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どうやら私は退屈すぎると死ぬらしい

 幼いころから退屈が嫌いで、「退屈すぎて死にそう」が口癖だった。
 思えば、会社員時代にイライラしていたのも、仕事がつまらなすぎて嫌になったからだった。こんなにも退屈な日々をあと何十年も繰り返すのかと思ったら絶望した。

 工夫できる部分は工夫し尽くして、もうこれ以上変化は望めないと感じた時、私は退職を選んだ。
 ちょうど父が自営業を始めた時期で、辞めやすかったというのもあったけど、そういったタイミングが重ならなかったとしても、どのみちもう限界だったのだと思う。

 先日、久しぶりにひどい無気力に襲われて、これは最低でも一週間ほど寝込んでしまうかもしれないと覚悟した。
 だけど、気が済むまで感情を吐き出して、自分の声に耳を傾けて、全力でなぐさめて肯定して、自分の敵になりかけていた私を味方モードに戻したら、案外あっさり元に戻ってくれた。

 翌朝、夢見が悪かったせいか、ひどい気分で目を覚ました。
 やっぱりまだ動けないかなって思ったけど、しばらく何も考えずにいたら、急にやりたいことをあれやこれやと思い出して、気づいたらパソコンに向かっていた。

 その話をある人にしてみたら、「何が自分の原動力になったのかも知っておくといいよ」と教えてくれて。
 何だろうって自分のこと掘り起こして、出てきたのが「退屈したくない」だった。どうやら私は退屈しすぎると「生きている意味がない」と感じるらしい。
 だから私は興奮を求めて動く。退屈すぎて死んでしまわないように。

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