幸せの放物線

友人の話。座標軸の世界線について。
x軸y軸、z軸は友達や恋人、家族の世界線を表していて私たちは0の原点から動いて自分を形作る。私たちはペルソナをいくつも持っていて、この世界線においてニュートラルな自分自身として存在しつづけ、秩序を描いて幸せの放物線を描写する。ゼロからスタートして、奇跡のような軌跡を描く。自分自身の計算が合わなくても、ゼロに潜水して鍵を探しにいく。
代数や幾何学の世界のことはよくわからないけれど、空間と時間が数式で表せることができるというのもなんだか粋だな、と思って今日も世界を俯瞰して、恍惚として水平線の向こうを私は眺めている。学者は規則正しく並ぶ星の配列を眺めている。

フラワーチルドレンの話。
今ロシアが終わりの見えない殺戮を続けている。略奪、搾取、無差別な虐殺。精神的な死と肉体の死。「銃口を向けられた」とインタビュワーのマイクに向かって恐怖を語る。
その銃口に花を溢れさせて、殺意が慈悲に変わればいいのに、と友人は語った。弾丸の代わりに優しさを打ち込んで、凍てついて追い詰められて自我を失った心に、優しさを植え付けて世界が変われば良いのに。花束や言葉一つで、世界を変えられたらいいのに。
戦犯者は自我を奪われて傀儡のように操られ、人生を終える。市民は理不尽な虐殺に抵抗する術を持たず、どうして殺されなければならないのか、混沌としたまま精神的にも肉体的にも表現の自由を奪われ命を落としていく。
理由なく人生を奪われる。
誰が悪くて、何が正義で、何が幸福で。
権力が死の偶像を掲げて暴徒になっている。生きることを冒涜している。一千一秒の感覚で今も遠くない世界で多くの命が奪われている。目を瞑ってはいけない。
人間らしさを私たちは忘れない。世界は変わる。人間も変わる。祈り続ける。
境界線を越えて世界を救え。

2022/04/18

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