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    2021年8-10月に放送されたMnetのガールズグループオーディション番組「Girls Planet 999」に関連する記事・音声

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感想『DUNE 砂の惑星 Part 2』:現実との相似、人類の成熟の停滞

ヴィルヌーヴ的aestheticを今回も堪能。いつまでも観ていたい。 前作よりもストーリーに動きがあり、次どうなるんだろうという期待感も高い。 ただどうしても、イスラエルによるパレスチナの民族浄化に重ね合わせてしまうところがあり、暗い気持ちになりもした。 中でも、ラッバーン・ハルコンネンが自らの権威を守ろうと、フレメンを「ネズミ」と呼び皆殺しを指示する様は、パレスチナの人々を獣と称し殺し続けるイスラエルのとある大臣とモロに被る。そしてこれよりは直接的ではないものの、皇帝に入

    • 感想『正欲』:俳優の匿名性、欲求の迂闊な解放

      これは小説を初めに読んでおくべきだったかもしれない。内容がどうこうというよりは、主要人物の顔のイメージが固着しちゃったのが自分にとってはもったいない気がする。どうしても「いやその顔ならこの日本で一定以上は生きやすいでしょw」といったように、想像力を手放してしまいそうになる。 水へのフェティシズムはいいねと思うが、その充足にガキを使ってしまうところに、あの人たちの迂闊さというか幼さを感じた。仮にそういうシチュエーションが用意されちゃったある種「ラッキー」な状況だとしても。 自

      • ポッドキャスト『人事の流刑地』をはじめました

        やりたいやりたいとずっと思っていたポッドキャストをやっとはじめた。テーマとして選んだのは、自分が仕事で取り組んでいる人事領域。世間によくあるキラキラした側面を語るというよりは、「成功」「成長」というある種のドグマを斜めの視点から語る感じの番組。 以前いた会社の先輩にお声がけしたところ快諾してもらえて、2人とも離島に複数回行ったことがあるのと、企業側からはもしかすると都合の悪いことも語るかもしれないということで、『人事の流刑地』という番組名にした。 就職活動や普段の仕事にモ

        • 感想『哀れなるものたち』:自由を得る2つの方法、連鎖の断ち切り

          自由にもいろいろあるが、大きく2つの方向性で獲得することができると思う。1つ目は自分の気持ちに素直になること。世間の「良識」など、よほど他人に迷惑をかけない範囲であれば無視すればいい。エッグタルトをたくさん食べていいし、周りに合わせず好きに踊ればいいし、お野菜をいれてもいい。 もう1つは、自分にはまだ無い考えや考え方を知り、世界を見る眼やその角度にバリエーションを持たせること。この方向性での自由には、他者の存在が大きな助けになる。本を投げられても動揺せずすぐ次の本をくれるあ

        感想『DUNE 砂の惑星 Part 2』:現実との相似、人類の成熟の停滞

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          感想|GroovyRoom - Yes or No(Feat. Huh Yunjin of Le Sserafim, Crush):キャッチーかつスムース、ユンジンの声の聴き心地、Crushのさっぱり出張ひと仕事

          GroovyRoomらしいキャッチーかつスムースなサウンドがたまらない。失礼な言い方になるかもしれないが、すごくキャッチーでもすごくスムースでもない、めちゃめちゃちょうど良い塩梅。 ユンジンの声もまたクセの無い聴き心地。Behind the Scenes的な動画を見てみると、彼女のニュアンスを調整する能力がすごくて、これは今後もいろいろな曲に呼ばれるのではないかと期待が持てた。 そして同じ動画でのCrushの職人ぶりが半端じゃない。かなりカットされているとは思うが、サッと

          感想|GroovyRoom - Yes or No(Feat. Huh Yunjin of Le Sserafim, Crush):キャッチーかつスムース、ユンジンの声の聴き心地、Crushのさっぱり出張ひと仕事

