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京橋URAで他人のミッション遂行を監視した話

 玉造にある整骨院に行った帰り、久しぶりに京橋URAに行きたくなって京橋駅に立ち寄ることにした。家主である寝業家のけんたろくんに事前に連絡を入れ、初めて訪れた一カ月前の記憶を頼りに目的の家を探した。

 玄関前に到着する。思った通り電気が消えていた。事前に「眠っていると思うので勝手に入って下さい」と言われていたので、静かに扉を開けて中に入った。 階段を上がって二階の部屋を覗いてみる。寝袋とタオルを重ねて作った寝床の中に、死んだように眠っているけんたろくんの姿があった。

 やっぱり寝てらっしゃいますよねー、と足音を殺して階段を引き返し、一階のキッチンを陣取ってスマホでエッセイを書き始めた。
 途中、たしか暇つぶしに食器洗いや軽い掃除なんかをしていたように思う。二時間ほど一人で過ごしていただろうか。
 本棚の本をめくったり、お茶をいただいたりしているうちに、いつのまにか四時前になっていた。彼の相方・おゆりちゃんから「市役所に電話をする予定があるから、夕方までには起こしてあげて下さい」と仰せつかっていたので、そろそろかなと思って起こしに向かった。
 かんたんには目を覚まさないので、叩いたり蹴ったり踏んづけたりして 起こす(※大げさに表現しています)。 

 やっとのことで彼をキッチンまで誘導し、テーブルに向かい合って座った。
 さて、何をするんだっけ。
 ツイッターで本人がつぶやいていた『今日やることリスト』を引っ張り出してきて、「お兄さん、本日の業務はこれとあれとそれの四件でございます」と伝える。
 なんだかマネージャーみたいだなあ、と内心ワクワクしてきた。

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