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売上が増えても資金は増えない

営業が得意な社長であるほど、会社の売上を伸ばすために頑張ります。売上が増え、資金も増えているのであれば何も問題はありません。ところが、売上が増えたのに、資金が増えない、いつになっても借入の返済が辛いといった会社があります。これは何故でしょうか?

売上が増えた分無駄な経費を使っている

これは、言うまでもないことですが、売上が増えたからと言って、今まで以上に交際費を使ってみたり、必要のない資産を購入したりすれば、資金は決して増えません。

うちの会社ではそんなことはしていない、と思った経営者の方も一度考えてみてください。売上が増えたから税金も増える、税金で取られるくらいなら、経費を増やして使ってしまおう。こんな風に考え、実際経費を増やしていることはないですか?

無駄な経費かどうかの判断基準は、その経費以上に利益が増えるかどうかです。多くの場合、経費の効果を考えずにお金を払ってしまうため、無駄な経費が発生していることに気付かないことが多いのです。

売上が増えたら、必然的に増える経費があることを理解していない

無駄な経費は全く使っていなかったとしても、売上が増えることで自動的に増える経費もあります。会計用語では、変動費と呼ばれるものです。

営業が得意な社長にありがちなのが、注文だけどんどん取ってくるということです。注文が取れれば売上は確かに増えます。しかし、その売上をどのように捌くのかについて考えが及んでいないのです。

マンツーマンで英会話教室を経営している社長に実際にあった話です。新規受講生の獲得目標を月単位で設定しました。そして、社長自身が営業に取り組み、その目標は見事に達成したのです。当然ながら売上は増えたのですが、利益はまったく増えませんでした。

なぜかというと、受講生が増えたことにより、新たに講師を雇わなければならなくなったからです。英会話教室の性質上、誰かが講師をしなければなりません。社長自身も講師をするのですが、営業に忙しいのでその時間はありません。となると、新規の受講生に教えるための講師が新たに必要になるのです。急いで探したので、単価の高い講師しか見つけることができませんでした。その結果、せっかく売上が増えたのに、新任講師に払う給与でそのほとんどが消えてしまい、手元には利益が残らなかったのです。

結局、社長が忙しかっただけで、何も成果が上がらないという残念な結果になってしまいました。

終わりに

売上が増えたら資金も増えているか?これはすべての会社で常に確認しなければならない事項です。特に、財務基盤が弱い中小企業では、資金が増えないと、いつまで経っても自転車操業のような状態を抜け出せません。売上は増えているのに経営は辛い、そう感じているのなら資金が増えているか確認してみてください。

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