鼻中隔湾曲症と肥厚性鼻炎治療体験記

なぜ体験記を投稿しようと思ったのか

わたし自身、鼻中隔湾曲症手術をしようと思った際に、いろいろな方の体験記を拝見いたしました。手術後楽になった!という話を聞いて意欲が湧いたり、手術後の辛い状況を見て自分にその覚悟があるのか自問自答したり…本当にお世話になりました。ただ、聞いてたのと全然違う!ということもあったので、こんな感じの人もいるよなんて書くことで、治療・手術を検討している方の判断材料のひとつになれば良いなと思い、投稿を決意しました。

ここからなが〜い文章が続きます。幼い頃の話など無駄話も多いので、後で治療についてのみ簡潔にまとめたものも投稿しようと思っております。また、この文章を書いている今、まだ術後1週間も経っていない状況ですので、完治までは記されておりません。気長にお待ちいただけますと幸いです。

常に悩まされていた呼吸

ラジオ体操

小さい頃の記憶があります。
夏休みの朝ラジオ体操へ行き、カードにスタンプを押してもらおうと係の人(だぶん同じ小学校の上級生だったと思います)のところへ行った時

「君、鼻息荒いね」

と言われ、すごくショックでした。

それ以降、スタンプを押してもらう時は常に息を止めていました。
それでもイメージは消えず

「鼻息荒男くん」

と呼ばれました。

父に蹴られる

鼻息荒男くんと呼ばれて以来、自分の呼吸について気をつけていたのですが、どうしても解決できない問題がありました。

それは「寝ている時のいびき」です。

起きているときは意識して「静かに」と思っていたのですが、寝ているときは無意識。呼吸も当然制御できません。

小学生の頃、家族で川の字で寝ていたのですが、いびきがうるさいと父親に蹴られた記憶があります。多分父親はもう覚えていないと思います。でも自分にとってはすごくショックな出来事で、今でも鮮明に覚えています。

中学時代の失敗

中学時代、同級生10名程で泊まりがけで研修旅行のようなものに参加したことがあります。私は旅疲れしてしまい、現地の人が色々と説明している時にふと座りながら寝てしまいました。普通の人だったら「あ、寝ちゃってた」で済む話なのですが、私にとっては大問題。「スースー」と大きな音を立てて寝ていたのです。
後から友達に言われ、正しく「穴があったら入りたい」状態でした。

余談ですが、「静かに寝る」ということができないと悟った私は、学校の授業で寝ることは一度もありませんでした。眠くなっても、
 寝る→音がでる→馬鹿にされる→いじめられる
と思って一度も寝ませんでした。それくらい「みんなの前で寝る=死」だったのです。

治療を決意

近所の耳鼻咽喉科に相談

以前、別の症状で近所の耳鼻咽喉科を受診した際、鼻中隔湾曲症もあるので気になって治療したければまた相談してくださいと言われていました。その言葉を信じ、数年の時を経て先生の元へ。先生はサラッと私の鼻を見た後
「今うちで手術はしていないので、紹介状書きますね。」
と一言。やるべきかは紹介先で改めて相談してくださいという感じでした。

紹介状を持って大病院へ

地元の耳鼻咽喉科からの紹介状を持って大病院へ。そこで改めて手術すべきか(するほど酷い状態なのか)相談しようと思っていたのですが、手術するのを前提に話が進んでいきました。多分紹介状にそう書いてあったんだと思います。レントゲンを撮り、正式に鼻中隔湾曲症及び肥厚性鼻炎と診断。鼻中隔湾曲症としか思っていなかったので肥厚性鼻炎は初耳。鼻中隔湾曲症で左鼻の気道が狭くなっているのに、右が詰まることが多いのが謎だったのですが、そういうことかと納得しました。手術前の検査を予約しこの日は終了。そもそも手術をやるべきか相談できなかった…けどもうやるしかない。

手術前の検査・説明

手術前の検査、手術・入院・麻酔等の説明を受けました。初入院、初手術、初全身麻酔。全てが初めて。不安なこともありましたが、初めてがこの程度の手術でよかったなと思いました。大きな病を罹って初手術だったら、こんな平常心で説明なんて聞いてられないだろうなと。

