移住相談に乗ってみたら分かったこと

先日、前職の同期から面白そうな話をもらいまして、

「同期の友達(Nくん)が東京暮らしに疲れて地方移住を考えているから
地方移住した先輩として話を聞いてあげてほしい」


自分の活動として移住相談もできたらいいなと思ってた矢先なので
ちょうどいいタイミングで相談に乗ることになりました。

移住相談を受けてみて、移住にはある程度の共通パターンがあるのではないかと思えてきたので、そちらをまとめてみます。

Nくんの現状と考え、それに対する私からのアドバイス、一連のやり取りから感じた移住するための共通パターンを順に述べていきます。


Nくんの現状

・山梨県生まれ、山梨県育ち
・大学から上京し、現在まで10年間東京生活を送る
・2024年4月から福岡県糸島市に移住
 奥様の実家が福岡にあり、奥様の親戚や友人が周りにいる
 博多から糸島まで車で30分程度

・営業職を6年ほど経験、ストレスで心身ともに疲弊している
・移住先では医療事務の仕事に転職が決まった

・都会生活に疲れ、地方に移りたいと思い立つ
  電車、お店など人との物理的距離が近い
  人間関係が希薄なことが合わない
  水や空気が美味しくない…等

・奥様は今の仕事を辞めずにテレワークで続けられる

Nくんの考え、相談したかったこと

①移住先の仕事について
元々、環境リサイクル系で仕事をしていた関係で、農業や環境に興味あり。
移住先では農業や環境分野で仕事したいと思い転職活動をしていましたが、
給料が思っていたよりも低かったため、生活するには厳しいと判断し断念。

医療事務の求人がたまたま見つかり、待遇もそれなりによかったそうで、そこに転職が決まったとのこと。
これまで営業しか経験がなかったため、営業以外のスキルを勉強できることにはプラスと捉えていました。

②移住経験者の考えを直に知りたい
コロナ禍以降に地方移住が流行し、ネット上にも移住の情報が溢れかえっています。
SNSやnoteにも移住者の発信が増えてきており、時代は変わってきているなとも思っていました。
しかし、実際に移住しようか迷っている人からしたら、情報が多すぎて何が本当なのか分からず決心できないなんてこともあるようです。

彼もネット上の情報はどれが本当なのかよく分からないと困っていたようで、実際に移住した人のリアルな情報を求めていたとのことでした。

③私が移住して農業を始めた理由や経緯を知りたい
Nくんは一旦は農業を仕事にすることを断念し、別業界へ転職しました。
対して、私は移住先ですぐ農業を始めました。
私が移住して農業を始めた理由や経緯、実生活についてかなり気になっていたようです。

将来的に農業に関わるようになったらを想定して、私がどのような生活を送っているかも一つ参考にしたかったとのこと。

ある意味で人生の棚卸しをしており、
お金以外の現物や技術に価値を求める生き方を探したいと言っていました。
素晴らしいの一言です!

移住経験者としての私からのアドバイス

①移住先の仕事について
移住してすぐに農業ではなく、他の仕事になったのはむしろ良かったかもしれないと思いました。
転職先では、事務や会計、総務など医療技術以外のこと全般的にやることになるそうなので、将来農業に関わるなら、事務方のスキルは重宝されると感じました。
実際のところ、経営や事務作業が苦手な農家が多いので、事務方として農業を支える生き方も視野に入れることが可能になります。

最近は農家の右腕業も言われているので、近い将来そうした働き方もあり得るのかなとふと思いました。

②移住経験者としての私なりの考え
都市部へのアクセスがよい街への移住は大正解。

移住というと、田舎の里山に来て田園風景に囲まれたのどかな生活が待っているとイメージしていると思います。

しかし、長年都会に浸かっていた人が急にそんな生活ができるかというのは疑問が多いです。

お店も病院も何もかも近くになく、不便であることは間違いないです。その不便さを全力で楽しめる人はそういないので、数年で都会に戻ってしまう人も結構多いと聞きます。。

一旦街中に住んでから、田舎の土地勘をつかみ地域の人と仲良くなって視察する方がリアルな情報が得られるので安心です。

ベストを最初から求めるのでは無く、今できるベターを着実にこなしながら理想の生活スタイルに近づける方針で人生設計するのがいいです。

農業に興味があるのであれば、庭や近所の畑を借りるなりして農のある生活から始めてみるのがいいです。

③私が移住して農業を始めたことについて
私は移住してすぐに農業を始めています。
農業法人の従業員としてですが、米作りや養鶏など勉強しております。

Nくんと同様、経済状況が不安定なこの時代だからこそ、お金以外の現物や技術を資産として持ちたいという気持ちが大きいです。

農家で働いていると、自給用のお米や卵(こだわりのある品質のもの)などもらえます。同等の価値のお金を仮にもらったとして、そのお金でこのお米や卵を買うかといったらそうでないことがほとんどでしょう。

現物支給はある意味資産に値するのです。
加えて、こだわりのお米や卵を作る技術を目で見て学んでいます。

いずれ自分で土地を持ってそうした食べ物を作れるようになれば、それはもう立派な資産です。

もちろん、経済面では移住前より落ちましたが、
うちも妻がテレワークでそこそこ収入があったので、生活にはそこまで困っていないです。

こうした資産を得る準備は体と頭が利く若いうちからしておくに越したことはないと考えています。

もちろん農業を仕事にすることは収入面で考えたら難しいこともありますが、お金以外の資産を得られるよということは伝えました。

徐々に生活をシフトしていく中で考えも変わっていくので、焦らずじっくり考えてみてとアドバイスしました。

移住するための共通パターン

これまでの話を聞いた中で、移住にはある共通のパターンが存在するなと感じました。
全員に当てはまる訳ではないですが、次のような特徴の人が多いなという印象です。

・所帯持ちは妻の地元に移住しがち
・妻がテレワーク、もしくは資格、免許持ち
・営業職などメンタルがやられる仕事をしてる人が地方に希望を抱く
・都会が嫌
・自然が好き

私含め、Nくんや他の何人かも、
もれなくこの条件に当てはまります。

仕事でメンタルをやられている人が、一度立ち止まって人生設計し直した末、移住を決断するのかなという印象です。
私も当時はつらかったですが、今の生活は楽しいです。なので、あの時のつらい思いは今の生活のためにあったのかと思うと、それはそれで必要な時間だったのかもしれないです。
人生で立ち止まる時間をくれたと捉えればむしろプラスに感じてもいいんだと思います。

夫ではなく妻の地元に行きがちなのはどうしてなのかはまだ分かりませんが、最初から知り合いのいない土地に行くよりは馴染みやすいです。
いきなりど田舎ではなく、地方都市周辺に住み始めることから検討してみてください。

そして何より、妻の仕事が安定し、テレワークもしくは資格・免許を持っているというパターンが多いです。
実際は夫婦逆でもいいんですが、一方が現物、技術資産を、他方がお金資産を得られるというスタンスが移住において強いのではないのでしょうか。


こんな感じで移住相談を初めて受けてみました。
移住しようか考えている人の手助けになれたら嬉しいです。移住に困ってる人いましたらご連絡ください、なんてね。

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