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「イケボ」で気づかされた言語の使い分け

ベトナムで生まれて育ち、家族もみんなベトナム人なので家にいるときは基本母国語のベトナム語を話します。でも外にいるときや友達と話すときはもちろん日本語で話します。7歳までベトナムにいて、その後日本の小学校で勉強を始めたので今は日本語の方が得意で、母国語は日常会話程度なら喋れるって感じですね。

二か国語わかるといろんな場面で通訳を頼まれることがあったり、友達と日本語で話してる時に家族から電話が来て母国語で話すと「かっこいい!!」って言ってもらうことが多くて嬉しいです。
その時にいつも「どうやって日本語とベトナム語使い分けてるの?」って聞かれます。今まで自分もどうやって使い分けているのかよくわからなかったので考えたことなかったですね・・。

「お兄ちゃんイケボだね」と言われた

イケボ(=イケメンボイス)って日本では普通に使われますよね。
わたしも使いますし、ゲームメタルギアのスネーク役を演じてる大塚朋夫はめちゃくちゃイケボだと思います。
ある日友達にホームビデオを見せていたらそこに流れていたお兄ちゃんの声(もちろんベトナム語)を、友達が「何言ってるかわからないけどイケボだね」と言ったんですね。その時すごくびっくりしました。イケボって思ったことなかったので、それは兄妹だから気づかないものなのかと思ったんですが、そういえば今までベトナム歌手とかの声を聞いても褒めることがなかったなあ(歌のうまさは褒めますが)と思いました。

なのでこの日本語で話している時にイケボって思うのに、ベトナム語で話してると思わない(まずそういう概念がなかった)ことに気づいて、自分なりの言語の使い分けに気づけましたね。

脳内で共存する日本人とベトナム人

気づいたのが言語の使い分けをする時に、思考や価値観までも変わっているということ。
つまり日本語で話すときは日本人思考になっていて、ベトナム語を話すときはベトナム人思考になっているということ。まるで脳内で日本人とベトナム人がいる感じ。
外にいるときは基本的に日本語の情報ばかりなので日本人が思考を操っています。でも家にいるときはちょっと複雑で、家族と話すときはベトナム語なのでもちろんベトナム人思考ですが、その間にテレビとか見てると日本人の思考が混ざって時々言われたことが理解できない時があります笑


そういえばベトナムに帰省した時にいつも困ってることがあるんですが、
ベトナムでは屋台とかお店で食べて出たゴミはそのまま地面に落とせ(場所によります)って言われるんですね。
日本ではありえないですよね?マナーが悪いって言われますね。
ですがベトナムでは後で掃除しやすいように地面に捨ててくれって言われるのです。このとき自分の中でも捨てるのが正解ってわかっていても、日本人思考が邪魔して「それはマナーが悪いぞ!」っていう気持ちが出てきます。
それに対して「ここはベトナムだよ!!!」っていうベトナム人思考の気持ちも出てきて、捨てるのを躊躇していたら家族に笑われたことがあります(笑)

なので私の中の言語の使い分けは、日本人とベトナム人のリレーでバトンをどんどん回している感じです。同時通訳してるときとかは二人三脚してますね。

みなさんどのように言語を使い分けていますか?

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