入院〜手術〜退院

入院1日目・手術前日

午後から入院。多少の不安はあるけれど余裕。夕飯にエビチリが出て嬉しかったです。

入院2日目・手術当日

午後から手術。1日絶食です。水分もお昼前に中断。

午後14時。いよいよ手術開始です。
全身麻酔…心臓の鼓動が早くなるのを感じました。
次の瞬間、もう術後。手術開始から5時間ほど経過していました。
「宗岡さーーーん!!!」と呼ばれるのが聞こえて目を覚ましました。起きてすぐは
 ①息が苦しい(鼻に目一杯詰め物を入れられている感覚)
 ②体が熱い(めちゃくちゃ汗をかいている)
 ③吐き気がする
こんな感じでした。一瞬手術の立ち会いをしてくれた母が見えた気がしました。

病室に戻ってからが地獄。体の熱さは徐々に消え、吐き気は薬を飲んだらすぐ治りましたが、とにかく息が苦しい。いくら普段から鼻が通りづらいといっても、全く通らないということはあまりなかったのでとにかく辛い。口で呼吸できるだろうと思われるかもしれませんが、それでも鼻から一切の空気を吸えない・吐けないという感覚は相当苦しいものです。

ただ、苦しくて全く眠れないということもなく。体力の消耗もあってか数時間寝る→苦しくて起きるを何度か繰り返しました。

入院3日目・手術翌日

息苦しさとの戦い。鼻の通りは依然ゼロ。後から間違いだとわかったのですが、鼻が通らないのは脱脂綿が目一杯詰まっているからだと思っており、早く先生にとって欲しいと願っていました。実際は詰め物+術後の腫れで詰まっているので、詰め物を取ったところで解決しない問題なのです。

この日は朝から食事が出たのですがほぼ食べられず。苦しいというのもあるのですが、鼻詰まりでモノを飲み込むと、毎回「耳抜き」をしている状態になり、鼓膜に大きな負担をかけているのがわかります。それがすごく辛くて、水分も気軽に取れず、食事もほぼできませんでした。

今日から鼻洗浄開始。毎朝晩行います。塩水を注射器で吸い、鼻の穴に入れて流しながら洗浄するというもの。これをするとたまに脱脂綿の一部が流れ出て、治療の段階がひとつ進んだ気がして嬉しかったです。ただ、脱脂綿が少し取れたからといって腫れが引いているわけではないので、鼻の通りはゼロのままです。

鼻が通らないせいなのか頭痛を発症。薬を飲んだらすぐ治りました。

入院4日目(退院)・手術2日後

鼻詰まりきついけどたまに左だけ1%くらい通る。その隙に水分補給をし食事を済ませます。耳抜き恐怖症になっているので、たった1%でも通ると非常に助かります。入院中最後の食事(朝)は全部食べられました。

手続後退院。費用は入院4日で14万円ほどでした。

退院後自宅での初食事(昼)は鼻通りが良くなくプロテインのみ。

この辺りから、どうすれば鼻が通るか・詰まるかを考えるようになりました。横になっている時より、立っている方が鼻が通ることが多いと感じたので術後の体力回復も兼ねて夕方は散歩へ。散歩の後鼻が少し通っていたので食事を…と思ったのですが、その前にお風呂入っちゃおうなんて思ったのが最後。風呂上がりは鼻水が出て詰まることが多いようです。風呂上がりに食事を用意されていたのですが食べられず。片付けて夜風に当たってぼーっとしていたら鼻が通りだしたので「今だ!」と思って食事へ。ほんとに鼻の通りに翻弄される人生。

手術3日後

朝起きると、右の鼻が…通ってる!20%くらい。20%って少なっ!と思われる方もいるかもしれませんが、0〜1%で数日耐えた人にとっては天国です。また、鼻中隔湾曲症や肥厚性鼻炎の方って通常でも鼻がスッキリ通っていることなんて稀で、多少通り辛いのに慣れていると思うので全然許容範囲でした。感覚で言うと鼻風邪ひいた翌日といった感じ。スッキリではないけど生きていけるみたいな感覚です。左の鼻通りは2%くらい。この辺りから耳抜きの恐怖に怯えることはほぼなくなりました。たまに鼻詰まりを起こして0%になることもありましたが、1日を通して見ると多少なりとも通っていることの方が多かったのでだいぶ生きやすくなりました。割合でいうと昨日までは【詰:通=9:1】だったのが今日は【詰:通=2:8】といった感じです。わかり辛い表現すみません。空気の通る量が増えた+通っている時間が増えたということで、この辺りから希望が出てきた感じです。正直昨日までは苦しい時間が多かったので、実は手術失敗してるのでは?と言った疑いや、このまま治らなかったどうしようといった恐怖がありました。ただ、今日の経過をみて、確実によくなってきているし、この状態が数日続いても耐えられそうといった感覚があり、元気も出てきました。

手術4日後

準備中です。

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