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百鬼夜行(ひゃっきやこう)

妖怪と禅宗には深い関係がある。

現存する最古の百鬼夜行絵巻がある真珠庵は禅寺であり、この百鬼夜行絵巻、通称真珠庵本では妖怪は僧の破戒の象徴として描かれ、その最後は仏の光によって祓われる。

真珠庵蔵『百鬼夜行絵巻』(部分) 伝土佐光信

禅宗には「不立文字」つまり字を離れ言語を亡じて、直に心源を指してもつて成仏せしむ。という言葉がある。
つまり真珠庵本は文字を用いない禅宗の経典として描かれ、その中で妖怪達は破戒の罪の象徴として人から大きく外れた姿で描かれた。本邦の妖怪の興りは禅宗にあったと言えるかも知れない。

真珠庵蔵『百鬼夜行絵巻』(部分) 伝土佐光信

更に真珠庵はとんちの一休さん=一休宗純を開祖としている。
自らも破戒僧であった一休とその死後描かれた破戒の末に悟りに至る百鬼夜行絵巻。そこに描かれた妖怪達は一休の一面であったのかも。

※おまけ


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