          感想『PERFECT DAYS』:ルーティンの美しさ、素敵そうなプロジェクトの欺瞞、おっさんの願望がつまった女性陣

          役所広司の演技はやはりすごかった。説明的すぎない脚本も相まって、彼の表情ひとつひとつに惹きつけられた。彼が控えめに笑う時、同じくほっこりした気持ちにさせられた。 豪奢とはベクトルが異なるが、自然を愛で、本を読み、音楽を聴く彼の暮らしぶりはとても豊かであり、羨ましさを覚えた。ルーティン的な所作も見ていて気持ちがよかった。特に、玄関で財布や鍵を綺麗に配置し、出かける時にそれらを順番に手にしていく様は妙に美しかった。 このように、平山という人物や画的な美しさという観点では良い作

          感想『PERFECT DAYS』:ルーティンの美しさ、素敵そうなプロジェクトの欺瞞、おっさんの願望がつまった女性陣

          プレイリスト「Complete|e.one/Jung Hohyun/Choi Hyunjoon」

          K-Popで最も好きなプロデューサーであるe.oneの楽曲をなるべく網羅的に集めてプレイリストにしてみた。参照したのは「Korea Music Copyright Association」のデータベース。 データベースでは以下の名義が区別されていた。 ・e.one  └チョン・ホヒョン氏のみ参加  └チョン・ホヒョン氏、チェ・ヒョンジュン氏の両名参加 ・チョン・ホヒョン氏、チェ・ヒョンジュン氏の連名 ・チョン・ホヒョン氏個人 ・チェ・ヒョンジュン氏個人 上記のプレイリスト

          プレイリスト「Complete|e.one/Jung Hohyun/Choi Hyunjoon」

          感想『カランコエの花』:久々の映画鑑賞、排除する心性の謎、設計が甘い授業

          だいぶ久しぶりに映画を観た。なかなか観ることができていなかった理由の仮説として、大きな変化のあった自分の生活を安定させることが優先で、他者の物語に向き合うことを無意識でおっくうがっていたような気がする。 ただ、もしこれがある程度正しいとした場合に、映画というものは自分にとってあくまで何かしらの精神的な負担を払った上で楽しむものということになり、無条件での娯楽という感じではなさそうだ。こういうところから、後天的に文化に接している自分の立場を自覚させられる。 約40分と短いので

          感想『カランコエの花』:久々の映画鑑賞、排除する心性の謎、設計が甘い授業

          歌詞解説&感想|XG - WINTER WITHOUT YOU

          歌詞解説 字幕でニュアンスや元の意味までは汲み取りづらい箇所が3点あったので、それぞれ解説する。歌詞とその字幕を引用し、解説を続けている。 ①バース1 ジュリアのパート 'put up' は「何かを見える状態にする」というイメージ。なのでここでは、ツリーを引っ張り出してきて、'lights' をツリーや他の場所に取り付けている様子が浮かぶ。 'lights' と複数形にしてあるので、漠然とした「光」ではなく、「光を発しているモノ」と捉えられる。なのでここでは「イルミネー

          歌詞解説&感想|XG - WINTER WITHOUT YOU

          感想|yuigot『Guidebook』

          yuigot のことを知ったのは、maeshima soshi と YonYonのコラボ曲「Found Me」のリミックスだった。Spotifyのおすすめで流れてきて、包み込んでくれるような優しい雰囲気と、テクテク歩きたくなるような軽快な雰囲気が同居したこの曲は、すぐに多摩川散歩のお供になり、2021年のSpotify Wrappedでもかなり上位に来ていた。 それ以来、あまり意識してこの人の作品を聴いてはこなかったのだが、初めてアルバムを出したということで聴いてみた。以下

          感想|yuigot『Guidebook』

          感想|KISS OF LIFE - TTG:FLO'Cardboard Box'感

          デビューシングル「Shhh」の、Pristin Vを思わせるつよつよレイディ感(もっとザラついた強さ?)から、ちょっと気になってきている KISS OF LIFEの皆さん。あとはTWICEが日本で流行って、そこからSIXTEENを後追いした身としては、ナッティの念願のグループデビューなのも気になるポイント。同じように「あのナッティがついに!応援したいな~」という人は結構いると思う。 2枚目のEP『Born to be XX』は表題曲「Bad News」ももちろんカッコよいの

