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#1 グラドルだった「綾瀬はるか」

 1990年代〜2000年代の女性アイドルを振り返る企画「ガールズポップス」。かつては個人の認知度を向上するため手段としてグラビアアイドルでデビューした後に歌手・女優・モデルへ転身するケースが多かった。

 デビュー初期に数々の少年誌で表紙を飾っていた井川遥は今や女性が憧れる女優へと変貌を遂げ、同じく小池栄子も女優として活躍し、グラビアアイドルとしての面影が失われている。今回は国民的女優として知られている綾瀬はるかのブレイク前のグラビアアイドル時代を振り返っていく。

グランプリを逃したホリプロTSC

 2000年9月に行われた第25回 ホリプロタレントスカウトキャラバンで約4万人の中から審査員特別賞を受賞した。同期はグランプリを受賞した藤本綾、綾瀬と共に審査員特別賞を受賞した岩科麻由子だった。その後は新人アイドルとしてグラビアを中心に女優・タレントとしても活動を行なった。

 芸能界で活動するにあたって芸名を少年誌「週刊ヤングジャンプ」やインターネットで募集し、約16,000件の応募の中から「綾瀬はるか」に決定した。芸名で活動することになった経緯については不明だが、一説によると本名である蓼丸綾が同じ事務所の平山あや(当時は平山綾)や同期の藤本綾と被ってしまうため芸名で活動することになったと言われている。

 芸能界デビューから1年が経った2001年9月に松本潤主演のドラマ『金田一少年の事件簿』の第7話で女優デビューを果たした。その後はグラビアアイドルの登竜門として知られていたポニーキャニオン主催の「ファイブスターガール」に次期ブレイクアイドル候補として選出された。

下積みグラドル時代

  • ホリプロの若手タレントで構成されたHiPに参加し、ラジオ番組『HiP HOP パラダイス』やファンクラブイベントを中心に活動した。綾瀬が加入する前は新山千春・深田恭子などが在籍していた。

  • 品川庄司の冠番組『品庄内閣』(2001年10月~2002年3月放送)にアシスタントとしてレギュラーで出演。ゲストからアイドルとしての極意を学んだり、深夜帯ならではの下ネタトークも容赦なく展開された。

  • 和田アキ子が司会を務めていた『B.C. ビューティー・コロシアム』では“体重が増え続ける正統派アイドル”として出演。「目標体重に達しなかったら地元に帰る」と宣言し、過酷なダイエットに挑戦した。

  • 土田晃之が司会を務めていた東海テレビ制作のバラエティ番組『コスモ★エンジェル』(2002年5月~10月放送)に小倉優子らと共にレギュラーで出演。椅子取りゲームやビーチフラッグ対決などアイドルらしいゲーム企画が展開された。

  • 妻夫木聡主演の短編映画『JUSTICE』は同期の藤本綾が出演する予定だったが、役柄がブルマが似合う女子高生だったこともあり、グラビアを中心に活動していた綾瀬はるかに変更されたと言われている。

アイドルから女優への転身

 デビュー当初はグラビアを中心に活動していたが、2003年はドラマ『僕の生きる道』、『ブラックジャックによろしく』、『幸福の王子様』と3クール連続で出演し、その一方で少年誌「週刊ヤングサンデー」や「週刊ヤングマガジン」で表紙を飾るなどグラビアアイドルとしても変わらず活動を続けていた。

 2004年になると、ドラマ『それは、突然、嵐のように…』や単発ドラマなど立て続けに出演し、7月期の山田孝之主演のドラマ『世界の中心で、愛を叫ぶ』ではヒロイン役に抜擢され、映画版の長澤まさみと同様に剃髪するなど体当たりな演技が話題になった。

 2005年以降は女優業に完全にシフトチェンジし、『あいくるしい』や『白夜行』などの話題作に出演した。翌2006年3月には元My Little Loverの小林武史プロデュースで歌手デビューを果たし、デビュー曲の「ピリオド」、2ndシングルの「交差点days」は2作連続でトップ10入りを果たした。

  • 1st「ピリオド」(8位)

  • 2nd「交差点days」(8位)

  • 3rd「飛行機雲」(23位)

  • 4th「マーガレット」(20位)

国民的女優へ

 2007年に初主演を務めたドラマ『ホタルノヒカリ』は後にシリーズ化されるほどのヒットとなり、後に劇場版も制作された。

 2013年にはNHK大河ドラマ『八重の桜』で主演を務めたことから『NHK紅白歌合戦』の紅組の司会に抜擢された。

 こうして綾瀬はるかは国民的女優へと登りつめた。


テレビ番組

  • 『品庄内閣』(2001年10月〜2002年3月、TBS)

  • 『B.C. ビューティー・コロシアム』(2001年12月7日、TBS)

  • 『コスモ★エンジェル』(2002年5月〜10月、東海テレビ)

ドラマ

  • 『金田一少年の事件簿』第7話(2001年9月1日、日本テレビ)

  • 文化庁芸術祭参加作品『風の盆から』(2002年11月23日、NHK)

  • 『僕の生きる道』(2003年1月〜3月、フジテレビ)

  • ほんとにあった怖い話 春の恐怖ミステリー『闇からの電話』(2003年4月8日、フジテレビ)

  • 『ブラックジャックによろしく』(2003年4月〜6月、TBS)

  • 『男湯 〜ゴボイジャーショーの巻〜』(2003年5月3日、フジテレビ)

  • 『幸福の王子』(2003年7月〜9月、日本テレビ)

  • 『太閤記 サルと呼ばれた男』(2003年12月27日、フジテレビ)

  • 『それは、突然、嵐のように…』(2004年1月〜3月、TBS)

  • P&Gパンテーンドラマスペシャル『冬空に月は輝く』(2004年2月11日、フジテレビ) - 主演

  • ほんとにあった怖い話『横断歩道奇譚』(2004年2月14日、フジテレビ) - 主演

  • 『推理心理コロシアム』(2004年5月3日〜6日、読売テレビ) - ヒロイン

  • 『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004年7月〜9月、TBS) - ヒロイン

映画

  • Jam Films『JUSTICE』(2002年12月公開) - ブルマが似合う女子高生役

  • 『雨鱒の川』(2004年11月公開) - 主演

  • 『Mr.インクレディブル』(2004年12月公開) - 吹き替え

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