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12月読書まとめ

文庫、実用書、洋書と色々読めた12月。
全14冊の中から個人的におすすめの3冊:

1. 炎の塔
2. How Starbucks Saved My Life
3. 容疑者Xの献身

2020年12月の読書メーター
読んだ本の数:14冊
読んだページ数:4979ページ
ナイス数:261ナイス


■食べる投資 ~ハーバードが教える世界最高の食事術~
ビジネスパーソンへ向けた食事の種類と仕方を書いた本。栄養の知識がなくとも読みやすいように書かれている印象。
作りやすい簡単レシピが役立つ。欧米では認可されない添加物が日本では流通していること、甘い飲料に対する課税があることを新情報として知ることができた。
一般的な健康情報なので、体質によってはより深く内容の精査が必要なのかなとも感じるところ。
読了日:12月30日 著者:満尾 正

■小麦は食べるな!
糖尿病から脳の病気、皮膚病まで小麦が原因であり、著者の多くの患者が小麦断ちによって健康を取り戻した。まだ立証されきれていないと本文中にもあるようだが、わたしは自身の体験からしても納得の内容だった。小麦を食べないことに慣れた後、一人前のパスタやラーメンを食べようものならお腹を下し肌荒れも起きるようになったので。小麦なしに慣れると食欲増進せず少量の食事で満足できるのも実感済み。
具体的なOK食材とNG食材が記載されているのがとても参考になる。いまこの年齢で知れてよかったと思う内容。
読了日:12月29日 著者:ウイリアム・デイビス

■愉楽にて (新潮文庫)
お金持ちで元気な中年男性のあれやこれやの日常の話。うーん、こんな世界があるもんだと思いながらも共感することができなかったのは、リアルなのに世界観が違いすぎることと男性視点で描かれているからか。華やかな世界をちらっと覗いてすぐ引き返したような気分。
とくに主人公二人の久坂と田口。あれっていい男性?久坂にいたってはただのゲスいおじさんにしか見えなかった…すべての発言や行動が自分軸の計算され尽くした上であることに嫌気がさしてしまって。お金があるしそれもありなんだよね笑 
読了日:12月28日 著者:林 真理子

■貴様いつまで女子でいるつもりだ問題 (幻冬舎文庫)
最近すっかりジェーン・スーさんのファンなので。2014年執筆のようですが、この2020年で35歳のわたしにもぴったりとハマってくれた内容。この年で読めて良かったな。
"女子というタトゥーを背負ってる"と、まさに!もうTPOをわきまえて見せるべきもの。ご両親とのお話は、自分に置き換え想像し少しホロリと来たり。女性には色々な選択肢があるからこそ、楽しめることもある。素敵な人生の女先輩の指南を受けて、女性でいること、30代を生きることがより良いものに思えたかも。三浦しをんさんの解説も秀逸!
読了日:12月26日 著者:ジェーン・スー

■あらゆる不調をなくす毒消し食
グルテンフリーを数ヶ月前から実践している中、食べ物が体に与える影響に知りたくて読んでみた。内容は栄養素の名称やそれらの体内での働きずらりと並ぶので、すべて理解することは到底無理でした....。タンパク質、ビタミンB、ヘム鉄がとにかく大事、口腔菌が体全体に広がる恐れがある(定期検診と正しい歯磨きが必須)ということを知れただけでも良かったかな。食事から得られる効果や改善の内容を想像していたので、サプリ摂取が前提になっている点は少し期待とは異なった。
読了日:12月25日 著者:小垣佑一郎

■容疑者Xの献身 (文春文庫)
名作。切なさ、やりきれなさ、そして人の愛と恐ろしさ。
石神の選択が正しいかどうか。法的に言ったら間違いなく犯罪で許されないんだけど、経緯と彼の靖子への深すぎる愛を知ると苦しくなる。
この事件の加害者と被害者とは一体何なのか。彼らは罪を犯してはいる、でも元は富樫に他ならないんだと思うと複雑なもの。
最後の手紙の内容、拘留中も紙と鉛筆だけで満たされる純粋さ、私も咆哮したい気分だった。
読了日:12月24日 著者:東野 圭吾

■バイバイ、ブラックバード (双葉文庫)
終始思わず微笑んでしまうような物語だけど、最後の最後、繭美が通行人から取り上げた辞書がまさかのドイツ語、という場面には思わず声を出して笑ってしまった。
この「辞書」が、ただでさえインパクトが強い繭美にさらなるスパイスを効かせていた。自分の辞書にその言葉はない(自分にその概念はない)と言い切る彼女が、とても清々しい。優しい星野とのバランスが絶妙だった。5人の女性との思い出が語られるうちにちょっと切なく、星野が可哀想…となるけど、がしかし、星野の五股はそもそも良くはないんだっけ...と思い直したり。
読了日:12月22日 著者:伊坂 幸太郎

