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【昭和歌謡名曲集63】風の谷のナウシカ 安田成美

私たちがジブリを意識したのは「ナウシカ」からだった。そりゃ、前に「ハイジ」とか「ホルス」とかあったが、宮崎駿認識はなかった。この前に「カリオストロ」とかあったが、一般には駿認識というよりルパン認識だった。「ナウシカ」が全部変えた。あの絵柄だって、どっちか言うとダサい認識でさえあった。でも「ナウシカ」が全部変えた。この売らんかな、のテーマソングのお陰もある。
試写で、映画が全部終わった後、この曲が流れて駿は激怒したそうである。違う!と。これは俺の世界観じゃない!と。こんなもん流すな!と。しかし、テレビで安田成美が歌いまくったことが、映画のヒットに繋がったことは否めない。当たる映画を狙って作った「魔女の宅急便」で「ルージュの伝言」を使ったのは、駿もあの反応を少し反省したのかもしれない。だって、歌詞の内容と映画の内容はリンクしてないもの。
間違いなく歌は下手である。それはいい。ナウシカはこんな弱々したキャラではない。それもいい。この歌はナウシカが歌っているのではなく、ナウシカに憧れる女の子が歌っている体に聞こえるからだ。
映画本編の音楽は久石譲。あのランランの歌も久石譲。ただ、この宣伝用の歌は、作詞松本隆、作曲細野晴臣。本編の音楽は、もう文句なしに素晴らしい。だが、安田成美のこの歌も素晴らしい。ここでも顔を出す、なんか気がつくとどこにでもいる細野晴臣の曲もまた素晴らしい。


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