ハッピーメントス、君に幸あれ


占いに行ってきた。マリア先生(仮)という方で、HPに載せられていた写真と大分違う姿をしていらっしゃったのは、俗世に溶け込むという意図があるのかもしれない。胡散臭さ万点だと思って物見遊山で行ってきた。守護霊を霊視する、とのことで鑑定してもらった。
私には何が憑いているのだろう。狸か狐か、ハクビシンか。かわいい生き物だったら良いけれど、真っ黒くうねうねして心に蔓延る鰻のような正体不明の何かに憑かれてしまう人もいると風の噂で聞いた。
エミリー先生が空間を仰いで目をぱちくりさせる。瞬きをして、何かを捉えている。その姿はさながらスローモーションで何かを視ているようだった。
数秒の沈黙の後、エミリー先生は
「和太鼓を叩いている男衆と執筆活動を後押しする書記官がいる、形は持たない者たち」と私に告げた。なんだかとてもシュールな光景が目に浮かぶけれど、どうやら私のことを守ってくれているらしい。なるへそ。意外と体育会系だったのね。守護霊は誰の心にもきっと棲みついている。その存在には気づかないけれど。

かたちのないもの。かたちのあるもの。それらは私たちの周りで蠢いていて、それは感情であったり、原子であったり、する。食べ物や草花にもそれらは宿っていて…ということに想いを巡らせていた。米にもパンにもそれらは宿っていて、私たちはそれを取り入れて、循環させている。私たちもいつかは土に還る。俗に云う、アニミズム信仰といわれるものだ。
けれど、その命はどこかでまた巡っている。
理性と感性。全てに意味があり、存在している。世界とつながることで、私たちは存在証明している。
占いは不思議が詰め込まれているようで、実は人と人とのコミュニケーションによって執り行われるカウンセリングだ。

占いを紹介してくれたのは昔からの友人なのだけど、私が降霊(?)を受けている間ずっと横でメモを取ってくれていた。私が恋愛相談をすると前向きな道標を指し示してくれる。というか、書記官て彼女のことなんじゃないか?いつも、ありがとう。

帰り際、彼女はメントスを私にくれた。ハッピーメントス。君に幸あれ。

2022/04/20

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