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なりきりジョブズ

初めて自分で服を買ったのは大学の時だったと思います。当時創刊された「Men's JOKER」という雑誌で「Men's BIGI」というブランドの服がかっこよく感じたので、当時はそのブランドの服ばかり買っていました。

当時はお金がなかったので、実家に帰ったときに泉佐野のアウトレットモールに行って買い漁っていました。その後、このブランドがビートルズフィーチャーになってから、興味が薄れていきました。

大人になってスーツばかり着るようになって、結構好きだった服選びのモチベーションも無くなっていきました。小倉北区に引っ越す際にも大量の服を捨ててきました。そんな中、たまたま何かの雑誌で「山中俊治さん」という有名なインダストリアルデザイナーののエッセイ集が今度発売されるということを知り、買ってみました。

ここで、今までそこまで興味がなかったのですが「イッセイミヤケ」の話がいくつか紹介されており、デザイナー三宅一生さんに興味を持ち、沢山の本を仕入れました。

その後、スティーブ・ジョブズの来ていた黒いハイネックカットソーが、イッセイミヤケブランドだということを知って大変興味を持ち、色々検索して同じモデルの服を手に入れることができました。

もちろんスティーブ・ジョブズは大好きなのですが「こういう人ってどういう言う服を着るんだろ?」と興味津々でした。着てみると驚くほど着やすく、大変肌触りが良い。その生地の良さに驚きました。「一本の糸から作る」と言われるイッセイミヤケブランドの本質を知った気分です。

この服はもう絶版で新品は手に入りませんので、中古市場を漁りました。一応ここ4年ほどで7着手に入れることが出いました。この服は本当に生地がよく、中古で手に入れたものも使用感が強いものの、形は崩れていません。毛のホツレもない。安い服ではありえない堅牢さです。

そうして7着も手に入れたので、夏以外は毎日このモデルの服を着ています。そして昔からジーンズはリーバイスで白いスニーカーを履くので、さながら「なりきりジョブズ」のようになっています。なりきりたいわけではないのですが、この良さを知ってしまうと他に変えられないほどであります。夏は無印良品の黒Tシャツをの同じモデルを着回しています。

さて、先ほど紹介した山中俊治さんはイッセイミヤケブランド初の時計コレクションを発表しています。そのデザインがあまりにもかっこよかったので、これも今は絶版なのですが、オークションで時計「Insetto」を買いました。

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昆虫をイメージしたそうで、この写真の角度から見ると、てんとう虫のように見えます。

この時計は自動巻きで、竜頭(リューズ。上の写真の鼻のところ)を自分で巻いて動かします。後は歩いたりして手を動かすことで自動的に巻かれていく機構を持った時計です。大変気に入っていたのですが、保証書もないのに竜頭が壊れたり、きっちり巻いてもスグに時間が遅れたり、後単純に巻くのが面倒になって「普通の電池時計を買おう」と思い立ち「そう言えばスティーブ・ジョブズはどんな時計をしていたのだろう?」と思い立ち検索してみました。そうすると意外にも日本製であるSEIKOを愛用していたらしいです。

この時計も絶版ですがナノ・ユニバースがリメイクしています。というわけでこれもオークションで手に入れました。その写真がトップの画像です。もはや完全になりきってます。

この時計は、ほとほとシンプルで「時間を見る」ためだけに存在しています。シンプルな形状とモノクロデザインで、万人受けしそうな時計だと思います。

「センスの良い人がどのようなものを身につけるか」というところに大変興味がありますし、私自身もそれを体験してみたいと思うタイプです。スティーブ・ジョブズの妄信的ファンというわけではないのですが、一度着用してみると物が良いので離れられなくなってしまいます。まぁ、私を知らない人は「毎日黒い服を着ている人」という印象ですが、自分だけでも「良いものを着て生活している」と思えるのは幸せなことだと思います。

ちなみにジョルジオ・アルマーニも、写真でもるプライベートではほぼ同じ紺色のシャツにジーンズを合わせているようです。彼のシャツも良いものなんでしょう。一度は手に入れてみたいものであります。

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