見出し画像

最愛の春日先生

今朝の5時に母からメールがはいった
「昨日いうと心配すると思ったから言わなかったけど」とあるから、何事かとおもえば近所の犬がマムシに噛まれたらしく救急搬送をしたそうで。

68歳になる母は目が悪く去年白内障→レーシック。
夜は運転するなとこっぴどく娘に言われるからよほどのことがない限りは運転はしない。もちろん飲むし🍺

21時にトイレに行った近所のわんちゃんはマムシに噛まれて悶えている。真っ暗な田舎の道を40分。それは察するに彼女には地獄の痛みだっただろう。搬送しない手はない。いくら目が見えなくても。

病院に電話すると「いま往診に出ていて先生おりません、伝えますが」とのこと。21時半ですよ、先生何時まで往診してるんだか。
先生からの折り返しをいただき「早く戻るようにしますので連れて来てください!」
その時すでに22時。診療時間18時まで。

この動物病院の先生には頭が下がる。
我が家の愛犬たちも3人お世話になった。まずはヘルニアになったダックスのらん。他の病院に行ったら他県の病院を紹介され、紹介料と診察で¥28000も払い、さらに手術を受けるかどうか明日までにお返事ください、手術費は60万です。と言い捨てられ。父はすぐさまお金をおろしに行き、母は悩む。母が愛犬仲間に相談したところ、あそこの病院がいいよ、と紹介してもらいすぐに電話。
それも夜遅かったそうだけど、症状を話すとすぐに診てくれた。それが春日先生。

「まだ軽度なので少し入院しましょうか」と。
注射一本、一泊入院で元気になったらん。それから何度となく通うことになる。春日先生のところに行くのは犬も嫌がらないんだ、不思議なもので。動物はかしこい。

歯石除去、抜歯、夜中の不調、2階から落ちた!など。
夜中にいたってはこちらも留守電前提で電話をする。
ならするなよ、と思うけど明日まで待てない。先生なら、という一筋の希望でもって電話する。

きっと158センチ40キロくらいの小柄な春日先生は
5分と待たずに折り返しをくれる。夜中ですよ?先生、こちらが心配になる。
我が家がわりと遠いことを知っていて「連れてこれますか」と優しく聞いてくれる。

ありがとうございます、と伺うと羽織もの一枚で出て来てくれた先生は「いつでも電話して来て!」と言いやさしく治療をしてくれる。痛み止め一本の時もある。大したことない日もある。愛犬らんが落ち着くと飼い主も落ち着き、お支払いをしようとすると、治療費はまたね、私ねお薬の値段もレジの使い方もわからないの。はやくゆっくりさせてあげて、って。そんなことある?と毎回おもう。

父が元気な時はいつも父(運転)と母(抱っこ)で連れて行っていた病院に、父が行かなくなる。
夜中に倒れて動かなくなったらんを私が連れて行く。
私(運転)母(抱っこ)「いつでも電話して来て!」に甘んじてその日も血を吐いたらんをバスタオルで包み大急ぎで運転する。安全運転を今までにないくらい心がけてスピード違反。

我が家で16年を過ごしたらんは年老いて。それでも元気だったのに急激な弱り方に先生も驚いていた。
父が春日先生のところに行かなくなり、先生もなにかを察したのか「ご家族に何かありましたか?」と。
「実は先日、主人が亡くなりまして」と母。
まだ49日の法要前のことだった。そしたら春日先生、目にいっぱいの涙をためて「つらかったね、らんちゃん」

ご家族の変化はいちばんにわかるはずです。旦那さま大好きだったもんね、らんちゃん。
わたし、母、先生、人間三人はおいおいと泣く。
いつも待合室のイスに座れた試しのないくらい混んでる病院だけど、夜中だから。静まり返った院内で泣く。

CTもエコーも異常なし、夜中でも気の済むまで診てくれる先生の診断はらんの体調ではなく気持ちの異変だった。
寝る間も惜しんでこんなに家族に寄り添ってくれる春日先生。少しの栄養剤を出して帰してもらうと、先生に会えたからか、夜中の山道をよくも走らせたな〜とわたしに追われるくらい翌日には元気を取り戻した。

動物もすごいし、先生もすごい。こんな先生が近くにいてよかった。昨日のマムシの一件から私と母のメールのやり取りは8年前に遡り、本当にいい先生に出会えてよかった、とそれは動物を愛する人だけにわかる温かみ。

少しまた犬を飼う気になってくれたかな、と思いきや命がけで飼わなきゃいけないし、命がけで守れる自信がない、それに私まだイタリア行きたいし!となる。
動物を飼うということは制限が多い。旅行にいくにはストレス満載(ではなくとも少なくとも家ではない)ホテルに預けることすら嫌だという母が根っからの動物好きだと確信して、今年も判決は「飼わない」に降りる。

うれしいやらかなしいやら。

我が家のどの子もお父さんの隣が特等席🐕🐕🐕‍🦺

そして昨夜、春日先生のおかげで一命を取り留めた、近所のてっちゃんの写真が届いて一安心。

この記事が参加している募集

忘れられない先生

ペットとの暮らし

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?