だった。私の隣には初老のおじさんが座っていた。10

        • 『エヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズ

          61/100 その分析、考察についてはさまざまな人々によりさまざまな形でなされているし、本作に関してはあの世界観を具に理解することそのものには個人的興味はそれほどない。なのでとにかく思ったままの感想を思ったままのやり方で書く。 アニメ版、旧劇場版については、フランスに暮らしていたころ、日本での放映から数年ほど遅れて、日本文化会館か何かでビデオをレンタルして観た。そういう事情なので、私は日本におけるエヴァ旋風をリアルタイムでは経験していない。当時はまだネットで得られる情報は

        『三体』(Netflix版シーズン1)

          『ブラックリスト』ファイナルシーズン

          30/100 片付ける気がないので片付かないのはいいのだが、片付けたつもりで片付かないのはなかなか厄介だ。シーズン9からとっ散らかってはいたけれど、ファイナルのこの迷走っぷりはなんなのか。 レッドは最後まで魅力的ではあった。変な方向に足曲がっちゃってちんまり死んでるあの姿も悪くない。レッドは牛ぐらいにしか殺せないからまあそれもいい。でもなんか、あんなに愛したミアースどこいった?相手はウィーチャだったっんだっけ?姉は幻だった?とか、何でシーズン終盤になってマリクいきなり胸の

          『ブラックリスト』ファイナルシーズン

          『ザ・チェア〜私は学科長〜』

          79/100 毎度のことながら、副題。どうにかならないものだろうか。本当にどうにかならないか??かつての洋画のように思いっきり真面目に邦題を考えるか、それがだめならもう原題のママでいいのでは?謎の副題が多くの作品への入口を間違いなく塞いでいるし、その価値を控えめに言っても1割は下げている。世に蔓延るこのタイトル問題は本当に真剣に検討されるべきだ。 さて副題問題はともかくとして、とても不思議なドラマだった。とある大学の英文学科という小さな世界のなかで、静かに巻き起こるいくつ

          『ザ・チェア〜私は学科長〜』

          『アンナチュラル』

          90/100 本作は2回目弱?の視聴である。1回目はほぼリアルタイムで観た。その後コロナ禍で話題になって第一話だけ観て「ほぇ〜」と感心し、そして今回、改めて全話通して観た。 このドラマのすごさはしかし、当時はまだほぼ一般に知られていなかったPCR検査の話が出てくるとか、当時はまだ今ほど共通認識として発展していなかった「明確な合意なき性行為は犯罪」という、至極当たり前であるにもかかわらず黙殺されてきた事実を堂々とはっきりと世に言い放ったとか、そういうところにとどまらない。す

          『アンナチュラル』

          『愛の不時着』

          本作は実はすでに2年ほど前に観ている。だから「これまでに観た海外ドラマ」のひとつなのだが、別枠で書く。 私は基本的にラブストーリーは観ない。よそさまの恋愛事情には特に興味がないからとも言えるし、なんか恥ずいからとも言えるし、若干のアホらしさを感じなくもないからとも言える。しかし、さまざまな年齢、職業、パーソナリティと、このドラマを評価する層が実にバラエティに富んでいるので、興味を持ったのである。だから観た。そして泣いた。 本作は超王道コテコテのメロドラマとして最後まで楽し

          『愛の不時着』

          VIVANTは一応観てますが、公式といいナレーションといい、ちょっと口数が多すぎるのでは???

          VIVANTは一応観てますが、公式といいナレーションといい、ちょっと口数が多すぎるのでは???

