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「図書館ではたらく」ではなく「図書館×something」な人のためのミッション「シン・クリエイティブ司書」募集!

皆さまごきげんよう、クリエイティブ司書・小宮山剛(東京から椎葉村へ移住、福岡県出身)です。

みなさまご機嫌はいいですか?私はご機嫌よいです。どれくらい機嫌がいいかというと『荒涼館』(チャールズ・ディケンズ)の2巻までくらいは一息でなんとか読み切れるかもしれないというほどに機嫌がいいです。

🖊クリエイティブ司書、そして地域おこし協力隊司書たちの系譜

さて、私が椎葉村地域おこし協力隊「クリエイティブ司書」に着任したのは2019年4月のこと。それは2020年7月の、椎葉村図書館「ぶん文Bun」開館のディレクションが目的の募集でした。

なんとかかんとか無事にオープンしたぶん文Bun。今では、九州全体をはじめとして遠くからもお客さまや視察の方々がお見えになる図書館になりました。

もちろんこれは「図書館と地域をむすぶ協議会」の太田剛チーフディレクターのご尽力あってのことですし、何よりも椎葉村役場の、そして住民の皆さまの果断と意志がもたらした結果であります。

また、開館して以降も「学校や地域への図書館支援が足りない」と言えば地域おこし協力隊「飛び出す司書」(埼玉から移住、山形県出身)を加え、「地域のデジタルアーカイブなどの構想を立てなくちゃ」と言えば地域おこし協力隊「時おこす司書」(東京から移住、北海道出身)が加入したというのは、昨今の図書館運営事情としてはありえない好況であると言えるでしょう。

「時おこす司書」の藤江などは、某東京六大学のR大を卒業後すぐに「就職活動を一切せず」に「全国の図書館×地域おこし協力隊の環境では椎葉村図書館が一番」というちょっと変な人が来たのではないかというくらい無謀な素晴らしいコメントと共に入村しました。

椎葉村地域おこし協力隊について問い合わせてくれた当時(約2年前)はまだ運転免許をもっていなかった彼も、今や立派に九州中を無事故で走り回っています。

かつては私一人が「クリエイティブ司書」として図書館を立ち上げているような構図だった椎葉村図書館「ぶん文Bun」も、今やこうして変なバラエティー豊かなメンバーでやっております。

志は高く10年後~50年後の椎葉村を見据えながらも、地域おこし協力隊は暮らしを楽しむことが優先。二人とも本業を投げ出す勢いで、落語や講談にも勤しんでいらっしゃいます。

落語・北鷹亭和鵬築(時おこす司書)
講談・すみれ亭東風(飛び出す司書)

・・・いやその、落語や講談ができなければ椎葉村図書館に就職できないわけではありません。クリエイティブ司書・小宮山剛はどちらもできません。私が図書館と別分野で得意としていることといえば、異常なほどの執念で取り組んでいるSNS運用や広報ブランディングといったコンテンツマーケティング戦略の構築です。

僕たちは「司書だけど司書じゃない」ような存在であることを重視しています。一見関係ないようなことを、関係づけて仕事にする。そんな時にこそ本業(図書館)のブレークスルーが生まれるのだと思うからです。

だからこそ、僕たちの定期ミーティングの名前は「無用之用」。一見役に立たないようなこと(野球とか、芸能人の事情とか、犬の散歩とか、マラソンとか、野球とか・・・)の中にも光明を見出すことができないかと「積極的雑談」をすることを心掛けています。

こうして個人個人の幅が広がる仕事の在り方をするなかで、ラジオの発信をしてみたり、各種イベントを企画したりと図書館そのものの発信力や求心力も高まっていきます。そしてこういう仕事の多彩さは、結果的に個人のキャリアアップや仕事の幅の増強に繋がると思っています。その結果として図書館を飛び出し更に大きなフィールドに出ることになれば、それはとりもなおさず地域・日本のための新たな人材を創出することになるでしょう。

僕たちはただの図書館ではなく、図書館を使って新たな価値を生む場を回しているのです。

🖊椎葉村図書館第二創成期、シン・クリエイティブ司書の募集


(募集をざっとビジュアルよく読むには「SMOUT」、募集の詳細・要項や移住体験制度・インターン制度をご確認いただくには椎葉村公式ウェブをご覧ください)

そんな僕たち椎葉村図書館「ぶん文Bun」、また椎葉村交流拠点施設Katerie(ぶん文Bunを含む複合間)では、開館5年~10年目を見据えた新たなタレント募集を実施しています。

※先に申し上げておくと、今回の募集は素敵な方に出会い次第終了となります。「おお、なんか話を聞いてみるか」と思ったらすぐに、クリエイティブ司書・小宮山剛でもよいですし、上記SMOUT募集ページの問い合わせ先でもよいですので、まずはコンタクトをいただけますと幸いです。

落語もできなくていいですし、変わった人でなくてもいいですし、司書資格がなくても構いません。図書館での勤務経験がなくてもOKです。なんと言ったって、僕たちぶん文Bunの司書はみんな図書館経験ナシです。

根本的に必要なのは「図書館×something(somewhere/somebody)」の可能性を楽しみたい気持ち。

そんな中で「司書として長年やってきた実力を活かしたい」と思うもよし、食文化を活かして図書館を使いたいと思うもよし、ヨガを組み合わせたフィジカルな司書になるもよし、マッスルもよし。あなたの可能性を最大限に伸ばすために、椎葉村図書館「ぶん文Bun」という場をご活用ください。

図書館は、コンテンツの宝庫です。いい図書館ができれば、自治体の文化的ブランディングになる・・・そんなことを証明してきた椎葉村図書館の一員として、暮らしも仕事も自分流で楽しむ人生をはじめてみましょう。

🖊自分を大切にできる場所、ありますか?

