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【つながる旅行記#195】安居神社で真田幸村(信繁)に会い、夏の陣を想う

前回は動物園らしく、動物たちにしっかり癒やされた。

今回は近くにある安居神社へと向かう。

このあたりは大坂夏の陣で舞台になった土地なのだ。

そして今から向かう安居神社は、真田幸村(信繁)終焉の地と言われている。

徳川家康への特攻をかけたりと大活躍な真田幸村だったが、この安居神社付近で休息しているときに討ち取られたとかなんとか。(諸説ある)

(なんかすっごい細い参道だな……)


この入り口でほんとに合ってる!?


真田日本一之兵

ちゃんと合っていたらしい。

……なんだか安居神社は喧騒から隔絶された静けさを感じる。

参拝客もいっぱいな模様

おお、あれはまさか……!!


真田幸村

なかなかに渋い幸村像がそこにはあった。

大坂夏の陣での幸村は50歳くらいだったらしいので、この像のように渋い風格を漂わせていたのかもしれない。

そして台座には、5円玉でつくられた真田の象徴、六文銭が……!



大坂夏の陣は、戦国時代の終焉を告げる大戦だった。

冬の陣のあとに大阪城の堀を埋めたことで、もう城外へ打って出るしかなかった夏の陣。

自然と大坂城周辺の市街地が戦場になったのだ。


しかし実は武士たちだけではなく、大坂に暮らす人々にとってもこの戦いは壮絶な展開が待っていた。

大坂夏の陣では、住民に対する大規模な虐殺や略奪が起きていたのだ。

乱妨取り(乱取り)」と言われるこの戦国時代の略奪行為だが、戦国ラストを飾る戦だということもあってか、大坂夏の陣では盛大にやったらしい。


大坂夏の陣図屏風
には右隻と左隻があるが、勇ましい戦場を描いた右隻とは打って変わって、左隻には襲撃される悲惨な民衆の状況が克明に描写されている。

男、女のへだてなく
老ひたるも、みどりごも
目の当たりにて刺し殺し
あるいは親を失ひ子を捕られ
夫婦の中も離ればなれに
なりゆくことの哀れさ
その数を知らず

見しかよの物かたり

大坂夏の陣は「これで天下泰平だ!」なんてスッキリ終わるものではまったくなく、戦国時代特有の血なまぐささ全開の行為がしっかり行われていたのだ。

そしてなんと、大阪城が落城したあとには、そこにいた真田幸村の娘が仙台藩家老である片倉重長の兵に乱妨取りされている


おいおい……


どうなの家康!?


……いやまあ家康も関ヶ原の戦い辺りから乱妨取りに対してあれこれ対処していたという話も一応あるわけだが、夏の陣では明らかにやらかしている


そして大坂夏の陣が終わった後、幕府は「大坂の”外”で乱妨取りしたのは非合法!」という落人改令というものを出している。

要するに「大坂の”中”では乱妨取りは合法」だったということだ。

その後、蜂須賀家は幕府に「大坂で177人さらってます」という乱妨取りの成果を報告しており、これが全軍規模で行われていると考えたら一般人の被害者数はとんでもないことになりそうだ。

翻訳アプリ『みを』で上記資料を見ると、6才と8才の少女をさらってきたことが平然と書かれている。

そしてこの蜂須賀家の文書は、「控え」と「幕府に提出した文書」とで人数が18人減っており、外でさらってきた人を隠蔽してる感がすごい。


うーん、あまりにも今と常識が違いすぎる。

やはり戦国時代には絶対にタイムスリップしたくないな……。

大坂夏の陣と「乱取り」 -真田信繁娘阿梅の行方-
丸島 和洋(国文学研究資料館特定研究員)
https://kokubunken.repo.nii.ac.jp/record/2114/files/SN2044.pdf


そんなわけで、前回動物に癒やされたと思ったら、また血なまぐさい話になるのだった。

まあでも、戦国時代だから仕方ないのだ。

ゲームや漫画ではあまり語られないエグい歴史は、きっとまだまだ山盛りなのだろう。


そんな今では想像がつかないことが過去に行われていたことを学ぶのも、多分大事なことである。


そんなわけで、このあとは四天王寺に寄ったり、


四天王寺学園とかいう漫画に出てきそうな学校を通り過ぎたり、

(偏差値がめっちゃ高いらしい)


金堂が工事中だったり……


「長野で有名な野沢菜は、天王寺蕪の種を長野に持ち帰ったものが野沢菜として定着したんだよ」という、できたてホヤホヤな石碑を見たりした。

(なお、遺伝的にこの説は否定されている)


幸村

というわけで、2日間の大阪巡りが終わった。

関西弁が当たり前の世界は非常に興味深く、街の活気も5割増しな感じでとても良かった。(人混みは耐性のない自分にはきついが)


人生で一度は見たいと思っていた大阪城にも行けたし、博物館に動物園にと大満足な旅行となった。

まだまだ見どころはありそうなので、また大阪には来たいなと素直に思える。

エネルギーが足りなくなったときとかにまた来よう。


……そんなわけで、舞台は次の場所へと移る。

瀬戸大橋を渡り、次回へ続く……!



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