          ETV特集『半藤一利「戦争」を解く』

          点数は付けない。 純粋さが狂気を生む。熱狂が戦争を生む。ただ一筋に一意専心、皆が同じ方向を向き始めたら注意しなければならない。これは本当に大事な教訓であり、いつまでも語り継がれるべき言葉である。 森毅も「ファシストは澄んだ瞳で現れる」と言った。「全員が掃除の時間に真面目に掃除するクラスは怖い」とも。「正義と称するもの」から生まれる純粋さによる苦しみは、学校をはじめとする社会の至るところに、さまざまに形や規模を変えて現代も変わらず跋扈している。人間は愚かにも何度でも同じ過ちを

          ETV特集『半藤一利「戦争」を解く』

          『クイーンズ・ギャンビット』

          40/100 実は2日ほど前に観終えているのだが、何を書いたらよいか何も思い浮かばず、そしてそれはどちらかと言えば悪い意味で、なのだが、そんなわけでこの2日間よくよく考えを巡らせて考えてみたが、やっぱり結論としては「あんまおもしろくなかった」でした。 とにかく王道。そう言ったそばから「王道ってなんだろう」とも思うわけだが、いうなれば要するに水戸黄門遠山の金さんのような。「天才少女が孤独に苦しみながらときどき挫折もしつつなんやかんやでがんばって大成功するが、そんなことより『

          『クイーンズ・ギャンビット』

          『ブラックリスト』シーズン9

          45/100 シーズン8を最後にギブアップかどうか迷っていたが、結局観てしまった。とにかくしょっぱなから驚くのはレスラーのヒゲの似合わなさ。そしてデンベの口数の多さである。今までの100倍は喋っているのでは?とにかくベラベラとよく喋る。これはキャラ変である。 キャラ変といえばマーヴィンだ。すっかり浅薄な小物になってしまって。「オレが築いた帝国なのに。ウワーン」なんてつまらんセリフ、オレのマーヴィンは言わない。「弁護士の無能を訴える」程度のアイデアでドヤ顔しないでほしいしウ

          『ブラックリスト』シーズン9

          『Fleabag』

          93/100 驚いた。あまりの面白さに。 以前からあのサムネはたびたび目にしていて、絶対見たくないやつだと思いつつもどうしても目に入ってきてしまう。どうしても目に入ってきて気になるので調べてみたら、意外にも(主観)評価が高く、じゃあ観てみようとなった。2話目あたりまではどちらかといえば嫌悪感が強く、なのに何だか続きを観てしまう。それで気づいたら夢中で観ていて、シーズン1の最終話などはもうフリーバッグへの共感しかない。シーズン2になると、あの真っ赤な口紅が彼女の恐怖と不安と

          『ザ・ディプロマット』

          70/100 とにかく挙げたらキリがないほどにさまざまなトピックがてんこ盛りでありながらも、畳みかけまくる会話劇がそのひとつひとつを簡潔かつ的確に掬い上げていく、高密度な人間ドラマ。舞台は政治だが、描かれているのはあくまで人間である。 とりわけ主人公のケイトの描かれ方はとても繊細で生々しい。あれだけの能力と実績を持ちながらも、彼女を不安にさせるのはたとえば、食事をこぼさず食べることが難しいというささやかでありながらも重大な事実である。自分は夫に迷惑をかけられていると思って

          『ザ・ディプロマット』

          『ボディガード―守るべきもの―』

          89/100 見た瞬間「エンダー」が反射的に脳内で流れてしまうタイトルだがエンダーとは全然違うドラマ。日本語の副題含めてタイトルどうにかならんかったんかなと思わなくもないが、中身が素晴らしいのでまあいい。 実はこのドラマ、2回目の視聴である。中盤の衝撃展開と結末と「おもしろかった」という感想を除いてすっかり内容を忘れていて、急に気になったので観てみた。新鮮に楽しめたし結末知ってるのに手に汗握ってしまい、忘却ありがとうな、と思った。 主人公デイビッドはとにかく有能であり、

          『ボディガード―守るべきもの―』

          これまでに観た海外ドラマいくつか

          【個人的最高峰】 『ブレイキング・バッド』 海外ドラマにハマるきっかけとなったドラマ。すでに完結した後で見始めたので、睡眠時間削って一気に観た。本気出して丁寧に人間を描いてこそ物語は生まれる、逆はあり得なかったのだった、ということを教えてくれた作品。 『ベター・コール・ソウル』 スピンオフでありながら本家よりさらにクオリティを上げちゃった傑作。とりわけ最終シーズンの凄みは類を見ないほどで、すべての言葉を失うような素晴らしさだった。 『ゲーム・オブ・スローンズ』 超一流の群

          これまでに観た海外ドラマいくつか