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恩師の退職

最終講義「地理学の境界を求めて」

去る3月26日に、東京学芸大学の加賀美雅弘先生の最終講義がオンライン開催された。

先生からの最後のメッセージ、グッとくるものがあった。

・伝統という境界を越える
 先導的リーダーシップ、先進的、他分野からの評価
・常識の境界を越える
 好きなことをやっていればいつかつながってくる


学芸地理77号

昨年の夏前、「退職記念号」への寄稿について、連絡をもらった。自分にこんな機会が巡ってくるとは思っていなかったので、素直に嬉しかった。

何を書こうか迷ったが、近年、関心高く取り組んできた「開発問題」と「システム思考」にかかる実践をまとめることにした。内容は不十分なところもあったが、拙稿も受理され、東京学芸大学リポジトリからダウンロードが可能となった。別刷りもすぐにはなくならない数注文したから、今年こそは直接渡して回りたいと思う。


自分の根底

恥ずかしくもあるが、拙稿の謝辞に書いたことを抜粋してみたい。自分の根底をつくった大学生活だった。

 「自分が面白いと思うことをやりなさい」
 これは、加賀美先生が、卒業論文や修士論文に取り組んでいる私にいつもかけてくれた言葉だ。学部や大学院の頃を振り返ってみると、先生が用意した研究テーマに沿って研究させられるとか、研究の手伝いをさせられるといったような、まさに先生の敷いたレールの上を歩かされるという経験をしたということが一切なかったと思う。当時から型にはめられることが大嫌いだった私にとって、これは何よりの救いだった。不出来な私も、教育現場に入って10年目を迎えた。当時、先生からかけてもらったあの言葉はきっと今に生きている。


「引き続き、一緒におもしろいことをやりましょう」

最後の授業は、先生らしいこの言葉とともに幕を閉じた。

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