『落ちた雛を触ると云々…』を広めた発端は誰なのか
今日も今日とてTwitterでアオサギ画像をいいねする。
そんなとき、あるツイートが流れてきた。
『人の匂いがつくと親鳥が育雛放棄する、っていうのは迷信です!!』
・・・
……そうなの!?
ふいに、子供の頃の記憶が蘇ってきた。
ある日、家の裏でスズメがやけに騒いでいるので行ってみると、地面に雛が落ちていたのだ。
親鳥はひたすら鳴いているだけで、それを放置しているように見えた。
幼い自分はそれを助けたいと思った。
だが、「人の匂いがつくと親が見捨てる」という知識があったので、
雛をそのまま放置したのだ。
ずっと鳴きつづける親鳥。
もしかして親鳥の力では巣に戻せないのでは……?
いやでも人が触っちゃダメらしいし……。
ごめんよ……!!
その後どうなったのかはわからない。
……あのときの出来事が、心にしこりのように、ずっと残り続けている。
(いや数十年ぶりに思い出したけど)
しかしなんというか、「昔言われてたアレ、実は違うんですよ!」という事象が本当に多すぎる気がする。
もうどれだけ過去に覚えたことが否定されてきただろうか。
そんなものに使用されていた時間と脳の容量が本気でもったいないと思う。
そう考えると、これからの子供たちはAI教師でかなり正確な情報だけを学んでいける可能性が高いんだろうし、うらやましい限りだ。
そうだ、ChatGPTはどう答えるんだろう?
「落ちた雛を人間が触ると親鳥が戻ってこなくなるって本当?」
おお! なんだかいい感じに答えている!!
自分は課金勢ではないのでChatGPTはまだGPT-3.5だと思うが、ChatGPTでも正確に答えられるくらい、この件は常識なのかもしれない。
まあ「完全に間違っています」と最初に述べたのに、最後の段落では「強い匂いをつけると親鳥が戻ってこなくなる可能性があります」とか言ってるのはちょっとあれだけど……。
実際に鳥類系の団体のサイトを見に行ってみると、しっかりと「あれは迷信」と否定しているところばかりだった。
しかし自分は何十年もの間、その訂正情報を見る機会がないまま生きてきてしまったわけだ。
はぁ、ホントこういうの勘弁してほしい。
そして思う。
この迷信を広めた発端は誰だよと。
Google検索は時期を指定しての検索が可能だ。
「古い順に表示」ができれば一発なのだが、そういう機能は残念ながら無いらしい。
仕方ないので年単位で地道に探していく。(めんどくさ……)
そしてついに、あるスレッドが見つかった。
どうやらスレ主はかつての自分のように落ちた雛を発見したらしい。
そしてマキロンをつけようとしている。
(いやそれはどうだ……?)
そして……!!?
お前のせいかーーーッ!!!! (違う)
時を越えて迷信をバラ撒く人間を見つけることに成功した。
これが発端ではないにしても、2001年にはこのたぐいの迷信がはびこっていたのだ。
まったく、平気で嘘情報をバラ撒くとは……!!
……だがしかし!?
ひなさん!?
なんということだろう。
2001年にはすでに、令和5年の自分がようやく知った事実を把握している人がいたのである。
しかもソースまで提示して反論している。
強すぎるぜひなさん……!!
……さらに!?
名無虫さん!?
鳥の特性を鑑みることで、嘘情報を喝破した!?
・・・
なんだろう、
当時の掲示板ってすごい人が集まっていたんだなって……。
というわけで、結局この迷信の発端はわからなかったわけだが、22年前の華麗な論破を見学することができた。
しかし「掲示板」とかいう響きがもうなんだか懐かしいな。
ひなさんと名無虫さん、今はどうしているんだろう。
動物に関わる仕事とかしてるのだろうか?
なんだか22年前の書き込みから学ばせていただいた気がする。
自分もこんなふうにソースを提示して反論できる人になりたいものだ。
(しかし発端は一体誰が……?)
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