■How Starbucks Saved My Life: A Son of Privilege Learns to Live Like Everyone Else
The story of a man who had it all, then lost it all - and was finally redeemed by his job at Starbucks. At end of Chap.7 afterwards, it's touching that Michael finally found out what a full of happiness is for him. Just loved the partners at the store!
読了日:12月18日 著者:Michael Gates Gill

■火星に住むつもりかい? (光文社文庫)
面白い、が、恐怖を感じることもあり好みのジャンルかというと難しいかも。
正義とは何か、現実社会でも曖昧で時に悪と紙一重だったりするものを、平和警察が統制する社会の物語では問われる。拷問シーンが結構過激で思わず目を背けたくはなったけど、伊坂さん作品らしくキャラクターがそれぞれ立っていて会話は軽快。真壁の存在感は最後まで抜群で、鬱憤とした社会や平和警察の雰囲気を唯一和らげてくれた。その他は久慈ですら、うーん…。結果良しなのかまさにグレー。
読了日:12月16日 著者:伊坂 幸太郎

■炎の塔 (祥伝社文庫)
あぁ面白かった!スリル満点、ドキドキさせられっぱなし一気読みの523ページ。
大手企業と東京都が絡んでオープンした銀座のファルコンタワー。100階とまで言わずとも現実的な設定に即没入。巨大商業施設での火災にどう対応できるか、想定される東京大震災を思うと他人事ではない。
まさかと思う伏線があったり、中盤の息子2人が母を助けるシーン、後半の爆破命令での夏美と雅代さんのやりとりには思わず涙。社長は生き残って鉄槌を…と思ってしまったが。
救出後の人間模様が気になると思っていたら3部作とのこと、続きの2作も楽しみ。
読了日:12月12日 著者:五十嵐貴久

■旅屋おかえり (集英社文庫)
“読んでよかったと思える旅物語”と帯にあったが、まさにその通り。シンプルにとても良かった。
誰かが行きたい旅の代行をする旅屋として大活躍する、おかえりがとてもチャーミング。よろづやプロの社長とのんのさんもハートフル。人と人が繋がることの良い部分がすべて表現されているような世界観。依頼人や旅先で会う人たちもまた温かい。後半の社長の過去が絡むあたりは予想外で感動!
気軽に旅に出られないこのご時世、旅っていいなと改めて思う。依頼もしてみたいけど、好奇心と体力が続く限り自分の足でたくさん巡りたいとも思う。
読了日:12月09日 著者:原田 マハ

■Factfulness: Ten Reasons We're Wrong About The World - And Why Things Are Better Than You Think
There are 10 instincts we are suggested to know as a right worldview. Found out how little did I know about "the other countries" through the questions. The articles of what the author went through in the countries extremely poverty are worth reading.
読了日:12月06日 著者:Hans Rosling,Ola Rosling,Anna Rosling Roennlund

■木暮荘物語 (祥伝社文庫)
のんびりしながらも突拍子のなことが起こることに面白みがたっぷり。
小暮荘はボロアパートで住人達の温かい系かと思いきや、意外にもパンチがある。大家さんはセックスに対して並々ならぬ欲望があるし、三角関係は起こるし、女子大学生の性や妊娠出産問題や、アパート内での覗きまである。住人の周りでも浮気もあるし穏やかではない。
一見普通に見える人や生活も、実は色々な悩みやしがらみがあるんだよなと改めて思う。
並木のその後が気になる。小暮荘、世田谷代田に実在してて欲しいな。
読了日:12月03日 著者:三浦 しをん

■木曜日にはココアを (宝島社文庫)
天気の良い休日の午後、小さなカフェの窓際の席でリラックスして読みたい、そんな本。(実際は入浴中に一気読み....)心が温かくなる優しい短編連作。
カフェマーブルの“ココアさん”からスタートして、東京シドニー間を跨いで少しずつ優しさが広がっていく。まさに全員が“マスター”であるかのように、誰かが誰かをそっと救っている様が幸せしかない。
最初と最後のココアさん、オレンジとターコイズブルーの魔法、素敵。人っていいなぁと感じさせてもらった。
読了日:12月01日 著者:青山 美智子


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