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【昭和歌謡名曲集49】北北東の風 NSP

NSPと言えば「夕暮れ時はさびしそう」や「あせ」が有名である。叙情派フォークのグループであるが、元はロックをやってたらしい。人は見かけによらないものである。
私は個人的に「北北東の風」が好きである。

僕は、北で生まれる。
君は、南で生まれる。
なのに、
僕は、寒さに震え、
君は、汗をかく。
僕は、神社で賽銭を拾い、
君は、山車の縄を引っ張る。
そして、全然、生い立ち環境の違う二人が巡り合う。

なんちゅうか、これから東京に打って出よういう私には、心躍る歌詞であった。

男子校であったので、東京に行けば、月9のような恋愛ができると信じていた。

が、大学に入学して知った。東京もんは、着てるものが違う。こ、これはおいつけん。
いや、私の恋愛対象は東京もんじゃない。田舎から出てきた可愛い芋姉ちゃんである。いっぺん東京もんの女の子に声かけて、バイキン見るような目をされた。一生忘れんぞ。だから、地方出のかわい子ちゃんに狙いを定めたのだが、ひと月もしないうちに、芋姉ちゃんがどんどん綺麗になっていく。おいつけん。服を買うにも金がない。バイトしてもたかが知れてる。なぜあのように次から次へと新しい服が買えるのか。服屋と知り合いか。賞味期限切れの服を廃業前に頂いているのか。
いい金蔓でもあるのか。よほど実入のいいバイトをやっているのか。仕送りが俺の2倍はあるのか。
恥を忍んで、同じ地方出身のひと月でイカしたヤングに変身した男に訊いてみた。
「お前、よく金、続くな?」
「なんで?」
「いや、服、バンバン買うとるし」
「まあな」
「だから、よう金、あるな?」
よくよく聞いてみれば、ナウなヤングは本を買わない、映画も見ない。食事は基本学食か自炊(これは私も同じ)。演劇も見ないし、その他いろいろ我慢して服を買うている、という。
そうか。そういうことか。・・・ワシには無理なことだった。


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