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とあるOLのうつ病体験記#4〜ありがとう、うつ病〜

2月は丸々じっくり体調と崩れたメンタルを戻すために使った。何もやる気が起きないし、連絡をとるのも辛くなっていた。以前のような状態に戻ってしまった。
それも悲しくて、どんどんやる気が失われていた。

3月、体調が良くなったので、主治医にリワークに通うことを勧められた。はじめは疑心暗鬼で、リワークに通ったところで良くなるわけがないと思っていたが、行き始めると意外にもこれがなかなか面白い。
リワーク詳細については別記事にて体験記を記載しているので、詳細はそちらに。

体験記はこちらから。

リワークに通ってからの変化

リワークに通い出す前は、自分の凝り固まった常識や当たり前に支配されていたように思う。
早く復帰しなきゃとか、周りからどう見られているんだろうとか、仕事ができなきゃダメだとか。

今はそんなふうには全く思っていない。リワークに通って、そんな常識や自分の気持ちが通用しなかったからだ。
リワークには本当にいろいろな事情を抱えた人たちがたくさんいる。私のように仕事のしすぎで体調を崩した方もいれば、人間関係に悩んで休職、離職した方もいる。そもそも仕事が原因で休職をしたのではない方もたくさんいる。
改めて、自分の常識は常識ではないこと、当たり前と思っていたことは当たり前ではないことを体感した。

仕事への向き合い方の変化

一番大きな変化は、仕事に対する考え方や向き合い方だと思う。

以前の私であれば、仕事は顧客との約束、どんな状況でも必ずやり抜くべきもの、そこに感情は一切いらない、とまで思っていた。
それに、私は同期よりはそこそこ仕事ができた。後輩や部下のような人たちもつけてもらい、育成の役割も担っていた。それもあって、仕事には人一倍できるというちっぽけなプライドを持っていたのだ。

今となっては、そんなものがどうだというのだ。
自分自身の方がよっぽど大事だし、何より、仕事において大切なことは、他者と比べて仕事ができることなんかじゃないことに気づいた。

仕事で大切なことってなんだろう。

休職してからリワーク期間中、ずっと考えていた。

俗に言うように、楽しければそれでいいのだろうか。
カッコつけたように、顧客のために働くことが自分の中で正解なのだろうか。
夢も希望もないように、仕事は顧客との約束(金銭のやり取りが発生している)だから、そこに感情も思考もいらないのだろうか。

楽しめればそれでいいというのは、もはやビジネスとしては成り立たないと個人的に思う。ビジネスとして成り立たないということは、ビジネスマンも必要ないということだ。
ビジネスは、そこに問題や願望があるから顧客が生まれ、顧客がいるから我々ビジネスマンがいる。
顧客がいるから、私たちサービスを提供する側の存在意義がある。
YouTuberだって、動画が見たいという人がいるからビジネスになる。彼らもただ楽しいことだけやっているわけではないのだと思う。

顧客のために限界まで働いて、私は体を壊した。
正直なところ、顧客のために働いたところで顧客には責任はないので、私に何かしてくれるわけではない。
(とはいえ、大きすぎるほどの信頼を返してくれることは事実だ。)

体を壊すほど働きすぎた私には、仕事は仕事だと感情を捨てることは無理だ。
仕事はほとんど人生だ。感情を捨てて人生の歩みを進められるほど私は強くない。

人生で大切なもの。

じゃあ、仕事ってなんなんだろう。仕事で大切なことってなんだろう。
人生で大切にしたいことってなんなんだろう。

今の自分の答えは、「周囲の人との繋がり」だ。

うつ病になってから特に、私は本当にたくさんの人に助けられた。
高校の部活仲間、大学院の同期、会社の同期、先輩、後輩・・・。

こんなにたくさんの人がなぜ私なんかを気にかけてくれるんだろうと思うことばかりだった。
でも、それこそが私が今までの人生で得たもの、答えだった。

働いているとき、私はこのことから目を背けてしまっていた。
わかっていたはずなのに、周囲からの見え方や自分のエゴを優先してしまった。
その結果がうつ病だった。

きっと、この問いの答えは何度だって変わる。
いつかは「成功」かもしれない。「見栄」かもしれない。
でも、それはそれでいいんだろう。これからは、今の自分が大切にしたいものに目を瞑らずに、精一杯大切にしようと思う。

ネガティブなことを認めることは怖い。でも、私は今ならこう言える。
ありがとう、うつ病。

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