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推しに後輩が出来たのでお祝いしよう。『劇場版ウルトラマンジード』

 2017年に放送された『ウルトラマンジード』も、いよいよグランドフィナーレとなる劇場版が公開。シリーズ初の悪のウルトラマンであるベリアルの息子、という壮絶な背景を背負った若き戦士の葛藤を描き、最後はみんなに認められるヒーローになったジード。初の劇場版では、沖縄を舞台にあのギャラクトロンと対決。またしても悩めるジードの前に、さすらいの風来坊が登場!?というか、私完全にこのパイセン目当てで観に行きました最高ですありがとうございますもっとくださいオーブ2期はよ!ああっ、ジーッとしてもドーにもなんねぇな!?ワカンダもオーブもジードもフォーエヴァー!!!!!!!

宇宙の平和のため知的生命体の抹殺を狙う巨大人工知能ギルバリスが地球に接近。ウルトラマンジード=朝倉リクは、ギルバリスが「赤き鋼」なるアイテムを求めて地球を目指していることを知り、それが眠るという沖縄の地へ飛ぶ。そこで出会った女性アイルと共に伝承を追う最中、ロボット怪獣ギャラクトロンが沖縄に襲来。未曾有の危機に、ウルトラマンオーブ=クレナイ・ガイ、ウルトラマンゼロも駆けつける。

 すみませんでした。取り乱したことをお詫びいたします。

 ここ数年のウルトラマンは1~2クールのTVシリーズの後、劇場版が公開されることが定番となっています。その劇場版では、前番組のキャラクターとの共闘、あるいは歴代ウルトラマンの登場が目玉となっており、今作では2016年放送の『ウルトラマンオーブ』より主人公であるオーブ=クレナイ・ガイと、その宿敵であるジャグラス・ジャグラーが登場します。

 2体の歴代ウルトラマンの力を掛け合わせて変身するジードとオーブは相性抜群。父・ベリアルという強大な闇を受け入れ、克服したジード=リクですが、強敵の出現に焦りを見せたその時、先輩ヒーローであるオーブ=ガイが駆けつけます。一人で地球を守る、という強い信念を持つが故に敗北を受け入れられず動揺するリクを前に、「肩の力を抜け」と優しく諭すガイ。先輩ウルトラマンの、そして仲間たちの力を借りて真の姿を取り戻したガイが、今は先輩として後輩を導く役目を果たします。

 一方で、ウルトラマンに負けず劣らず黄色い声援を受けるはご存じジャグラス・ジャグラー。演者の怪演相まってエキセントリックなキャラクター像が頭から離れない強烈な悪役でしたが、人気が爆発しついにウルトラ3大戦士と肩を並べて敵に挑みます。今回ジャグラーは冒頭から登場し、『ジード』レギュラーメンバーと共に沖縄散策する序盤ではスクリーンを支配するほどの存在感。ガイとの腐れ縁もより一層強調され、それぞれの道を歩みながら時には手を取り闘う、二者の新たな関係性を披露した本作は『オーブ』ファンも必見の一作と言えるでしょう。

 ジード&オーブ夢の共演に加え、ウルトラマンゼロ、ウルティメイトフォースゼロ、ウルトラの父、母、ゾフィーらも登場する、劇場版らしいゴージャスな本作。そのメガホンを取ったのは、クロスオーバーを撮れば間違いなしの名作請負人、坂本浩一。スタント出身の経験を活かしたアクションセンスと高い作品理解度、そして自身の趣味が大きく反映されたお色気要素で、大きなお友達からキッズまで虜にする作品を多く手掛けた名監督。

 本作でも演者素面でのアクションシーンを中盤に取り入れたり、オーブとジードを次々にフォームチェンジさせ、短い出番ながらも全形態を活躍させるなどアクションシーンは大盤振る舞い。その他、BGMの使い方やちょっぴりマニアックな小ネタに至るまでつい言及したくなる点が多く、オタクの喜ばせ方を熟知したその手口に大きいお友達もついガッツポーズ。

 短い上映時間ながらサービス精神に満ちたアクションと、若き戦士ジードの悩みと奮起、そして「支え合う仲間の笑顔」がもたらす力を今一度示すことで『ジード』の総決算として申し分ないフィナーレを飾った本作。今後も続くであろうウルトラマンシリーズ、次回作の劇場版で、ジードも先輩になる時が来るのでしょうか。そんな未来に思いを馳せながら、完結まで走り抜けた『ウルトラマンジード』スタッフ&キャストの皆さまに、惜しみない拍手を送りたい。ありがとう、ウルトラマンジード。そしてオーブの続編もどうかよろしくお願いします円谷プロダクション様。

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