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客数が減っても利益率が上がれば利益は増える

緊急事態宣言が解除され、平常化へ向けた取り組みが始められようとしています。しかし、この数ヶ月の間に、客数が減少し、売上高が減少してしまった企業も多くあります。

売上が増えても利益は増えるかどうかはわからない、このことに気付かず売上を追い求めた結果、利益が減って資金が足りなくなることはよくあります。しかし、これは逆も真で、売上が減っても利益が減るかどうかはわからないのです。

客数が減って売上が減っても利益は増える、この仕組みについて解説したいと思います。

売上と利益の違い

まずは基本的なことですが、売上と利益の違いは正しく理解しておきましょう。売上とは、商品やサービスを提供して顧客からもらうお金のことです。一方、利益とは、売上から売上を得るために必要な支出を引いた残りです。

例えば、10万円の商品を販売したときの売上は10万円です。この商品を仕入れるために9万円を支出しているとしたら、利益は10万円-9万円=1万円となります。

客数が減っても利益が増える仕組み

では、客数が減っても利益が増える仕組みについて説明します。ポイントは、商品やサービスを販売するときの「利益率」にあります。この利益率が上昇すれば、客数が減り、売上が減ったとしても利益が増えることがあるのです。

例えば、仕入値9万円の商品を10人の顧客に単価10万円で販売したとします。売上は10万円×10人=100万円、仕入は9万円×10個=90万円なので、利益は10万円となります。売上100万円に対して利益が10万円なので、利益率は10%となります。

では、客数が10人から9人に減少した場合を考えてみましょう。販売単価が10万円のままであれば、売上は90万円で、仕入が81万円(9万円×9個)になるので、利益は9万円です。先ほどと比べると利益が1万円減少してしまいました。

ここで、販売単価が11万円だったらどうでしょうか?売上は11万円×9人=99万円で、仕入は81万円なので、利益は18万円です。なんと、売上が1万円減っているにも関わらず、利益は8万円も増えているのです。

販売単価が上昇すると利益も上昇する

先ほどの例は少々極端ですが、販売単価を上昇させ、利益率が上がれば、利益は増加します。これは、同じ商品でも数を売るよりも、高く売ることの方が重要であることを表しています。

お店に来るお客さんが減っている状況で単価を上げるなんてできっこない!と思われたでしょうか?でもお客さんが減っているのは、他人との接触を避けるためであり、商品の価値が下がったり、単価が高いからではないですよね?それならば、単価を上げて従来どおりの利益を確保するこということも決して不可能というわけではないはずです。

終わりに

客数が減っても販売単価が上がれば、利益は増やせます。もちろん販売単価を上げるのは決して簡単なことではないですが、とてつもなく難しいことでもありません。ぜひ、従業員とも話合い、販売単価を上げるための知恵を出し合ってみてください。

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