さらっと「暮らしも仕事も自分流で楽しむ人生」と書きましたが、現代の暮らしではなかなか難しいことだと思います。とくに、既に図書館ではたらいている人はその難しさを実感していることでしょう。

押し寄せるルーティン・ワーク、お客さまからのクレームの嵐、コロナ対応、席の取り合い、学校や役場から押し付けられる謎業務、企画申請をするも「できない」一点張りな正職員、増えない給料、イケナイ太陽・・・おっと、言い過ぎたわ。

秘境の山村に位置する図書館では、いい意味でルーティン・ワークが少ないです。仕入れる本の数だって、そもそも図書館が小さいので限りがあります(その分、選書の眼が養われることになります。ちなみに購入予算は調べていただけるとお分かりいただけますが、きっちり確保してあります)。

また、どれだけお客さまが押し寄せるといったって平日の席数なんかは全然余裕です。どこでパソコンを開いてもいい、宿題をしてもいい、おしゃべりも飲食も禁止されていないという環境は、こうした観点をふまえれば「逆に当たり前」なのです。つまり、ある意味で図書館司書は「マイナスの処理に追われず、新たな創造活動=クリエイティブ・ワークに注力することができる」のです。

また、地域おこし協力隊への理解度なんかも移住生活の幸福度を大きく左右します。僕もクリエイティブ司書になる以前にいろんな自治体をみたりしたし、着任後も他の地域おこし協力隊の方々と交流してきましたが、椎葉村地域おこし協力隊の「やりやすさ」は抜群に高いです。

予算の使いやすさ、3年任期後の自治体サポート、副業への理解(むしろ奨励されます)などなど・・・「どうして椎葉村みたいな奥地で協力隊の定住率が高い(約7割が定住しています)のですか?」とよく問われるのですが、これはひとえに役場担当者・担当課のサポートの大きさや地域の皆さまのやさしさに支えられてのことでしょう。

そしてまた、椎葉村地域おこし協力隊がすべて「ミッション制」の募集であることも大きな理由です。2024年4月着任のミッションは12もあり選び放題なのですが、このどれもが3年後のビジョンを見据えたうえで役場担当者・移住担当者が熟考したミッションです。

とくに「シン・クリエイティブ司書」については、3年の任期を待たずしての役場正職員登用試験受験の可能性もあるという、図書館業界的には破格の条件となっています。

地域おこし協力隊→役場正職員の道筋としては、クリエイティブ司書・小宮山剛の実績があります(2022年4月から役場職員)。しかしなぜいきなり正職員で募集しないかというと、椎葉村があまりに奥地すぎるので(笑)、まずは地域おこし協力隊として生活に慣れてから暮らしぶりを見定めていただいたうえで腰を据えていただこうという思いがあってのことです。

椎葉村や図書館や移住者がなぜこれほどに重視されているのかというと、そこには裏があり・・・ません。

その答えはあくまで単純であって「移住者に来てもらわないと村が続いていかない」のです。そのあたりは、第6次椎葉村長期総合計画の基本理念「かえりたい『郷』で生きていく」(意訳:UIターンを創出したい)にも表れているところです。自治体として必死に存在していくために、移住者の皆さまを歓迎する取り組みを多々企画しているところなのです。

移住者を大切にする村、椎葉村。そのことは、クリエイティブ司書として活動し5年が経とうとしている僕自身が証明しています。また、この村で図書館が大切にされていることは今回の「シン・クリエイティブ司書」「Katerie描くイベントディレクター」の募集が証明しています。人が減り続けて給与も減り続けてというのが文化施設運営の典型なのに、新たなタレントを求める椎葉村の動きはとどまることを知りません。

大切にされる環境ではたらくことで、自分を大切にするはたらきかたを実感してほしい。

実はこれが、クリエイティブ司書として図書館を管理運営する僕があなたに願うことです。

誰かの言いなりでやるしかないルーティン・ワークだらけの仕事とか、言葉が通じない相手と話すだけで疲弊するとか、アイデアというアイデアが全てつぶされる無力感とか、そんなことを訴える図書館仲間たちをたくさん見てきました。

もうそんなことはやめにしたいんです。

椎葉村図書館で活躍する人が増えれば、おおげさに言えば全国の図書館やはたらき方が変わるかもしれないと思っています。

変えるんです。変えるんだよこの野郎ばかやろう。

自分で仕事を生むたのしさ。

自分の意志を場で表現するうれしさ。

自分の存在が認められることの、責任とよろこび。

そんなことが普通に実現される場をデザインしてきたつもりです。というか、そんな場じゃないと私は嫌なんです(笑)

どうか安心して、ほら怖くないよ、「シン・クリエイティブ司書」という名のアヤシサに負けないで、それいけ!さぁ!!どすこい!!!

・・・本当にアヤシイ集団ではないので、お気軽に各種SNSやKaterieのウェブページ問い合わせフォーム等からお問い合わせください。
(以下、クリエイティブ司書の①X=Twitter ②Facebook ③Instagram ④Katerie問い合わせフォーム)

※応募をするかどうか、椎葉村に試しに来てみるかどうか、現職の都合で何がどうなるか分からないという方も、まずはお気軽に12月1日までのお問い合わせをいただけると・・・何かのご縁が生まれます(笑)

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・・・そんなわけで、どうか「シン・クリエイティブ司書」と「Katerie描くイベントディレクター」をよろしくお願いいたします。

10年先、50年先を描く仕事ができるようになれば、きっと自分自身の将来も変わってくるはずです。

もちろん「もうそんな生き方してます」という方のコンタクトもお待ちしております。ぜひご指導のほどお願い申し上げます。

2023年11月19日
椎葉村図書館・クリエイティブ司書
小宮山剛