F1 2024 バーレーンGP観戦記 「インシャーアッラー」

年が改まり、心機一転!とはならなかった。
年々短く感じるようになったオフシーズンのせいではあるまい。
結局のところ、2024年のF1グランプリは2023年の延長戦であり、リプレイにすぎなかった。
ラップあたり0.5秒の差を広げるヴェースタッペンに対して、それ以外のドライバーは何もできなかった。
同じクルマを使うペレスだって例外ではない。
2023年に世界各地のサーキットで見た、圧倒的な完勝劇。
バーレーンのグランプリは2024年開幕戦というより、2023年プラスワンといった表現の方が適切なグランプリだったのだ。
93日間のホリデーでは少し足りなかったようだ。

たしかに予選は面白かった。
ひょっとすると何が変わるかもという期待があった。
わずかなタイム差にひしめくマシンたち。ヴェースタッペンとてPPは獲ったもののそこまで圧倒的ではないタイム。
レッドブル優位は否定できないが、それでも状況次第では勝負できないこともないのでは・・そんな期待がトラックを包み込んだ。そんな予選だった。
改めて絶望の日曜日にこれを書いていて思うのは、金曜日のこの予選で愚かにもそんなことを期待してしまった自分が恥ずかしくて、呪いたくなるからなのだろう。
予選で1.5秒差をつけてヴェースタッペンがグリッドワンを獲得していれば、「そういうものだ」と納得して土曜の決勝に臨めたはず。
淡くて甘ったるい予選の結果が結果的に絶望への伏線となってしまったのだ。

伏線といえば、開幕前からぶすぶすとふすぼっていたホーナーのスキャンダルだってそうだ。
このレースは結果的にホーナーの価値を逆説的に大きく落とした。チームがあんな状態になってもラップあたり0.5秒をひり出すことができる。少なくともラップあたり0.5秒のゲインがあるならば、チーム代表が案山子でも何でもよい。セクハラ野郎でも案山子よりは少しはマシだろう。だったらホーナーがいてもいいし、例えいなくても0.5秒はポケットの中にある。

レース自体のハイライトが、チェッカー後の角田とリカルドのやりとりだったのことが、このグランプリがいかに見るべきものがなかったを言い表している。
フェラーリもメルセデスもアストンも全てが脇役だった。
ポイントにかすりもしないポジションでエゴを剝き出しにしたリカルドと角田のやり取りのほうがまだ"グランプリ"を感じさせるとは、いったい我々は何を見せられたのだろうという気になってくる。
幸いだったのはこれが、土曜の夜に決着がついたということだ。
これがいつものように日曜の夜のレースだったら最悪だった。観戦で生じた一酸化炭素のような不完全燃焼ガスは日曜日という日常とのクッションで緩和された。
インシャーアッラーは異教徒である我々にもご加護があったのだ。

次戦は1週間後、サウジアラビア。
ラマダンがつづく中東での連戦となる。
願わくば、インシャーアッラーがレースそのものの面白さにも作用することを。
レーシングの神様も少しは意地を見せて欲しい。

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