          感想|KISS OF LIFE - TTG:FLO'Cardboard Box'感

          感想|『こっち向いてよ向井くん』(ドラマ):他者との関わり合い、向井と美和子の暗示、恵比寿駅東側おすすめランチ

          友達に勧められ、ドラマ『こっち向いてよ向井くん』をNetflixで観た。主人公の向井に対してイライラしながらも、最終話でとても幸せな気持ちにしてもらえた。 イライラの原因は、向井が様々な思い込みに囚われていたことにある。自分が彼のような状態に陥ることを意識的に回避しやすくなるのではないかと思い、彼がどんな思い込みをしていたのか、言葉にしてみようと思う。 また、これだけではちくちくした感想文になりそうなので、おまけを2つ付け足してみる。1つ目は、自分は向井と美和子の関係の着

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          感想|NiziU - HEARTRIS:10s後半K-Pop感、e.one感、Just the Two of Us進行

          『Nizi Project』は全部観ていたものの、デビュー以降はNiziUのことをあまり追いかけてこなかった。しかしこの間、Spotifyのプレイリストで新曲「HEARTRIS」が流れてきて「ビビビッ!」と来たので、それが何ゆえか言葉にしてみたいと思う。 この曲を聴いてみてまず感じたのは、「ちょっと昔のK-Popガールズグループの曲っぽいな~」ということ。特に、Lovelyz「Wow!」や fromis_9「DKDK」、Cherry Bullet「Q&A」といった曲たちを何

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          感想|NEX_FEST:Ayase への共感、BABYMETALの主体性とファンダム、念願の9年ぶりBMTH

          YOASOBI 開催およびラインナップが発表された時、一番驚いたのがこのアクト。他のアクトとあまりに音楽性がかけ離れていると思ったためだ。正直なところ、元々YOASOBIには良い印象を抱いていなかった。1stアルバム『THE BOOK』では同じようなメロディや、ラストのサビで半音上げる手法が繰り返されていて退屈したし、そもそも「Novel into music」というコンセプト自体、創造性を拡張するためではなく、タイアップをしやすくするために設定されたようしか思えなかった。

          感想|NEX_FEST:Ayase への共感、BABYMETALの主体性とファンダム、念願の9年ぶりBMTH

          意見|竹田ダニエル氏のツイートから考えたこと:少しずつでも世界を明るくするために

          竹田ダニエル氏の以下のツイートを読み、ちょっとしたモヤモヤを抱いたので、それをきっかけに考えてみたことを書き記す。 イスラエルとパレスチナの件はとても複雑だから、どちらかの立場に身を置いて発言することばかりが正しいとは思わない。(追記:ほぼほぼ一方的な虐殺の様相を呈しており、「複雑だし、ルーツ的にどちらにも関係ない自分みたいなのがどうこう言うのはちょっと…」というのとは別の次元で、今はとにかく「虐殺反対」を唱えるべきだと思っている。 さらに追記:また、様々な情報を調べている

          意見|竹田ダニエル氏のツイートから考えたこと:少しずつでも世界を明るくするために

          意見|キングオブコント決勝における、観客・審査員の性別の偏り

          10/21に開催・生放送されたキングオブコント2023決勝について、観客・審査員の性別の偏りに関する問題提起がTwitter(X)でなされていた。 このツイートをめぐって、さまざまな意見が飛び交っていたが、中には「それは違うのでは…」と思うものも見られた。この記事では、わたし自身の立場を示した上で、元ツイートに寄せられた批判や非難に対して反論していこうと思う。 今回の論点 元のツイートには以下3つの論点があると思う。 ①:観客が女性だけである点 ①':その観客が同じTシ

          意見|キングオブコント決勝における、観客・審査員の性別の偏り