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喫茶 平均律@学芸大学

平均律みたいに美しい配分で整えられた旋律のようなすっきりした味わいが抽出されたダージリンを飲んできた。柑橘の香りが効いてるダージリンは身体を芯から温めてくれた。
シダ模様のティーカップ。その中で揺れるダージリン。
店員さんの軽やかで柔らかい雰囲気とゆっくり流れる時間と、店内に流れるパイプオルガンの曲は日々の喧騒に揉まれた心を落ち着かせてくれる。
カウンター前に規則正しく並んでいるティーカップは店員さんのお気に入りを集めて詰め込んだ箱なんだと思う。
落ち着いた雰囲気で過ごしやすい空間だった。

今は、藤崎彩織の『ふたご』を読んでいる。
社会に馴染めないということ。だからといって、生きていく道が閉ざされている訳ではないということ。

なんだかんだ私は毎日何かしら人間活動をして日々を紡いでいる。そんなひとときを過ごせるというのは幸せで、恵まれたことなんだと思う。

時折、自分の言葉や行動が知らず知らずのうちに誰かを傷つけているんじゃないかと不安になることがある。考えごとをし過ぎて頭が真綿を詰められたようにいっぱいいっぱいになってしまうことがある。
そんな時は一人で喫茶店に行って心の底まで潜っていく。ゆったりした時間が心をととのえてくれる。
それが、私が喫茶店に通う理由だったりする。


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