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2023年 珈琲 綴の夏

夏の盛りは過ぎて、ようやくしっかりと秋の空気を感じる。
写真は今日の営業終了18時頃。曇っているともうこんなに暗い。日が短くなったものだ。

夏は暑くてしんどくて、室内にいるのに熱中症なのか温度差なのかすぐ頭痛くなったりして。焙煎もケーキ作りのオーブンも、湯の近くにいる珈琲の抽出でさえもう暑くて暑くて。植物も虫も元気過ぎて、湿気も大変で。

そこかしこの夏を見る

いろいろしんどい夏だけど、「早く過ぎ去れ」とはあまり思わなかったりする。
夏は生き物が本当に元気で、圧倒される。窓の外はまるでジャングル。セミがよく鳴く。夏の間でも鳴くタイミングはそれぞれ違う。ヒグラシは晩夏のイメージがあったけど、この北鎌倉では8月中旬くらいが最盛期だったか。ツクツクボウシの方が晩夏というにふさわしく、8月下旬から今もよく鳴いている。ミンミンゼミは長く鳴いているなあ。
かわりにリスはあまり見かけない。山に食べ物がたくさんあるのかな。ようやく最近また家の周りを走り回っている。自然豊かなところで見かける女郎蜘蛛がそこかしこに巣を張っている。光に当てられて意外と綺麗なのだ。ヤモリは夜、たまに外壁にへばり付いてトカゲより下手くそな歩き方でぼてぼてと歩いている。なかなか愛嬌があるやつらだ。鳥は春ほどじゃないけど、たまにガビチョウのうるさいくらいの鳴き叫ぶ声が聞こえる。ウグイスは今年も8月10日が鳴き納めだった。今時期は夜や朝、たまに昼も、秋の虫のリーリーという鳴き声。朝の、茶室の奥の茂みから聞こえる鳴き声を耳にしながらドリップするのはなかなかに風情があって心地良い。
植物に何日か水をあげるのを忘れていても、ふと水をあげれば応えるように張りが生まれて蘇ってくれる。打ち水は少し効果があるような気がしないこともないけど、本当に打ち水のおかげなのか、たまたまその日の気温や自身の調子で涼しく感じたのかは定かではない。そこまで徹底して検証しなかった。暑くてやる気が起きなかった。そういえば洗濯物がすぐ乾くのも気持ち良い。
しんどいこともあるけど、今しか感じられないこともたくさんあって、やっぱりそれが楽しくて面白い。良くも悪くもこの家が自然を分け隔てなく感じさせてくれるからだろう。どう足掻いてもどうせ季節は移ろうものだから、今をちゃんと見て感じて生きたいと思えるようになった。

酷暑の中のご来店に感謝

何より、今年の夏は初めてお店を通常通りに営業することができました。去年はコロナ罹患、一昨年は休業要請で、普通に営業すらできませんでしたので、本当に良かったです。
この猛暑の中をいらしてくださった方、本当にありがとうございました。またタイミング悪く満席で暑い中をお待たせしてしまった方、お待たせした末に入れずにお帰りになってしまった方、誠に申し訳ありませんでした。席をお譲りくださった方、誠にありがとうございました。
私はというと、7月中下旬から8月中旬くらい、最も暑かったと思われる期間は、昼間はほとんど外に出られませんでした。大型商業施設へ涼みながら散歩しに行ったことはありますが。
だから外出をして、何かのついででもわざわざここまでいらしてくださったこと、大変大変ありがたく思います。
生業としてやっている以上、お客さんがいなければ始まらないわけで、お陰様で生き永らえています。その分何かの価値をご提供できていれば、お役に立てていれば、それ以上のことはありません。

来夏に向けて

そして少し先の来夏の話ですが、考えていることがあります。
サマータイムです。
おいおいまた営業時間いじるのかい、と突っ込まれると思います。そうですよね、すみません。
検討している、という話です。真夏だけです。
理由は、もし実施することになったらまた来夏にちゃんとご説明しますが、端的にいえば「健康に生きるため」です。うちにはエアコンが喫茶室の一台きりしかありませんから、文字通り死活問題なわけです。今夏は暑過ぎました。
来夏までじっくり考えたいと思います。

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